目次
歴史と向きあう社会学 資料・表象・経験
- 野上 元(編著)/ 小林 多寿子(編著)
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序 章 社会学が歴史と向きあうために(野上 元)
――歴史資料・歴史表象・歴史的経験
1 「歴史社会学」という領域
2 歴史研究における「説明/記述/理解」の区別
3 歴史社会学の方法としての「考古学」と「系譜学」
4 「理解」をめぐる謙虚でラディカルな探究――「声」を聞くこと
5 〈現在〉の社会学としての「歴史社会学」を考えるために
第Ⅰ部 歴史資料の創造性
第1章 社会学の史料としての写真の可能性(菊池哲彦)
――近代フランスの歴史保存における写真をめぐって
1 社会学の史料としての写真の固有性
2 歴史保存と写真
3 歴史的記念物委員会と写真記録プロジェクト
4 古きパリ委員会における歴史保存と写真
5 史料としての写真と歴史
第2章 歴史的資料としての社会調査データ(佐藤香・相澤真一・中川宗人)
1 社会調査データをめぐる環境の変化
2 「労働資料調査」の利用可能性――データ再構築作業というジャングル踏破
3 「京浜工業地帯調査(従業員個人調査)」データの復元
4 復元データという歴史資料を作る/使う/残す
第3章 地域で地域の歴史を書く(高田知和)
――大字誌論の試み
1 さまざまな地域史誌
2 大字誌の実状
3 大字誌を作ることの意味
4 歴史へのさまざまな関わり方
第4章 京水の幻影、鷗外の追憶(香西豊子)
――「湮滅」を記述する歴史社会学の可能性
1 「湮滅」の記述
2 「無態度の態度」という方法論
3 池田京水とは誰ぞ
4 歴史の「自然」と「わたくし」
5 ポツシビリテエの記述
第Ⅱ部 歴史表象の文化政治
第5章 家族写真から震災をまなざす(角田隆一)
――被災写真をめぐる表象と意味変容
1 被災写真へのまなざし
2 「遺物」としての家族写真
3 「集合的遺物」としての家族写真
4 「震災写真」としての家族写真
第6章 都市祭礼の継承戦略をめぐる歴史社会学的研究(武田俊輔)
――長浜曳山祭における社会的文脈の活用と意味づけの再編成
1 都市祭礼の担い手による祭礼の再編成と社会的文脈の活用
2 戦前期大衆観光の流行と祭典補助費の成立
――1917(大正6)年~1937(昭和12)年
3 観光資源という文脈の活用と市財政への依存
――1950(昭和25)年~1965(昭和40)年
4 協賛会の設立と財団法人化の挫折――1966(昭和41)年~1978(昭和53)年
5 国指定重要無形民俗文化財指定、そして複数の社会的文脈の併存――1979(昭和54)年以後
6 担い手による社会的文脈の活用とその重層性
第7章 ニュータウンにおける経験の地層と語りの実践(金子 淳)
1 郊外の病理/ニュータウンの病理
2 ニュータウンの多義性と固有性
3 新旧住民の遠近法
4 多摩ニュータウンにおける歴史を語る実践
5 ニュータウン第二世代という「新層」
第8章 サブカルチャーと昭和の記憶(高野光平)
1 昭和ノスタルジーの起源を探る
2 『三丁目の夕日』とその時代――ニューノスタルジーの誕生
3 1975年、ぼくたちの世代――記憶語りと世代間闘争
4 プレおたくたちのキープオン
5 キープオンがつくる昭和の記憶
6 昭和の記憶はサブカルチャーである
第9章 新自由主義時代の歴史観光まちづくり(野上 元)
――愛媛県松山市「坂の上の雲まちづくり」における「歴史」の利用
1 愛媛県松山市「坂の上の雲ミュージアム」という試み
2 文脈の設定――新自由主義という政治文化と「観光まちづくり」
3 地方中核都市・松山の行政課題とその「選択」
4 「観光まちづくり」における歴史と物語
5 松山における物語観光の文脈――「子規」と「坊っちゃん」
6 「坂の上の雲まちづくり」における「選択と集中」
7 『坂の上の雲』批判と「坂の上の雲まちづくり」批判のあいだ
8 新自由主義時代の「歴史」利用
第Ⅲ部 歴史経験の再帰性
第10章 語り継がれる物語の社会的文脈(桜井 厚)
――戦争体験を語り継ぐ沖縄の実践から
1 歴史的出来事を語り継ぐ
2 語り継ぐ様式
3 語り継ぐ物語の構成
4 「経験的語り」の「体験」化
第11章 産婆の近代と出産の医療化(大出春江)
――『助産之栞』を口述史料として読む
1 「生きられた経験」としての出産の医療化
2 「ピツイトリン」の衝撃――1910年代に歓迎された陣痛促進剤
3 腹式帝王切開術の定着とピツイトリン
4 構成される出産の正常と異常の境界――三宅小民の症例報告を中心として
5 『助産之栞』が示す対話的性格の意義
第12章 エスニックな場所、多人種の痕跡(南川文里)
――リトルトーキョー/ブロンズヴィルの描き方
1 多民族都市の心象地理と歴史記述
2 リトルトーキョー/ブロンズヴィルの変容
3 消えない痕跡――多人種のリトルトーキョー
4 多人種コミュニティを概念化する
5 場所の歴史と向きあう社会学
第13章 「ドイツ統一」に関する東ドイツ社会科学者の経験(飯島幸子)
――ベルリン・フンボルト大学を事例としたインタビュー調査より
1 社会変動期における社会科学の変遷
2 問題の背景――「ドイツ統一」と「東」からの視点の不在
3 調査の概要――インタビュー調査と対象者の属性
4 分析の枠組み――尺度の設定と「適応」の類型化
5 大学改革後の「適応」の事例――五類型に則して
6 エイジェンシーによる分析と多元的歴史観の構築に向けて
第14章 オーラルヒストリーと戦争体験の〈歴史化〉(小林多寿子)
――『沖縄県史』第9巻と宮城聰文書
1 オーラルヒストリーの書
2 『県史』第9巻と宮城聰文書
3 オーラルヒストリーの手法――座談会形式
4 語りの場――オーラルヒストリーの生成
5 オーラリティからリテラシーへ
6 聞き手・宮城聰のライフヒストリー
7 語りの展示と〈歴史化〉
8 オーラルヒストリーと戦争体験の〈歴史化〉
あとがき
索 引
コラム
1 歴史社会学におけるデータ批判(佐藤健二)
――資料の社会的な存在形態の解読
2 社会学と歴史学の間(佐藤卓己)
――メディア史とコミュニケーション史
3 記憶の霞みと小刻みな自分の死(藤村正之)
――認知症の人とライフヒストリー
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