紙の本
2000/6/11朝刊
2000/10/21 00:15
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
博覧強記と著書『日本の現代小説』で知られる文芸評論家による「神をも畏(おそ)れぬ」試み。名うての読み巧者はこのタイトルを借りて、「ひとりの日本の批評家のささやかな『文学自伝』を書きあげ」ようと構想した。
プルースト『失われた時を求めて』から島崎藤村『夜明け前』までの十編は、一本一本が独立していながら、流れるように構成されており、結果、二十世紀文学の全体像を伝えることに成功している。米文学、中国文学への目配りもさすがというしかない。
(C) 日本経済新聞社 1997-2000
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10の小説が紹介されるわけだが、1章それぞれに1小説、という構成ではない。プルースト論の中にボルヘスの話が出て来て、じゃあ次はボルヘスの章。そのボルヘス論の中にカフカが出て来て次はカフカ。というように連続した流れの中で次々と本が紹介される。
だから10の小説を解説してもらったというよりは、20世紀文学の歴史的な流れと地理的な広がりを解説してもらったという感覚がある。
加えてこの人の語り口は、文学論系としては異常なほど読みやすい。精密に練られていながらあくまで取っ付き易い良書でした。
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https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%8C%E5%8D%81%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE%E5%8D%81%E5%A4%A7%E5%B0%8F%E8%AA%AC
「
掲載順
著者
作品
著者の国籍
原典
初出
1 マルセル・プルースト 失われた時を求めて フランス フランス語 1913年〜1927年
2 ホルヘ・ルイス・ボルヘス 伝奇集 アルゼンチン スペイン語 1944年
3 フランツ・カフカ 城 チェコ ドイツ語 1926年
4 茅盾 子夜(中国語版) 中国 中国語 1932年
5 ジョン・ドス・パソス U.S.A. アメリカ 英語 1938年
6 ウィリアム・フォークナー アブサロム、アブサロム! アメリカ 英語 1936年
7 ガブリエル・ガルシア・マルケス 百年の孤独 コロンビア スペイン語 1967年
8 ジェイムズ・ジョイス ユリシーズ アイルランド 英語 1922年
9 ロベルト・ムジール 特性のない男 オーストリア ドイツ語 1930年〜1932年
10 島崎藤村 夜明け前 日本 日本語 1929年〜1935年
」