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紙の本
熟成された6編
2016/01/09 11:08
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
表題作では1843年もののヴィンテージワインをめぐる大騒動が描かれる。その時代の雰囲気が息づいていてよかった。「電波大泥棒」では公共放送をつかってCMを流すという発想が斬新だった。バラエティに富んだ短編集である。
紙の本
井上ひさし全著作レヴュー 14
2010/08/23 08:54
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:稲葉 芳明 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『烈婦!ます女自叙伝』『こんにゃく天女とはんぺん才女』『チキン・スパイ』『電波大泥棒』『いとしのブリジット・ボルドー』『王様の白切手』の6篇を収録。初出はいずれも「小説現代」(1971年~1973年)。
小説の直木賞と演劇の岸田賞をほぼ同時に受賞し一躍売れっ子作家となった井上ひさしは、受賞後も芝居に小説にエッセイにとあらゆるジャンルで旺盛な筆力を見せた。本書は所謂「中間小説」に分類される短編を集めたものだが、娯楽作品であっても、シリアスな作品であっても、素材を問わずいずれ劣らぬ高水準の出来栄えとなっているのはさすがである。
中でも実母の壮絶な人生を素材にした『烈婦!ます女自叙伝』は――実際は山あり谷あり涙ありで、かなり苛烈な暮らしを強いられたそうだが――よくぞここまで面白おかしい娯楽読み物に仕立てられるものだと、その筆力にほとほと感心する。他にも、NHK勤務時代に被害にあった寸借詐欺および好子夫人との馴れ初めを扱った『こんにゃく天女とはんぺん才女』、雛の高等鑑別師の実弟を素材にした『チキン・スパイ』、そしてNHKでの体験をベースに思いっきり誇張と法螺で話を拵えた残りの三篇と、いずれをとっても実話と嘘を巧妙に織り交ぜ、その語り口には間然するところが無い。
自分をギリギリの所まで追いつめて書く芝居や、ことば遊びや蘊蓄をてんこ盛りにする小説も勿論好きだが、こういう純然たる「中間小説」を全く手を抜かずサービス精神旺盛に仕上げて見せる辺りに、井上ひさしの作家としての職人的生真面目さと懐の広さを垣間見る。
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