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- カテゴリ:一般
- 発売日:2022/05/02
- 出版社: 集英社
- サイズ:19cm/300p
- 利用対象:一般
- ISBN:978-4-08-771784-6
紙の本
ラブカは静かに弓を持つ
著者 安壇 美緒 (著)
【2023年本屋大賞第2位】【第25回大藪春彦賞受賞】【第6回未来屋小説大賞第1位】【第44回吉川英治文学新人賞ノミネート】深く潜れば潜るほど、主人公と自分を重ね、浅葉先...
ラブカは静かに弓を持つ
『ラブカは静かに弓を持つ』ロングセラー記念ガイドブック(試し読み付)
ラブカは静かに弓を持つ
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商品説明
【2023年本屋大賞第2位】
【第25回大藪春彦賞受賞】
【第6回未来屋小説大賞第1位】
【第44回吉川英治文学新人賞ノミネート】
深く潜れば潜るほど、主人公と自分を重ね、浅葉先生に救われ、突き刺される。
暗い深海で一筋の光にすがるように、どうか壊れてしまわないでと願いながら、一気に読み終えました。
限られた文字数では、語りきることなどできません。
この物語はこう紡がれ、奏でられるしかなかったのだと、心から感じました。
まだずっと、余韻が残響のように、自分の中で鳴り続けています。
――斉藤壮馬さん(声優)
その人は尊敬すべき師であると同時に、得がたい友人になった。
内向的な青年の冷めた視線に映し出された世界が、次第にみずみずしく光に満ちた世界に変わっていく。
たとえその前提が裏切り行為であったにしても。
――篠田節子さん(作家)
優れた演奏を聴き終えたかのような感動が胸に満ちてくる。
嘘を重ねる主人公にこうまで味方したくなるのは、
書き手の筆に嘘がないからだろう。
〈音楽の力〉によって結びつき回復してゆく人々を、
〈言葉の力〉で描ききった希有な小説。
――村山由佳さん(作家)
武器はチェロ。
潜入先は音楽教室。
傷を抱えた美しき潜入調査員の孤独な闘いが今、始まる。
『金木犀とメテオラ』で注目の新鋭が、想像を超えた感動へ読者を誘う、心震える“スパイ×音楽”小説!
少年時代、チェロ教室の帰りにある事件に遭遇し、以来、深海の悪夢に苛まれながら生きてきた橘。
ある日、上司の塩坪から呼び出され、音楽教室への潜入調査を命じられる。
目的は著作権法の演奏権を侵害している証拠をつかむこと。
橘は身分を偽り、チェロ講師・浅葉のもとに通い始める。
師と仲間との出会いが、奏でる歓びが、橘の凍っていた心を溶かしだすが、法廷に立つ時間が迫り……
【著者略歴】
安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。【本の内容】
著者紹介
安壇 美緒
- 略歴
- 安壇 美緒 (あだん・みお)
1986年北海道生まれ。早稲田大学第二文学部卒業。2017年、『天龍院亜希子の日記』で第30回小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。2020年、北海道の中高一貫の女子校を舞台にした青春長編『金木犀とメテオラ』を刊行、書店員からの熱い支持を受けロングセラーとなる。
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紙の本
音楽の魅力
2024/01/19 20:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
以前友人に「著作権の問題をベースにした小説で面白かった」と聞いていたので読んでみました。
ラブカに惹かれすぎていて著作権とラブカがどう関係するのかわからなかったが、「戦慄きのラブカ」という映画音楽に使われた曲が出てきてタイトルの意味が分かった。
タイトルの弓はチェロの弓、主人公は全日本音楽著作権連盟に勤める橘という男だ。
子供の頃にチェロを習っていた橘が会社から命じられたのは、ミカサという音楽教室にレッスンを受けに行くことだった。
JASRACが音楽教室から著作権料として収益の何パーセントかを徴収すると言い出した裁判がニュースになったのはいつだったか。
作曲家が音楽教室には無料で提供するという趣旨のコメントを発信したのもニュースになっていたのを思い出す。
楽器を習っているわたしとしては100%音楽教室側だったが、なにせバッハやモーツァルトといった著作権なんて言葉もなかった時代の曲がメイン、現代曲といえばフランス近代の19世紀から20世紀初頭くらいまでの曲しかやらない先生についていたので個人的には関係なかった。
本作ではJASRACもとい全日本音楽著作権連盟がばっちり天下りの利権団体として描かれていた。
チェロにトラウマを持つ橘が断り切れずにミカサに通うようになりついた浅葉先生は、橘より二歳年上の二十九歳、ハンガリー留学の経験はあるがコンクール歴はなく、有名なオケへ就職するところを喧嘩で白紙になったという。
そんな先生に教えられてチェロの弓を持つようになった橘は、チェロの音にのめりこんで熱心に練習を重ねていた。
そして同門の生徒たちとも交流するようになり、それまで友人と呼べる人間がいなかった橘にプライベートの予定と連絡帳に仕事以外の人の名前が並ぶという結果をもたらす。
だが会社の思惑通りポップスを習い続け、裁判の原告側証人として出廷するスケジュールも決まってしまう。
これをスパイ映画のラブカに重ね合わせているのですが、ラブカを「醜い深海魚」と片付けてしまっているのはいただけない。
三又の歯が並んだ口といいラブラドライトのような目といい、神秘的な深海ザメだと思うけど。
楽器を習う師弟の間の絆にも触れられていて楽しめる小説だった。
ちょうどチェリスト金子鈴太郎の演奏に魅了されたばかりでタイムリーでもありました。
現実の裁判の方にも決着がついたし、ぜひ映画化してほしい作品です。
紙の本
ミステリーではない
2023/05/30 00:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
最初は、音楽の著作権にからんだミステリーかと期待して読み始めました。しかし………、コレは、ミステリーではありません。確かに、著作権がらみの事件はあるのですが。それと、主人公の性格に少しイライラしたかな
紙の本
そこまで良いかなあ
2023/05/14 12:47
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nap - この投稿者のレビュー一覧を見る
絶賛するほどではなかったような。
結局、音楽の著作権の問題だよね。
それ以外の部分では、特にこれ!っていう部分はなかったかな。
むしろ、ラブカをいきなり一言で「醜い」って言っちゃう感覚の方が気になった。
紙の本
ずっと深海にいる気分、そんな物語。
2023/04/26 22:20
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:葵 - この投稿者のレビュー一覧を見る
楽しい音楽教室の中と、楽しい人間関係。それとだんだん乖離していく主人公の仕事。読み進んでいくたびに徐々に苦しくなる物語だった。救いが無さすぎる気もするが、物語としてはとても綺麗だった。
紙の本
読み終わりたくなかった
2023/04/21 21:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:kochimi - この投稿者のレビュー一覧を見る
ゆっくりじっくり読んだ。
読み終わりたくなかった。
どんなに惹き込まれる物語でも、
はじまったらおわりがくる。それが惜しくて。
読み進められなかった。
彼の世界に、少しずつ光が差してくる。
増えていく明るさが、やがてくる暗闇を
一層際立たせるんじゃないかと、怖くて。
そして、彼もそれを覚悟しているのが悲しくて。
もう一度、今度は心を鎮めて読み返したいと思うけれど、
今のところは、涙で文字が滲んでしまう。
電子書籍
スパイのモデルになった深海魚にまつわる話
2023/04/02 14:58
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:日本代表、WBCで優勝だ!48 - この投稿者のレビュー一覧を見る
役所の職員の1人が、全日本音楽著作権協会のスパイの一員としてチェロの奏者になるために2年ほどレッスンを受けに行くと様々なパーティーに招かれ、友人が出来離れにくく なって来るが、そんな中しっかりとレッスンを受け続けます。 やがて、正体がばれて先生と仲間を傷つけてしまったのが、嫌になりスパイと役所の職員を辞め、他の仕事に就き 暫くしてまたかつてお世話になった先生のもとで習う物語です。 深海性の動物で3年半の妊娠期間がある事からスパイ活動の象徴の魚となった事が書かれていた事に驚きました。
電子書籍
スパイ?
2023/03/17 22:38
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:エムチャン - この投稿者のレビュー一覧を見る
スパイ、かなぁ?音楽教室へ潜入するという、カタチは、スパイ物なんですけど……読み進めると、コレ、スパイ小説ではありませんねえー。本屋大賞ノミネート作品だけあって、あと味は、悪くないです、ホッ。
電子書籍
スパイ×音楽
2023/02/19 01:54
3人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くみみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
2023年本屋大賞ノミネート
少年時代のトラウマを抱えた主人公が、著作権をめぐり音楽教室への潜入調査を任される。傷を想起する「チェロ」を通して人と触れ合う事で、沈み込んでいた深海から少しずつ引き上げられていく。実話から着想を得た、繊細な心の機微を奏でる「スパイ×音楽」物語。
「音楽」に救いを求める者、気付いたら救われていた者、丁寧にメロディを繋ぐ様に信頼が構築されていく様子と、秘めた任務との天秤の揺れがスリル満点。
主人公の性格を表した様な起伏の少ない滑らかな文体が心地好く、時に生じる波紋を際立たせるエフェクトを担っていた。
生真面目な主人公が「音」を語る時だけ抽象的な譬えを用いる所や、登場人物一人一人に「ここだけは」というブレない部分があり好感を持てた。
漠然とした不安を抱えていたり、感情表現が苦手な方に特に読んでほしい作品。
賛否あると思うけど、ちょっとBL風にも読めた所が良かった
紙の本
音楽は誰の物でしょう
2022/07/25 17:12
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:すぃ - この投稿者のレビュー一覧を見る
音楽を聴く人、演奏する人、作る人、それをお金に換える人。
全員に音楽論があって、そこには意志がある。チェロを音楽教室で弾きに行って演奏する先人の遺産である音楽は果たして誰の物なのでしょうか。
私には分からない。でも今日も昨日も、そして明日も私は音楽を聴くでしょう。
著作権を取り締まる為に潜入する商業スパイ劇。007のような緊迫感とはまた違う緊張感がありました。
ぜひ、ショパンのエチュードを聴きなが一緒に読むと良いエッセンスになると思います。
紙の本
ラブカはスパイをイメージする
2022/05/08 14:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nekodanshaku - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリーかと思ったが、違った。しかし、背景にずっとチェロの響きが聞こえるような物語だった。スパイというより潜入調査員が、経歴を偽り音楽教室に入り、そのコミュニティの暖かさに心の鎧がはがされる。ラブカとは深海魚の名前らしいが、暗い海の底で息をひそめて辺りを窺う姿が、スパイなのだ。チェロを奏でる喜びが表現されるとともに、裏切る苦しさが漂う。無数の信頼の重なりの上に、人間関係は構築される。もし信頼を失えば、……。その先をしっかりとイメージすることが、生きていくうえで重要だと思う。