- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 みんなのレビュー
- レベッカ・ウェルズ (著), 土屋 京子 (訳)
- 税込価格:2,200円(20pt)
- 出版社:早川書房
- 発行年月:2000.4
- 発送可能日:購入できません
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |
紙の本
カバーの画からは想像できない奥深さ
2002/11/01 19:48
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:みーちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
たとえば『トラベリング・パンツ』なんかは内容と装丁、特にカバー画のバランスが取れているけれど、たとえばこの本の表紙を見た人は内容をどう想像するだろう。アメリカン・コミックストーリー、そうでなければ元気な少女が滅茶苦茶をやる学園もの。タイトルだって「ヤァヤァ」だから、もうひとつ「ヤァ」が付けばビートルズの映画だろうなんて、勝手に想像したりして。ところが、これが大間違い。古き良きアメリカの家庭を描く小説とでも言ったらいいのだろうか、極めて真面目な小説。
母が祖母から受けたもの、それが形を変えて子に継がれる。もしそれが負の遺産であったら子供たちはどうすれば良いかという大問題を、ミステリーの形をとらずに描く。それが逆に広い読者層の支持を受けた理由かも知れない。
新聞のインタビューで、昔母から殴打されたことがあると言ってしまったシダリーの一言が母親ヴィヴィの反発を招き、母娘の間は緊張する。しかし、母親が娘に厳しく当たり、手を挙げたことは事実だった。母娘の対立に見かねたヴィヴィの友人達が、シダリーに送ったスクラップブック。そこに綴られたものは苦悩しながらも生き生きとした若き母親の姿。ヴィヴィの奔放な青春。すぐに服を脱ぐティーシーとキャロ、ニーシーとヴィヴィの四人の仲間ヤアヤア・シスターズ。ゴッドマザーが今もなお生活の中に生きているアメリカ。虚栄心と戦争。宗教と自由、スクラップに秘められた青春の息吹。子育ての重圧。世界にはばたくアメリカの強さなどが実に上手く描かれている。
表紙を見た最初の思い込みで、作品とのギャップが埋められずに苦しんだが、後半になって「いい小説に出会ったなあ」という気持ちが起きる。新潮社のクレストブック、スーザン・アレン・トウス『ブルーミング』がアメリカの豊かさを単純に描いたのとは異なり、より根源的なものへの問いかけが感動的だ。口コミで面白さが伝わり世界中にファン倶楽部が出来たのも当然かも知れない。ファンの年齢層は高いのだろうなあと思う。
5 件中 1 件~ 5 件を表示 |