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高い評価の役に立ったレビュー
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
2004/01/01 18:18
こんな人もいるという事は、人間も世の中もまんざらではない
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い。偉人伝や伝記というものを子供の頃はよく読んだものだが、最近の子供達は読まないようだ。この本は子供向けの伝記物ではないが。そういった伝記を読み、自分も将来はそのような人になりたいと思い、物理学や数学にも興味を持つようになったものだ。数学者には数学だけにのめり込み、他は何も気にしない、変人奇人が多い。しかし偏屈ではない。日本人では、岡潔が有名だ。この本の主人公エルデシュも極めつけの変人奇人のようだ。子供好きでまわりから愛される、人柄らしいが、数学者と子供と母親以外の人にとっては、手のかかるつきあいにくい人のようだ。定住地も家族も財産も持たず、小さなスーツケース一、二個だけで、世界中の数学者をたずねまわって、論文を書きまくった。お金、食事、外見や他人の思惑には無頓着。数学を解く事と、一緒に数学をする同士を見つける事、だけに関心がある。若い人の数学的才能を見い出し育てる事に熱心で巧み。どんな場所や状況でも数学をして、一日19時間も問題を解き続ける生活をした人。数学者には若死したり、年をとると才能が衰える人が多いが、70歳過ぎても一週間に一本は論文を書いたという。ともかく興味深く、夢中で読んでしまった。訳者あとがきにも書いてあるが、こんな人もいるという事は、人間も世の中もまんざらではない、と思えてしまう。定年後に時間を持て余すようになったら、整数の規則性を調べるのも面白そうだとまで、思ってしまった。
低い評価の役に立ったレビュー
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2000/10/31 11:49
放浪の天才数学者
投稿者:ヒヨちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
エルデシュの財産はエルデシュ自身の数学だった。エルデシュがリチャード・ガイに言った「ガイ、君は無限にゆーふくだ。」という言葉は、エルデシュ自身にも当てはまる。エルデシュには数学があり、それ以上の持ち物は必要なかったのだ。こういう本は数学の好きな人がまず手に取るのだろうが、そうでない人にもぜひ読んでみて欲しい。そこには、はた迷惑で、エネルギッシュで、深い洞察と確とした自分自身というものを持った1人の人間の生き方がある。エルデシュに魅せられた人々が、彼自身に魅せられたのか、彼の数学に魅せられたのか、それとも…。どうか本を読んで確かめてみて欲しい。
放浪の天才数学者
2000/10/31 11:49
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投稿者:ヒヨちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
エルデシュの財産はエルデシュ自身の数学だった。エルデシュがリチャード・ガイに言った「ガイ、君は無限にゆーふくだ。」という言葉は、エルデシュ自身にも当てはまる。エルデシュには数学があり、それ以上の持ち物は必要なかったのだ。こういう本は数学の好きな人がまず手に取るのだろうが、そうでない人にもぜひ読んでみて欲しい。そこには、はた迷惑で、エネルギッシュで、深い洞察と確とした自分自身というものを持った1人の人間の生き方がある。エルデシュに魅せられた人々が、彼自身に魅せられたのか、彼の数学に魅せられたのか、それとも…。どうか本を読んで確かめてみて欲しい。
現代には珍しい超人的な天才とその友人たちが織りなす美しいロマンを背景に,純粋数学の魅力を語る
2000/07/22 06:17
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投稿者:戸川 隼人 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い本である。読み始めたら止められなくて最後まで一気に読んでしまった。その「面白さ」にはいろいろな要素があって,笑いがあり,驚きがあり,ドキュメンタリーな迫力があり,知的な収穫も大きいが,最も感動的なのは,常識はずれの天才をとりまく支援者の優しい心と,エルデシュ自身の純粋で真摯な生き方である。金銭に執着せず,持っている金は困っている人にあげてしまい,研究の業績に対して贈られた高額の賞金も奨学基金に寄付してしまう。論文の発想を惜しみなく若い研究者に分け与え,数多くの後輩を育てた。
日本語版の書名の通り,エルデシュは類いまれな天才であり,自宅を持たずに友人の家を泊まり歩く放浪の数学者であった。また奇行の多いことでも有名で,表紙にはコミカルなイラストが掲げられ「宇宙一おかしな男」というキャッチコピーが添えられている。
しかし,本書は変人を追いかけたゴシップ集ではない。確かに想像を絶する「常識はずれ」のエピソードがたくさん紹介されているが,それだけが本書の目的ではない。原著の書名は“The man who loved only numbers”(数学だけを愛した男)であって,1日に19時間も数学の研究に打ちこみ,83歳で亡くなる瞬間まで研究を続け,1475本もの論文を書いた学究エルデシュと数学のかかわりあいを詳しく紹介している。
著者はサイエンティフィックアメリカンの編集者などを歴任したジャーナリストで,エルデシュの魅力にとりつかれ,十数年にわたって取材を続けた成果が本書である。さすが一流のジャーナリストによって書かれただけあって読みやすい。数論やグラフ理論の面白さを,一般の読者にも理解できる言葉で巧みに解説している。
取り上げられている話題は広く,エルデシュが直接手がけたグラフ理論や数論のほか,数学基礎論,暗号理論,非ユークリッド幾何学など周辺の話題にもかなりのページを割いている。また,ラマヌジャン,ハーディ,ゲーデル,カントール,グラハム,レーマー,ベルマン,ノイマン,クラインなど,同時代の数学者もたくさん登場する。
エルデシュは1913年にハンガリーのブダペストに生まれた。そのハンガリーの歴史や第1次世界大戦,第2次世界大戦を経て今日までの社会的背景(特にユダヤ人問題)の記述も興味深い。
昔,数学者岡潔の生涯を描いた「好人好日」という映画があったが,そこでは数学的内容についてまったく触れていなかった。それに対し本書では,エルデシュが研究した数学の問題をかなり詳しく紹介しており,数学の面白さが生き生きと描かれている。素数や図形の好きな数学愛好家に最適の読み物。訳文はこなれた日本語で読みやすく数学的にも正確である。
(C) ブックレビュー社 2000
リーマン予想とはサラリーマンになるんだろうなあ、という意味ではない
2004/10/21 13:47
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:青木レフ - この投稿者のレビュー一覧を見る
西尾維新書く「きみとぼくの壊れた世界」の主人公が尊敬するのがエルデシュなので読んでみた。
放浪の数学者。ある時期から職なく家なく生涯独身で、講演から講演へ学会から学会へ数学者の家から数学者の家へスーツケース一つで跳び回った天才。死ぬまで(83才)数学の神が頭に宿った その世界では稀有の生涯現役。
本書ではエルデシュを中心に数学者達の異様で美しい世界を紹介している。数式で置いてきぼりをくわない数学関係の本は初めて。エピソードを細切れにして不連続に並べているので飽きが来ない。
例えば有名なフェルマーの定理は、彼の死後その蔵書の片隅に「この定理について証明があるが、この本の余白は狭いので書けない」
という意味の走り書きを遺族が発見してしまった事に始まる。(以後350年、どれだけの数学者が絶望したままこの世を去ったことか。幸い最近、証明がなされたが、別の方法で証明ができるのではという予想もある)
またインドの天才数学者は「これはこうだ」という事は彼自身わかるのだが、天才すぎて人に伝えられない、つまり「証明」ができず、イギリスの老数学者が必死にコミュニケーションし、人の言葉に直し、証明していった。インドの天才数学者の死後、彼のノートが発見されたが証明なしの公式がてんこもりで、それってフェルマー以上の大迷惑ではないだろうか。迷惑ってことないか。
例えば将来宇宙人と遭遇した時、どちらが優れているか知るには ひとつ戦争してもわかるかもしれないが、どちらの知る素数が大きいかで競うのが簡単ではないか。人類がその数を言ったら、宇宙人はこのnに数を入力すればいいのさ、と公式を提示されるかもしれないが。
宇宙人と遭遇しなければ数学者も有用性を発揮しない訳ではなく、原爆開発の時も「私は堕落して今では小数点の入った数字など扱っている。最大の屈辱だ!」と嘆きながらも数学者はその有用性を示した。
別に役に立たなくとも構わないというスタンスの異能者達なのだが。
エルディシュが片目の手術のドナー待ちをしてる時、偉大な人物なので順番をすっ飛ばしたエピソードは医療の平等って何だっけと少し考えさせられた。
(放射byガイガーカウンタンカ)
こんな人もいるという事は、人間も世の中もまんざらではない
2004/01/01 18:18
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:萬寿生 - この投稿者のレビュー一覧を見る
面白い。偉人伝や伝記というものを子供の頃はよく読んだものだが、最近の子供達は読まないようだ。この本は子供向けの伝記物ではないが。そういった伝記を読み、自分も将来はそのような人になりたいと思い、物理学や数学にも興味を持つようになったものだ。数学者には数学だけにのめり込み、他は何も気にしない、変人奇人が多い。しかし偏屈ではない。日本人では、岡潔が有名だ。この本の主人公エルデシュも極めつけの変人奇人のようだ。子供好きでまわりから愛される、人柄らしいが、数学者と子供と母親以外の人にとっては、手のかかるつきあいにくい人のようだ。定住地も家族も財産も持たず、小さなスーツケース一、二個だけで、世界中の数学者をたずねまわって、論文を書きまくった。お金、食事、外見や他人の思惑には無頓着。数学を解く事と、一緒に数学をする同士を見つける事、だけに関心がある。若い人の数学的才能を見い出し育てる事に熱心で巧み。どんな場所や状況でも数学をして、一日19時間も問題を解き続ける生活をした人。数学者には若死したり、年をとると才能が衰える人が多いが、70歳過ぎても一週間に一本は論文を書いたという。ともかく興味深く、夢中で読んでしまった。訳者あとがきにも書いてあるが、こんな人もいるという事は、人間も世の中もまんざらではない、と思えてしまう。定年後に時間を持て余すようになったら、整数の規則性を調べるのも面白そうだとまで、思ってしまった。
理想の研究者人生
2000/09/17 22:39
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投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
僕も研究者の端くれだが、ここまで徹底した研究者人生を送っていた人間がいることに驚きを覚える。
家族も定職もなく、研究者の家に泊まり歩きながら論文を1500本も書いたというのだが、いくら実験器具の不要な数学と言っても、論文を読み返したり、定理を本で確かめたりとかしたりしたくならないのだろうか?みんな頭に入っていたのだろうか?論文を読んだら、ノートに概略をメモしたりしなかったのか?
こういう人生を送ろうとすることは可能だと思うけれども、一方で、何の参考文献も教科書も無く議論だけで研究ができるという能力にこそ本書でいうところの「天才」があると思う。そこの部分に何も触れられていないところがちょっと理解できない。それとも、数学者ってみんなこうなんだろうか?誰か教えてほしい。