投稿元:
レビューを見る
この時代だからこそぜひ読んでほしい一冊ですね。
天災、貧しさ、政治を行う人のあるべき姿。
人はそれぞれに「格闘」して生きていくんですね。
投稿元:
レビューを見る
藤沢周平の絶筆となった小説。
内村鑑三の『代表的日本人』の中に取り上げられていた上杉鷹山て誰だ?という興味から読んでみました。
残念ながら、主人公の鷹山と同じく、あと少しで完成の目途が・・というところで絶筆となってるのですが。
投稿元:
レビューを見る
どん底の米沢藩を立て直す人々の日々をつづったもの。隠し剣シリーズのようなユーモアな部分はありません。
投稿元:
レビューを見る
ひさびさの歴史もの。
しかも藤沢周平。
しかも、遺作だとは
まったく知りませんでした。
高校時代に「逆軍の旗」を読んで
上杉鷹山のことを知った程度だったけど
あらためて読んでみると
いろいろ興味深いもの。
歴史物を読んでるというよりは
組織物を読んでいる感覚。
なんかいろいろ参考になりました。
上下の2冊に分かれているけど
物語としては下巻の方がドラマティック。
投稿元:
レビューを見る
全2巻。
故ケネディ米大統領が尊敬した日本人、
上杉鷹山の藩政改革の物語。
藤沢先生の地元偉人発掘歴史ものシリーズは、
丁寧に客観的に歴史を書き起こしてるものが多いので、
基本堅くて細かい。
史実のデータを多用し、
物語の本筋でない、脇道にそれる解説も多い。
で。
今作も例にもれず。
時代ものに見られるような
どこかユーモラスな明るさや、
心ゆさぶる哀しさは無く、
カチカチで静か。
しかも偶像化されたヒーロー上杉鷹山ではなく、
あくまで客観的に掘り起こそうとしてるっぽく、
童門冬二「上杉鷹山」みたいに胸躍る感じは無い。
なおかつ、絶筆ということもあり、
結局、改革の目処がつくまでは行かず、
藩財政が立ち直らないまま物語は終わる。
物語としてはあんまり。
上杉鷹山のすごさもあんまり。
現実にはこういう感じだったのかなと思わせるけど、
個人的には、
童門冬二の「上杉鷹山」みたいに
偶像化された、ファンタジーとして上杉鷹山が好き。
http://booklog.jp/users/bullman/archives/1/4087485463
投稿元:
レビューを見る
米沢藩って問題だらけじゃん、と思いながら読んだ。藤沢周平だから面白いねやっぱり。
あらすじ
奢侈好みで「わかないから」と政を投げ出す藩主に、政を一身に任され暴利をむさぼる重臣、それとは逆に諫言を聞き入れてもらえない従来の家臣たち。藩は窮乏する一方で、赤字財政が過ぎて、金貸しからの信用もない進退窮まったりの状況の中、私腹を肥やす腹心。
もうわかりやすい状況の下、不満を持つ昔からの藩士たちの、藩主交代が行われ上杉鷹山がたった。しかし改革派を謳っていた家臣の不満は概してしきたりを守り、慣例に従って人材登用や儀礼をおこなう、というもので、貧乏窮まったりの藩の内情とは合わず、鷹山が推し進めようとしている改革とは相反するものだった。
藩主交代してもなお、旧態依然としているのがじれったい…! ようやく上杉鷹山の出番となって、そこからが本当に楽しかった! 下巻に期待。
投稿元:
レビューを見る
藤沢周平の絶筆の上巻。18世紀後半、財政難に苦しむ米沢藩の話。
家老竹俣当綱を中心に話が展開されている。竹俣をはじめとする重臣達が、藩主上杉重定の側近で藩の政治を牛耳っている森利真を殺し、重定を隠居させる。そして上杉治憲を藩主として、藩の財政改革に着手する。
割合、淡々と話が進んでくけれども、最後に反竹俣派が上杉治憲に直訴して、上杉治憲が毅然と裁定するシーンは盛り上がる。
投稿元:
レビューを見る
賢君として名高い上杉鷹山と家臣の物語。
藤沢周平の晩年の作品で、自分の中では敷居が高かったのだけど(笑)、いよいよ読む。
米沢藩のあまりの貧しさにびっくり。
そして鷹山の覚悟や家臣団の努力も全然と言っていいほど報われず、よくみんながんばれたなぁと尊敬。
これまで楽しいお江戸の時代小説ばかりを読んでいたので、同じ日本のこととは思われず、ただただ驚く。
こりゃ、江戸幕府、維新で終わるのも無理ないよ。
信頼していた家臣が続々と去っていく中、辞めたくても辞められない藩主(後には後見役)の鷹山の孤独が哀れ、そしてその気高い人柄が心に残った。
最後は藤沢氏の体調不良で物語は突然幕を降ろす。
鷹山や家臣、苦労し続けの農民達の苦労は報われたのか?、米沢藩は少しは将来に光を見いだせたのか?、残念ながらわからない。
ハッピーエンドを期待していたので、それが残念。
誰か教えて!
しみじみ、ごはんをお腹いっぱい頂けることに感謝。
投稿元:
レビューを見る
藤沢周平さん晩年の最後の作品。読友由美子.さん7/3のつぶやき「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」上杉鷹山公の名言から、借りてきた本。米沢藩のフィクション、貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、藩政たてなおしに心血をそそいだ上杉鷹山と執政たち。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮しをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長篇小説。はでさの無い淡々とした作品で落ち着いて読める。
投稿元:
レビューを見る
当時の貧窮ぶりや政治組織の内情が緻密に描かれています。
膨大な資料と時間を費やして執筆されたんだろうなと思わせる作品でした。
藩の貧困や支配層の浪費ぶり、各派閥の駆け引きなど物語全体を通して重苦しい雰囲気ではありますが、ユーモラスな場面もあり積読することなく読めました。
投稿元:
レビューを見る
H27.1.29-H27.2.7
(あらすじ)
貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、藩政たてなおしに心血を注いだ上杉鷹山と執政たち。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮らしをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長編小説は、無私に殉じたひとびとの、類いなくうつくしい物語である。
(感想)
再読。前回読んだのがいつか忘れましたが、内容もすっかり忘れてました。この度「小説・上杉鷹山」を読了したこともあり、藤沢周平は彼をどう描いていたのか?気になっての読み直し。
結果、「小説・上杉鷹山」は、エンターテイメントで、「漆の実のみのる国」は、ドキュメント、といった感じ。前者は、米沢藩の状況などを物語(ドラマ)に必要なところだけをピックアップして描いてましたが、漆の~は、米沢藩の組織や人事やら、藤沢さんが取材したのであろう内容を細かに説明してくれます。そのせいで、物語の展開としてはちょっと理解しにくいところがあったように思います。
ふまえて、漆の~は単独だととっつきにくいけど、小説上杉鷹山と合わせて読むと理解しやすい本と言えるような気がします。
上巻の内容的には、小説・上杉鷹山と同じように、7重臣懲罰まで。
投稿元:
レビューを見る
藤沢さんの遺作。後3回の連載を残して、病魔に倒れ、已む無く数ページの追加で終了させた作品とのこと。もっと書きたかったでしょう無念は感じます。
うーん。嫌いではないが、いまひとつ、感動までは来ない。藤沢さんは私には、少しずれているのか?でも、重ねて言うが、悪くはない。
下巻の途中までは、童門冬二の「上杉鷹山」の方がいいかと思った。藤沢さんのイメージは、寡黙な男性の心情を細やかに描くという感じだが、政治的状況の説明はお得意でないのか、繰り返しが多く、またわかりにくい。
ずっと重苦しい雰囲気が立ち込めて、前向き感は低いが、下巻の途中でこれが現実なのかもと思いだして、おとぎ話のような童門さんとどちらがいいのか迷ってきた。でも、私は基本ハッピーエンドが好みなので、☆3つ。
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」が彼の言葉だとは知らなかった。
投稿元:
レビューを見る
貧窮にあえぐ米沢藩の苦悩。
幼名直丸から藩主治憲となり、藩の立て直しを図っていきます。
改革を進めていきますが、その道は困難を極めます。
強固な反対にもあいますが、藩の立て直しに心血を注ぐ治憲と執政たち。
ケネディに尊敬する日本人と言わしめた、上杉鷹山の物語です。
投稿元:
レビューを見る
上巻読了。
「なせばなる、なさねばならぬ、なにごとも・・・」の名言でお馴染みの、上杉鷹山(治憲)を中心に、貧困に苦しむ米沢藩の財政再建に挑む物語です。
この巻の中盤までは、治憲はまだ若君なので、家老の竹俣当綱がメインな感じで進みます。
贅沢三昧の前藩主・重定を隠居させて、秀才で清廉な治憲が藩主になり、自ら倹約をして、財政立て直しに挑みますが、昔からの格式を重んじる(ぶっちゃけ、自分たちの生活のレベルを下げたくない)重臣たちに反発されたり、幕府の普請手伝を命ぜられたりと、前途多難です。
絶望的な状況の米沢藩、果たして再生は成るのか、下巻に続きます。
投稿元:
レビューを見る
米沢藩中興の祖である上杉鷹山公の物語。名君として有名ですが、こんなに上杉家が大変だったなんて、としみじみ。