紙の本
赤いバラ
2020/10/10 20:11
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
ポワロシリーズの中では地味な方だと思いますが、一番と言って良いくらい好きです。主人公エリノアの心理描写がとても興味深く、物語の世界に引き込まれました。
紙の本
動機を見つけるのが難しい
2002/07/28 11:02
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投稿者:霞(kasumi) - この投稿者のレビュー一覧を見る
犯行は限られた状況下で起こるので、犯人を見つけるのはわりと簡単。
ただ、動機の点で躓いた。
なんとなく「こうじゃないかなぁ?」とは思うかも知れないが、
でも被害者と犯人とはどういう関係なのかが、
かなり後の方まで読まないと分からない。
しかし読んでいくと「なるほど!そういうことか!」と納得する。
トリックもかなり化学的で、その点では「スタイルズ荘の怪事件」に似ている。
最後の謎解きは法廷で行われるので、サクサク読み進んでいける。
特に法廷ものが大好きな私には最後の下りの部分は
ワクワクしながら読んだ。
紙の本
どちらかというとこれもラブロマンスがメイン
2001/08/08 01:15
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投稿者:ゆーき - この投稿者のレビュー一覧を見る
クリスティーの、「ラブロマンスでありながらミステリー、ミステリーでありながらラブロマンス」な、本書。
幼馴染み同士で誰からも結婚するだろうと思われていた二人。ある日、美しい娘があらわれ、男は彼女に夢中になって行く。嫉妬に苦しむ主人公だが、ある日相手の娘は、何者かに殺され、容疑は主人公へと。。
主人公はエリノアという若い女性。そのせつない心情が生き生きとかかれています。ミステリーではあるのですが、ラブロマンスの方がメインといった感じ。
クリスティーの作り出す世界にぐいぐい引き込まれます。特に女性に読んでもらいたい1冊。
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クリスティは全作品読むくらい嵌ってました。
これはポアロものですが、その中でもラブ・ミステリーとしての傑作
エリノアは、幼馴染の婚約者が心を移した娘メアリーを毒殺した容疑で逮捕されます。
全ての状況が彼女の犯行を証明しているかのような状況の中、彼女の無実を信じる医師の依頼でポアロが捜査に乗り出します。証言者のうそを見抜き、そのうそから真実を導き出すポアロの手並は見事です。
クリスティならではの女性心理の描き方が秀逸。サスペンスとしても楽しめる。
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事件が起きる原因から始まり、殺人事件周辺の人物が描かれる。ポアロは第二部からの登場だが、依頼人との会話は気合を入れて書かれていると感じた。総じてポアロと依頼人のピーター・ロード医師との会話は出色で印象に残る。事件と解決に関しては、手がかりが少なすぎて真犯人の指摘は唐突に感じる。説明を聞いて納得できるとは言い難い。
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クリスティーの作品は全て読んでいるけど、一番好きなのは『杉の棺』だと断言できる。
そして表紙のデザインは古いハヤカワ文庫版の方が絶対いい。情熱的な赤バラと控えめな白バラ。内容を端的に表している。
人にお勧めするのは『そして誰もいなくなった』だけれど。
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実にクリスティらしい意外犯人。
なるほど、そう言う手できますか。
と言う本格ミステリな作品でありました。
しかし、最近擦れた話ばっかり読んでたから、
こういう複雑に見えて実はストレートな人間関係と言うのも、
裏がありそうな気がしてならないんだよねえ。
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「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇『杉の柩(原題:Sad Cypress)』を読みました。
『ポワロの事件簿〈1〉』、『ポワロの事件簿〈2〉』、『ヘラクレスの冒険』、『死との約束』に続き「アガサ・クリスティ」作品です。
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婚約中の「ロディー」と「エリノア」の前に現われた薔薇のごとき「メアリイ」。
彼女の出現で「ロディー」が心変わりをし、婚約は解消された。
激しい憎悪が「エリノア」の心に湧き上がり、やがて彼女の作った食事を食べた「メアリイ」が死んだ。
犯人は私ではない!
「エリノア」は否定するが…嫉妬に揺れる女心を「ポアロ」の調査が解き明かす。
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1940年(昭和15年)に刊行された「アガサ・クリスティ」のミステリ長篇、、、
以前、映像化作品の『名探偵ポワロ「杉の柩」』も観たことがある作品… 5作品連続で「ポワロ」シリーズです。
■プロローグ 有罪か、無罪か?
■第一部
1. 匿名の手紙
2. メアリイ・ゲラード
3. 二度目の発作
4. もしメアリイがいなければ
5. メアリイ、遺言状を作る
6. 数々の手紙
7. 娘は死にかけている
■第二部
1. ポアロ登場す
2. 台秤の針、くるくるまわる
3. ナース・ホプキンス
4. エマ・ビショップ大いに語る
5. 何かのまちがいでは?
6. ロディーは思い出した
7. ポアロに難事なし
8. 部長は自信満々
9. 何かまだある
10. 不思議な偶然
11. エリノアは語る
12. 白バラと紅バラ
13. ミス・トゥートゥー
■第三部
1. レッテルのきれはし
2. 検事は安閑としている
3. 弁護論告
4. 陪審員の答申
5. 心安らぐ人
6. 絵ときするポアロ
■ポワロ・シリーズ作品リスト
本作品は3部構成となっており、第一部で「メアリ」死亡までの「エリノア」の心理が克明に描かれ、第二部で「ドクター・ロード」の懇願によって「ポワロ」が乗り出し、第三部で「エリノア」の裁判が描かれる… という展開になっています、、、
「エリノア・カーライル」と「ロディー・ウェルマン」は幼い頃から仲が良く、将来は結婚し、伯母「ローラ・ウエルマン」の住んでいる美しいハンターブリイに住もうと考えていた… そこに匿名の手紙が届き、伯母が危機に陥っているとの内容だったことから、二人は慌ててハンターブリイに向かう。
伯母は門番の娘「メアリイ・ジェラード」と仲が良く、「アイリーン・オブライエン」と「ジェシー・ホプキンズ」という二人の看護婦が面倒を見ていた… 「エリノア」と「ロディー」の到着後、伯母はやがて書こうとしていた遺書を書く事も無く、亡くなってしまう、、、
遺言書が残されていなかったことから、「エリノア」に全ての遺産が相続されることになるが… 「ロディー」が「メアリイ」に恋してしまい、「エリノア」との婚約を破棄することになる。
そして、ハンター���リイは売りに出されることになり、邸で「エリノア」が遺品を整理していた際、「エリノア」の作ったサンドウイッチを食べた「メアリイ」がモルヒネ中毒で死亡… サンドウイッチを作った「エリノア」は、「ロディー」を「メアリイ」に取られたため、復讐したと解釈され逮捕されます、、、
婚約者「ロディー」が「メアリイ」に心変わりし婚約を破棄した点が強力な動機と判断され、陪審におけるあらゆる状況が彼女に不利な中、「ピーター・ロード医師」の依頼により「ポワロ」が真相究明に乗り出します。
「エリノア」は、誰かの狡猾な罠にはめられたヒロインなのか… 自己の犯罪を堂々と行い隠そうともせず、情状だけで無罪を主張するか弱い乙女の仮面を被った悪女なのか… 「ポワロ」も迷います、、、
そして、いよいよ法廷で真相が明らかになりますが… 看護婦「ホプキンズ」の手に残った注射の痕(本人はバラの木のトゲで刺したと主張)がヒントになりましたね。
犯行を誤魔化すために、犯人自らも服毒し、強烈な吐剤を皮下注射して嘔吐し、モルヒネ中毒から逃れていたというトリックは面白かったですね… 映像化作品を観ていたので驚きはなかったですが、良く考えられた秀逸なトリックだと思います(専門知識がないとわかんないですけどね…)、、、
犯人は、「メアリイ」は「ローラ・ウエルマン」の隠し子だったことを知っており、その事実を暴露して「ローラ・ウエルマン」の莫大な遺産を「メアリイ」に相続させるとともに都合の良い遺書(育ての母親の妹に遺産を相続)を書かせて、「メアリイ」殺害後に自分が相続しようという謀略だったとはねぇ… そして、「メアリイ」殺害の容疑者として自分が疑われないように、身代わりとして「エリノア」に容疑の眼を向けさせたんですね。
「アガサ・クリスティ」らしい展開でした… 面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「エルキュール・ポアロ」
私立探偵
「ローラ・ウエルマン」
金持ちの未亡人
「エリノア・キャサリーン・カーライル」
ローラの姪
「ロディー(ロデリック)・ウェルマン」
ローラの義甥、エリノアの婚約者
「メアリイ・ジェラード」
ウェルマン家の門番の娘
「エマ・ビショップ」
ウェルマン家の召使頭
「ピーター・ロード」
ローラ・ウエルマンの主治医。ランサム博士の後任。
ポアロに事件解決を依頼
「アイリーン・オブライエン」
看護婦
「ジェシー・ホプキンズ」
地区看護婦
「テッド・ビグランド」
メアリイに想いをよせている青年
「エドウィン・ブルマー卿」
弁護士。エリノアの弁護を担当
「サミュエル・アテンブリイ卿」
検事。エリノアの起訴を担当