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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/05/27
- 出版社: 講談社
- サイズ:20cm/303p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-06-528034-8
読割 50
紙の本
朝日新聞政治部
著者 鮫島 浩 (著)
朝日新聞はどこで、何を間違えたのか? 崩壊する大新聞の中枢で何が起きていたのか? 「吉田調書事件」の当事者となった元エース記者が、登場人物すべてを実名で綴る内部告発ノンフ...
朝日新聞政治部
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商品説明
朝日新聞はどこで、何を間違えたのか? 崩壊する大新聞の中枢で何が起きていたのか? 「吉田調書事件」の当事者となった元エース記者が、登場人物すべてを実名で綴る内部告発ノンフィクション。【「TRC MARC」の商品解説】
「この本は雷雲のごとくエネルギーに満ちている。
日本の大組織のほぼ全てで
同様の失敗が起きているのだろう」
ーー藻谷浩介(日本総合研究所主席研究員)
「社内政治と保身にエネルギーを浪費する幹部たち。
失敗と批判を恐れ、委縮していく現場。
新聞の政治報道が光を失った理由がここにある」
ーー望月衣塑子(東京新聞記者)
「これほどの生きたジャーナリズム論に出会ったのは、はじめてだ。
ここにはメディアの未来を考える重要な実体験が描かれている」
ーー中島岳志(政治学者)
「朝日新聞の凋落は日本凋落の縮図でもある。
これは誰にとっても他人事ではない」
ーー辻野晃一郎(グーグル日本法人元代表)
*******************
地方支局から本社政治部に異動した日、政治部長が言った言葉は「権力と付き合え」だった。
経世会、宏池会と清和会の自民党内覇権争い、政権交代などを通して永田町と政治家の裏側を目の当たりにする。
東日本大震災と原発事故で、「新聞報道の限界」をつくづく思い知らされた。
2014年、朝日新聞を次々と大トラブルが襲う。
「慰安婦報道取り消し」が炎上し、福島原発事故の吉田調書を入手・公開したスクープが大バッシングを浴びる。
そして「池上コラム掲載拒否」騒動が勃発。
ネット世論に加え、時の安倍政権も「朝日新聞バッシング」に加担し、とどめを刺された。
著者は「吉田調書報道」の担当デスクとして、スクープの栄誉から「捏造の当事者」にまっさかさまに転落する。
保身に走った上司や経営陣は、次々に手のひらを返し、著者を責め立てた。
そしてすべての責任を押し付けた。
社長の「隠蔽」会見のあと、待っていたのは「現場の記者の処分」。
このときに「朝日新聞は死んだ」と、著者は書く。
戦後、日本の政治報道やオピニオンを先導し続けてきた朝日新聞政治部。
その最後の栄光と滅びゆく日々が、登場人物すべて実名で生々しく描かれる。
【主な内容】
記者人生を決める「サツ回り」 /政治記者は「権力と付き合え」/清和会のコンプレックス/小渕恵三首相「沈黙の10秒」/古賀誠の番記者掌握術/虚偽メモ事件/社会部とは違う「調査報道」を生み出せ!/社会部出身デスクとの対立/内閣官房長官の絶大な権力/小沢一郎はなぜ総理になれなかったのか/原発事故が突きつけた政治部の限界/「手抜き除染」報道と特別報道部の全盛期/吉田調書報道の「小さなほころび」/慰安婦記事「取り消し」後の猛烈な批判/動き始めた安倍政権/「池上コラム問題」はなぜ起きたのか/バッシングの嵐と記者処分【商品解説】
著者紹介
鮫島 浩
- 略歴
- 〈鮫島浩〉1971年生まれ。ジャーナリスト。元・朝日新聞社特別報道部デスク。「手抜き除染」報道で新聞協会賞受賞。ウェブメディア『SAMEJIMA TIMES』を創刊。
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紙の本
オールド・メディアへの訣別宣言(読みごたえあり)
2022/06/01 20:19
6人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Haserumio - この投稿者のレビュー一覧を見る
ジャーナリズム(ジャーナリスト)論としても、企業組織論としても、日本政治論(史)としても読める大変読みごたえのあった一書。付箋だらけになった一冊ですが、肝心のいわゆる「吉田調書」問題について、背景・経緯や社内のドロドロをはじめとして実に明快に理解できた。(他の場所に行った東電社員が、「結果的に」命令に違反していたことは明白なので、要は原稿に「逃げ道」を作り忘れたところをさまざまな思惑を有する方々に利用されただけの話に過ぎないとの印象。元を辿れば、ある意味巷間よくある話であり、「のりしろ」と「鷹揚さ」を失くした日本社会や各種組織、職業人などのすさまじい「劣化」とレベルの低下を改めて感得。)著者のますますの活躍を願っています。
紙の本
企業小説に近い話
2022/11/18 07:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:GORI - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分が会社人間に過ぎなかったと気づいた著者が、ジャーナリストとして立ち上がって書き上げた告発本。
新聞記者の仕事、大企業の新聞社の内部などが分かりやすく書かれていて面白く読めた。
著者が朝日新聞社の中で転落する契機となった吉田調書が新聞賞に匹敵するスクープから誤報にされた経緯も描かれている。
わずかな隙を広げて悪者に仕立てるようなやり方に恐怖を覚える。善良な市民がある時犯罪者にされた様な恐怖だ。
国家の意図なのか、組織の意図なのか、自分が知らないところで裁かれてしまう。
そんな所から著者はジャーナリストでありたいと力を蓄え、牙を研いで待っていた。
これからも真実を暴く仕事に期待します。
紙の本
面白い
2022/08/11 19:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BB - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本を代表する大新聞だけにその報道姿勢はもちろん、中にいる記者一人一人にも、厳しい眼差しが向けられる。
中には立派な記者もいるし、そうでない記者もいる。いい報道も首を傾げたくなる報道もある。
それでもやはり、朝日は一つの権力である。
2014年以降、世間のバッシングにさらされ、それに対して組織としておかしな対応をした朝日新聞の内情について、
中枢(渦中)にいた元エース記者が書いた本書は、さすがに筆力も臨場感もあり、ぐいぐい読ませる。あっという間に読んでしまった。
描かれている政界や、組織の勢力争いは、新聞に限らず、多かれ少なかれ日本の組織にあることだろう。
紙の本
朝日新聞政治部
2022/12/02 10:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にゃあこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
朝日新聞社で著者寄りではない者にとっては面白くない内容だろうが、新聞業界人にとっては、「へー」と思う程度で、とりたてて衝撃的ではない。「自分は有能なのに報いられなかった」という、この種の作品にありがちな述懐が各所に伺える。自らが失脚する原因となった福島第一原発の報道のくだりは、言い訳めいている。文中に実名で登場させた人物のその後についても、回収しきれていないなどスッキリしない部分が多々ある。
紙の本
朝日新聞の迷走の舞台裏に迫るノンフィクション
2024/02/15 17:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:YK - この投稿者のレビュー一覧を見る
福島原発事故に関する報道で、「吉田調書」という文書の名前を記憶されている人は、今では少ないかもしれません。東京電力がひた隠しにしていた事実が、故吉田所長の証言で明らかになったスクープでした。ところが、それが「誤報」であったと訂正されてしまったのです。当時私は朝日新聞にはちょっと否定的な心証もあったのですが、「吉田調書」のスクープを読みたいがために、オンライン会員登録をした記憶があります。
本書著者は「吉田調書」がスクープとして取り上げられ、当時発行部数を減らしていた新聞の救世主と持ち上げられた直後、「誤報」と訂正され、さらにはその責任を全て負う形で朝日新聞を去ることになります。その経緯が、当時の朝日新聞経営層や、編集の要職にいた人々を全て実名で登場させて描かれています。
国家権力を監視し、批判するべき新聞が、国家権力を忖度して言いなりなっていく様、大新聞社が記者個人に責任を負わせようとまさに襲い掛かって来る様をリアルに描写しており、引き込まれてしまいました。
本書のもう一つの読みどころは、政治部記者がどのように政治家との信頼関係を持ち、取材をしている(していた)かが述べられている部分です。番記者と政治家との緊張感あふれる駆け引きや、登庁前の早朝から夜の会食を終えて帰宅するまで、まさに「夜討ち・朝駆け」の現場の描写は、これも著者が番記者として関わった政治家が与謝野馨、古賀誠、竹中平蔵、菅直人とかなりの大物だけに非常に興味深い内容でした。特に印象的なのは古賀氏との関わりです。ニュースなどで見る限り、それほど派手に立ち回る印象のなかった古賀氏が、なぜ派閥の領袖として存在感を維持したのか、全てではないにしてもその一端が紹介されています。
全体を通じて硬派な内容のノンフィクションですが、著者が元新聞記者だけに、過度に脚色することなく、読みやすい文章で構成されています。