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紙の本

1950年代のアメリカの豊かさは、それこそ私たちの現在を凌ぐかもしれない

2002/10/01 20:17

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

このタイトルを見ただけで、思春期の少女の、花の香りのするような爽やかな小説を期待してしまった。しかし、小説というよりは自伝と言うほうが相応しい本で、ごく普通の少女が時代の中で、どう生きたかを描く、自分史に限りなく近い作品といったほうがいい。そのせいか、著者の写真がかなり多く載っている。

舞台は50年代のアメリカ、アイオワ州エイムズに住む少女の十代の生活。太っていることを気にしてプールに行くたびにおなかをへこませる。友だちからは本の虫とよばれ、厳しい司書の目をかいくぐって大人の小説を読む時の秘められた喜び。このあたりは、日本と変わらないなあと思うが、地元の新聞社で編集のアルバイトをして過ごす日々は、如何にもアメリカだ。

不思議なことに、異性とのことは描かれてはいるものの、じつにあっさりしている。自分のことで精一杯という、ある意味で極めて清潔な青春時代風景である。だから恋愛で苦悩するといったこの年代に特有な、情熱みたいなものはあまり感じない。興味はあくまで自分。それを反映して、話はニューヨークへ行った思い出とバーゲンセール、そしてスミス女子大への入学であっけなく終る。

アメリカでの出版は1981年。スーザンは20年ぶりに故郷を訪れるが、期待と記憶の中の世界との落差からの失望が伝わってくる。そういう思いに人種や国境はないなあと思う。当時のアメリカ人が抱いた共産主義への恐怖や反応が描かれているあたりが、唯一時代を感じさせる記述ではないだろうか。それにしても、なんとアメリカは豊かだったのだろう。現代日本に置き換えても殆ど違和感が無い。

戦後10年、少女にあるのは、自分が如何に美しく見えるかという思い。ブルーミング・デイズという言葉から連想させる瑞々しさは少しもない。国民性? それとも男女の差だろうか。異性への想いにしても、井上靖の『しろばんば』、『あすなろ物語』『北の海』や高橋三千綱『九月の空』のような、思春期に見られる特定の人への想いは全く無い。顔を持たないボーイフレンドたち。モノとしての異性。その分、物への欲望があからさまに出てくる。言葉だけ知っていたパジャマパーティというのがどんなものか、この本で初めて納得。この本に抱く違和感、それこそが大切だと思う。

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2013/03/30 15:27

投稿元:ブクログ

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