紙の本
新しい暮らしに馴染んでいくポイシュマ
2002/02/20 20:00
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
再会を約束しながら別れたポイシュマとワカヒコ。ポイシュマはアテルイと共に彼のムラに足を運ぶ。それまで人気のない森の中でカムイと共にひっそりと生活をし、自分たちの他には人間が存在していないと思い込んでいたポイシュマにとって、ムラでの生活は驚きの連続だった。一方、故郷に戻ったワカヒコは自分の命を救ってくれた「巫者シクイルケ」をかばったことが発端で、ヒメカの逆鱗に触れ、牢に閉じ込められてしまう。
「月神の統べる森で」に続くシリーズ第二弾。派手なドラマはなく淡々とした展開だが面白かった。舞台は古代だが、新しい環境にぽーんと放り込まれたようなポイシュマの戸惑いなどは、時代を超えて共感出来る経験だと思う。同じ年頃の少年たちと暮らし、時に狩りに出かけ、次第に新しい暮らしに馴染んでいくポイシュマの様子が 本作では自然な形でいきいきと描かれている。その背景となる古代の風習なども興味深い。
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月神の民シリーズ第ニ弾。わずかの間に出会いそしてそれぞれの帰途についたポイシュマとワカヒコ。この巻ではそれぞれの民の生活が書かれています。ムラでの生活は大変だろうと思いますが憧れを持って見ちゃいますね。登場人物も一気に増えて、主要人物が出揃いつつある感じ。
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『月神の統べる森で』の続編で、シリーズ第二作。雪の降りしきる中、傷を負ったワカヒコは仲間に担がれてクニへ、アテルイとポイシュマはヒメカたちから逃れて移動したムラをさがして歩き続けていた。そしてそこには二人のの運命を大きく左右する出来事がまっている。初めて人間が集まるムラで暮らすことになったポイシュマ、始めは災厄をもたらす者として拒まれるが、村を出ようとした折に森で人食い熊に遭遇しそれを倒したことで、災厄をはらう英雄だとムラに受け入れられ同じような年頃の少年たちと暮らし始めた。一方ワカヒコはヒメカの怒りを買い軟禁され、その上祭りの最中に神がかりした巫女ユツやヒメカの秘密を聞いてしまったホムタと共に魔物憑きとされ火あぶりにされそうになる。だがシクイルケやカムイたちに助けられ、運命の導きの元ポイシュマに会いに行くことに。−−−権力へ執着するヒメカたちの汚さや、運命の歯車に翻弄されるポイシュマやワカヒコたちを見ていると色々考えさせられることも多い。
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はっきり言ってしまいます。
この本は、ハリーポッターやダレン・シャンと肩を並べるくらい面白いです!
縄文だとかそういう古い舞台なのですが、本当に面白い。お勧めです。
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全く異なる文化を持つ二つの部族が衝突しあってましたが、そんな中でどういう運命を辿るかわからないけれど、内部で崩壊してしまった部族を正し、異文化を持つ部族との壁を突き崩していけるかもしれない大きなチャンスが出来ました。大きな運命を架せられた二人の男の子のこれからがどう展開していくのか…楽しみです。
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本の厚みの割りに、内容が薄すぎるよね、ヤマがちょっと中途半端だよね、とか文句を言いつつも読んでいます。やっぱり、挿絵が超キレイ。シクイルケがまだ出て来てくれるのもありがたい。
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過酷な運命を背負い、出会った少年二人。
ポイッシュマとワカヒコ。
運命に流され、翻弄され、立ち向かう。
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ポイシュマはアテルイの里のものに。けれど、シクイルケが亡くなった原因だとして、ムラの人から拒絶される。一人ムラを旅立つが、熊に襲われて、アテルイに助けられる。
ワカヒコはヒメカの秘密を知り、国を追い出されることに。神を冒涜しているヒメカとトヨ。愚鈍なヒコとオミ。野心を持つホムタ。本当の神懸かりをする巫女のユツ。
ムラの暮らしはいきいきとしているし、クニのきなくさい政にはどきどきさせられるし、たくさんの登場人物にキャラは立ってるし。
そして、何よりそれぞれのカムイや、人々の自然を尊ぶ心が、日本古来のすばらしいものとして描かれていることが素晴らしい。
序章
第一章 帰還
第二章 月の柱
第三章 ムラ会議
第四章 人食い
第五章 ヤドの仲間
第六章 ヒメカの怒り
第七章 白蛇
第八章 ホムタの野心
第九章 義兄弟
第十章 託宣
第十一章 急転
第十二章 月と少女
第十三章 信と疑と
第十四章 再会
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日本の神話がベースになっていますが、なんとなくアイヌ民族の伝承も入っているのかな?という感じ。
いかに神と人の存在が近かったのか。
人の心の中に裏切りや猜疑心が蔓延し始める時代とは、こんなふうだったのではないか。
登場人物の心身の美しさが、ちょっと羨ましく思えました。
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そこはかとなく上品というか、おきれいというか
もっとドロドロの描写があってもいい気がする。
でも厭じゃないので、続きを読みます。
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たつみやファンタジー第2弾。
立場の違う二人の少年が出会う時、運命の歯車は大きく回りだす。
児童文学なので優しい文体で書かれているけれど、是非大人にも読んでもらいたいです。
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いつ、どこの時代でも、人間のすること、悩むことは同じ。
日本の縄文から弥生という、史実をモデルにしつつ、時代的に素朴なので、子どもでも作中の社会の仕組みがわかりやすくていいかも
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クニに戻ったワカヒコと、アテルイのムラに迎え入れられたポイシュマ。
自分のホームであるはずのクニで(それでも地位がある、というだけで幸福とは言いがたい地だけれど)苦境に立たされ続け、それでも冷静にあり続けるワカヒコの聡明さには胸を打たれた。
愛される記憶をほとんど持たなかったワカヒコの心が、シクイルケによって柔らかく溶かされたことで、彼の運命は大きく動きはじめた。
厄災とそれを乗り越える力をそれぞれの背に負ったワカヒコとポイシュマの邂逅で今巻は終わる。この物語は、どういうふうにこれから紡がれていくのだろう。
続きが楽しみだ。
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前作、「月神の統べる森で」の Review で書いたいくつかの否定的なポイントに関して、まだまだ十分とは言えないけれど少しずつ解き明かされてきている感があって、KiKi には楽しい読書となりました。 縄文側のポイシュマと弥生側のワカヒコがそれぞれの世界に帰ってからの生活の描写が描かれるのと同時に、前作では一方的な悪役扱い(?)だった弥生側の事情も少しずつ明らかになってきたのが何よりも嬉しい1冊でした。
月と蛇が出てくるあたりは日本古代史を舞台にしたファンタジーでありながらも、ファンタジーのお膝元のケルトっぽさも感じさせ、人間っていうのは所が変わっても案外同じような感性を持って暮らしていたんだなぁと何だか嬉しくなってしまいます。 第2巻にして、この段階ではまだまだ物語も動き始めたばかりだったんですねぇ。 運命的な再会を果たしたポイシュマとワカヒコのこれからに期待が持てそうな終わり方がなかなか素敵です。
(全文はブログにて)
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1巻も良かったけれど、2巻はアテルイのムラで暮らす事になったポイシュマの日々の暮らしと、ヒメカの国に帰還したワカヒコが陰謀に晒され、話が動き出して益々面白くなってきました。“クニ”の方のホムタとその母の考えは現実的でシビア、冷たいようだけれど、現代の価値観と通じていて一概に批判できないです。ポイシュマとワカヒコが再会し、また農耕だけでなく経済活動の概念も出始め、今後どのようにクニとムラは向き合っていくのでしょうか。