目次
谷崎潤一郎のディスクール 近代読者への接近
- 日高 佳紀(著)
- 序章 谷崎文学をディスクールとして読むために
- 1 ディスクールと読者
- 2 消費される文学、あるいは“文学の危機”
- 3 “歓楽”としての読むこと
- 4 本書の構成と内容
- 第Ⅰ部 メディアを横断するエクリチュール
- 第1章 通俗からの回路
- 1 表象のコラボレーション
- 2 テクストの様式化と逸脱化
- 3 もうひとつの物語世界
- 4 千章館から新潮社へ
- 第2章 メディア戦略とその不可能性
- 1 『新青年』というメディア
- 2 内包された〈秘密〉
- 3 歴史への意識
- 第3章 テクストの臨界
- 1 身体の非在
- 2 〈母〉としての表象
- 3 発禁のテクスト
- 4 有閑マダムの戦中と戦後
- 第Ⅱ部 コンテクストとしての消費文化
- 第4章 資本と帝国
- 1 小学校教師の大正期
- 2 職業と階級
- 3 王国と革命
- 4 資本の制覇
- 第5章 サラリーマンと女学生
- 1 学歴と社会資本
- 2 結婚とハビトゥス
- 3 〈学校〉の内と外
- 4 女子教育と音楽
- 5 譲治の〈教育〉認識
- 6 歌声の近代
- 第Ⅲ部 歴史へのパースペクティブ
- 第6章 大衆としての読者
- 1 大衆読者の発見
- 2 伝説を語る者たち
- 3 群集としての大衆
- 第7章 メタヒストリーとしての小説
- 1 アイロニーとしての〈小説〉
- 2 年代記という仕掛け
- 3 コンテクストとしての〈歴史〉
- 4 大衆小説と歴史小説
- 5 「盲目物語」のナラトロジー
- 6 傍系挿話の機能
- 7 〈翻訳〉としての物語
- 第8章 歴史叙述のストラテジー
- 1 材料としての〈歴史〉
- 2 新聞連載から単行本へ
- 3 削除された冒頭部
- 4 単行本テクストにおける〈歴史〉
- 5 〈歴史小説〉を生成すること
- 6 複数の声をめぐる物語
- 第Ⅳ部 翻訳行為としての読むこと
- 第9章 古典と記憶
- 1 読まれる〈風景〉のリアリズム
- 2 淀の中洲、幻想の舟行
- 3 お遊表象のゆくえ
- 4 劇化する主体
- 5 記憶の中の「遊」女
- 6 物語の他者
- 第10章 文体と古典
- 1 源氏への「にくまれ口」
- 2 構造的美観と『源氏物語』
- 3 「谷崎源氏」への過程
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