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内容はともかく、文章です。饒舌かつ豊かな表現、描写力。あまりに好みで驚きました。これは、と思ったページの端を折り込む癖があるのですが、この本に至っては多すぎて、折る意味がないと思ったほど。
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「エロ本だと思って読むと期待はずれだよ」と作者が冒頭でことわっているが、十分エロティシズムな内容だった。読む側の年齢でこの作品の受け止め方が違ってくる。血の気が多いだけの猿みたいな若い頃では理解でなかった作者のマニアックさが、経験値が増えた今読むと理解できる気がする。ただのロリコン趣味だけではなくひとりの女性への愛を全生涯かけて貫いた純愛小説だと思う。
メタファー好きにもオススメ。
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これは20世紀の文学が残した途方も無い傑作です。読者は言語による藝術の極致を目撃することでしょう。性倒錯を扱った小説ではありますが、想像力の彼岸を垣間見せてくれるようなユーモアを散りばめた滑稽本でもあります。
この翻訳は三回読みました。再読においても新鮮な発見があり楽しめました。三回目は原書と照らし合わせながら読みました。大久保康雄の翻訳はたいへん優れていることが分ります。所々では原文を凌駕しているように思える箇所があるくらいです。しかしこの名訳は若島正による新訳に取って代わられるようで、絶版に追い込まれる気配がいたします。若島の翻訳は通読していないので評価しかねますが要所要所を拾い読みした限りでは現代風の感じが気に入りませんでした。
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死んだ初恋の人の面影を別の女性に見出すが・・・・という、不朽のテーマにのっとった物語。
私はナボコフの「深読み無用」という言葉に従って素直にハンバートの目線で読みました。
ロリータがどんな容姿なのかひたすら想像し、その痛ましさ(おっさんが小娘に軽蔑される時の情けなさや肩身の狭い気持ち、ジェネレーションギャップのやりきれなさの書き方の見事なこと!)に凹み、ラストに山から小さな村を見降ろして、平和な人々の暮らしの声を聞きながら、自分がロリータをそうした平和で健全な世界にいられなくさせてしまったのだと自覚して絶望するくだりに涙を流したものでした。
でもそういう読み方って最近はあんまり歓迎されてないんですね。若島正の「ロリータ、ロリータ、ロリータ」などを読んで、ここまで深読みする人が多いのだと知って驚きました。
とりあえず私は素直に読み続けようと思います(笑)。「芸術(つまり好奇心、やさしさ、思いやり、恍惚)」というナボコフのあとがきにある一文を考えると、ハンバートは勝手ではあるけれど(ハンバートに心打たれる私でも、リタやシャーロットはやっぱり気の毒すぎると思いますし)、ロリータへの最終的な愛は詭弁と取るべきではなく、本当にこれからの彼女の幸せを願っている、と解釈できると思うし、したいです。
余談ですが、過去様々にこの本の装丁や表紙は変わっています。その中でも私が一番好きなのは、この文月信氏の表紙です。幻想的で感傷的なこの物語の雰囲気がよく出ていると思うのです。映画のスチールや扇情的な絵のものは・・・うーん。
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ロリコンの原点となった作品。
9〜12歳の少女が大好きなおっさんのお話。
溺愛する少女がどんどん大人になって年老いていき。。。
主人公の言ってることはたいそうだけど、
やってる事はかなりしょぼかったり、
良く読んでみると無茶苦茶だったりで楽しめます。
ただ旧訳だったで読むのが辛かった。。。
次は新訳よもっと。
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キューブリックより、
エイドリアン・ラインで、
エイドリアン・ラインより、
ウラジミール・ナボコフ。
なによりも大好きな作品。
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語彙力がとにかく豊富すぎてめまぐるしい。
ロリコンの語源とあるけれど、これを読んだら軽々しくロリコンとかいえないはず。
だってハンバートはすごくきもちわるい。
「痴人の愛」がだめでこちらが大好きな理由を未だ模索中なわたくし。
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内容
世界文学の最高傑作と呼ばれながら、ここまで誤解多き作品も数少ない。
中年男の少女への倒錯した恋を描く恋愛小説であると同時に、
ミステリでありロード・ノヴェルであり、
今も論争が続く文学的謎を孕む至高の存在でもある。
多様な読みを可能とする「真の古典」の、ときに笑いを、ときに涙を誘う名作
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読み途中。装丁が古臭くて気に入んねえな、と思ってたら案の定素敵に新装されたのが出ていた。帰国後購入予定。でも、装丁にしろ訳にしろ、この古臭さは後々記憶に残る類のものだろうなと思う。さて、ノスタルジーに昇華させるために、私は手元にあるこの本を廃棄するべきか、それとも古い本棚で虫に喰わせるべきか。
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12歳の少女に恋してしまった愚かな中年男ハンバート。
彼を単純な性的倒錯者にカテゴライズしてしまって良いものか。
確かにロリータに純情ならざる性的興奮を得ていたのは事実。
しかし少年時代のトラウマが、彼の特殊な嗜好に影響を与えたのも明らか。
でも言いたいことはそんなことではなくて。
不器用な男女が織りなす醜悪な喜劇。
散りばめられた比喩の嵐は詩的で、巧みな情緒に溢れて、みすぼらしいほど卑猥だ。
なさけなくもみじめでひたむきな愛のかたち。
笑って読めます。
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あまりの愛情、偏愛、妄想ゆえに滑稽に見えてしまうほど。第1部は特に執拗な描写がおかしてく苦笑しながら読みつつも、文章の美しさを堪能しました。頻繁に出てくる言葉の遊びは自分が理解できている自信がもてない。読み手に知性を要求される作品だと思いました。
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有名な作品だから読んでみたのだった。
書き出しが印象的すぎる。どうなるのか気になって、話はぐんぐん読んでしまう。いやはや。
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ずっと積読だった「ロリータ」を完読。これほど美しい表現描写に満ちた小説は無いのではないかというくらい完璧な小説。旅、風景、人、モノ、語り手のひとつひとつの言葉は、失われた永遠の夏を求めるノスタルジーに溢れている。中年男の少女への背徳的な愛は、情欲におぼれ、疑いと絶望に至るがゆえに、より愛のリアリティを描き出す。なんかどっかで見たことある景色のようで切なくなる。そんな物語。
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ザ・文学。なかなか手ごわい。読み切れずに図書館に返却。そのうち再チャレンジしたい。
・・・と思っていたが、優先順位を考えて、「読みたい」から除去。2020/2/8
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ある少女の義理の父親になった手記風の小説です。
もっと薄い本だったイメージがあったんですが、すこぶる分厚いです。
そしてもうちょっと違う方向の小説を期待していたのですが、期待の方向とは違っていました。
作者本人があとがきにも、途中で投げる人居るだろうとありましたが、読むのが大変でした。
彼女の関係の話を期待していたのですが、彼女を賞賛したりするような、いわゆる、推しメンに対する語りのようなものが、半分以上ある感じでした。
更に翻訳物ではよくある、読みにくい文章で、かなりきつかったです。
平行して、同じ翻訳物の世界週末戦争と毒味師イレーナを読んでいて、こっちは読みやすいので、訳者の問題かもしれませんが…。
しかし盛大なオチに驚きました。
一応ところどころで伏線のようなものはあったのですが、彼女があんなにビッチだったとは。
登場人物の名前が複数パターンで呼ばれていたり、フランス語ルビがあったり、訳注が結構多く向こうの文化に馴染んでいないと理解しづらいものがあったりでした。
多分、原文で読まないと読みづらいし理解し難いんでしょうね。