「honto 本の通販ストア」サービス終了及び外部通販ストア連携開始のお知らせ
詳細はこちらをご確認ください。
このセットに含まれる商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
商品説明
埼玉県内で殺人事件が発生。全てを知る女は姿を消した。顔を変え、新しい名前を手に入れた女は、日本海沿岸の温泉地で働き始める。新天地で別人としての人生を生きるはずだったが…。『小説新潮』連載を書籍化。【「TRC MARC」の商品解説】
長年の愛人関係のもつれか。男性経営者が死体で発見。逃げた女の行方は? 「埼玉県内の事務所で、会社を経営する男性の遺体が発見されました。男性と内縁関係にあった女が姿を消しており、警察は事情を知っているとみて、女の行方を追っています――」過去も家族も全て捨て、逃げ出した女。出会い系で知り合った男の手引きで顔を変え、新しい名前を手に入れた女は、温泉旅館で働き始めるが……。【商品解説】
著者紹介
花房 観音
- 略歴
- 〈花房観音〉1971年兵庫県生まれ。京都女子大学文学部中退。映画会社や旅行会社などの勤務を経て「花祀り」で団鬼六賞大賞を受賞しデビュー。京都でバスガイドを務める。他の著書に「萌えいづる」など。
あわせて読みたい本
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
この著者・アーティストの他の商品
前へ戻る
- 対象はありません
次に進む
紙の本
火曜サスペンス劇場みたいな
2021/11/19 07:29
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初めに、男の死体ありき。
それを見つめる女が一人。
この男が何故死んだのか、物語の最後まで明かされない。
これはその謎を解くミステリーではない。
見ていた女が立ち上がり、逃げる話だ。
顔を変えて、たった一人の娘をおいて。
女の名は鶴野圭子、間違っても美人とは言い難い、46歳の中年女。
彼女は整形して美人になった。名前も倉田沙世に変えた。43歳に若返った。
自分を変えてくれる、そんな闇があった。
そして、彼女は福井の芦原温泉のホテルで仲居となって住み込み始める。
誰も彼女のことは知らない。
けれど、人間は一人では生きていけない。やがて、彼女は新しい人間関係を作っていく。
倉田沙世としての人間関係だ。
ホテルの雇われ支配人に言い寄られ関係をもつ。コンパニオン派遣として雇ってくれた女性経営者にその関係を疑われ、時には同僚の若い女性をかばったりする。
地元のストリッパーから親友と呼ばれ、自分の顔でもない整形の顔を美人と妬まれて。
どんなに顔や名前を変えても、もちろん、逃げおおせるわけはない。
花房観音はそんな中年女の姿を描きながら、母として、愛し愛される性として、惑う女の姿を描いていく。
主人公が口にする「ひとりで生きていける人間になりなさい」は、女という自分に言い聞かせた言葉だったのだろう。
この女、死体をおいて逃げた時から、ひとりで生き始めたのだ。
強く、つよく。
紙の本
これは女性しか書けない小説
2021/10/30 11:44
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のりちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
底辺に蠢く男女の描写が実に生々しい。世の中はやれ男女共同参画だなんだと盛んに女性活躍の向上を叫んでいるが、普通の男は全くそんな考えはないことが良くわかる作品だ。
面白く読んだけど、それで本当にいいのかという気がした。