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紙の本
西欧の衝撃
2002/05/22 21:12
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:フレッド弟 - この投稿者のレビュー一覧を見る
近代西欧の世界システムが拡大することで
グローバル・システムとなるにつれ、
それを構成する単位であったネイション・ステイトは
世界各地に広がり、そして定着していきました。
長きにわたって東地中海世界に君臨した
イスラム世界の大帝国オスマン帝国は
その影響を受けることで解体されていったのです…。
近代西欧の生み出したものが何であったのか、
イスラム世界の構造がどのようなものであったか、を明らかにしつつ、
西欧の衝撃をうけたオスマン帝国が解体して行く過程をつづっています。
現代の政治にも関連する民族問題の根元を解き明かす書ともいえますが、
同じ著者「オスマン帝国(講談社現代新書)」の続編として読むこともできます。
紙の本
オスマン帝国における「西洋の衝撃」の解説書
2002/05/16 21:48
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:MF - この投稿者のレビュー一覧を見る
同じ著者の「オスマン帝国(講談社新書)」がオスマン帝国の専ら成長期を扱っているのに対し、本書はタイトルの通り、オスマン帝国の衰退期を中心としている。
もっとも、本書は時系列に通史を紹介している本ではなく、ネイション・ステイト(国民国家/民族国家)を政治的枠組とする西洋的国家観とそれとは全く異なる次元で帝国を捉えていたオスマン帝国を比較し、オスマントルコが徐々にヨーロッパに対して優位を失っていく中で、どのように西洋的国家観を受容(西洋の衝撃)していったかという観点から時代を辿っている。
「西洋の衝撃」というテーマはアジア史においても重要であり、その「西洋の衝撃」についてオスマン帝国を題材に丁寧に記述してくれている興味深い本だと思う。
欲を言えば、「なぜ、オスマン帝国がヨーロッパに対して比較優位を失っていったのか」という点についてもう少し説明が欲しかった。
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