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ムーミン谷シリーズ最終巻はなんと、ムーミン一家が出てこない。ムーミン一家に思いを寄せる人々が空っぽの(パパの事情で一家は島へ移動していたため)ムーミン家を訪ねるお話。最後の最後で帰ってくるところはほのめかされるが、きちんとは描かれない。なんて偏屈な終わり方なんだろう。
しかしミムラ一族はいい。ミィはもちろんミムラネェサンもいい。といってもこの間に出てくるのはいつものミムラネェサンではなさそうなのだけど、目は小さいし細いし。しかしミムラ一族然としている。自分自身に生まれたことに満足していて、ハッピーになるすべをよく知っていて、平気で人に意見をぶつけてちょいとわがままで、眠りは深く、孤独を愛し、元気もりもりいつもわくわくだ。
たまにミムラ一族になったつもりでいる。
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去年からムーミンシリーズを読み始めて、やっと終わりました。
すんげぇぇぇえええ面白かった。
ホムサが最後に、自分が何をすべきか分かってるところに
感動しました。
超良かった。読んでよかった。
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ムーミンというとアニメの和やかでゆかいな一家。
という印象ですが、リアル中学生の頃にこの物語ムーミンを
読んで大いに盛り上がった記憶があり、いまだに3年に1回くらいは
シリーズ読み直したりします。
たしかに和やかでゆかいではありますが、シニカルでドライ。
登場人(?)物の自己顕示・嫉妬やそねみのようなマイナス部分も
普通に描かれています。でもドライな表現のせいか、いやな気分に
はならないですねー
子どもより大人が読んで楽しめるシリーズです。
なかでも一番すきなのが十一月
ムーミン一家のいないムーミン谷で過ごす6人のおはなし
かまいたい人・かまわれたい人・ほおっておいてほしい人
相手をうっとおしいと思ったり、案外見直したり・・
集団でいることのわずらわしさとたのしさがいやみなく
伝わってくるいー話です。
寒々しい枯れ木の季節のムーミン谷がまたステキです。
ヤンソンの描く四季は本当に空気が伝わってくる感じがしますねー
他にシリーズのなかですきなのが・・
「ムーミンパパ海へいく」
ある日、かっこいい父親気分が盛り上がって船出するパパと一家
ミィのあっけらかんとした残酷さとシニカルな視線
引きこもるママ
ストーカー風ムーミン
男らしさを追求して空回りするパパ
灯台の島の荒涼としたモノトーンの風景と風が目に浮かびます。
「ムーミンパパの思い出」
ムーミンパパの出生からムーミン谷に住むまでの回想記
パパの自意識過剰でみえっぱりでナルシストで大げさなところが
かわいらしくて笑えます。
若き日のパパと仲間の冒険譚ですが、回想記という手段を
とっているので、楽しみつつひやかす。という視点で読めて
おもしろいです。
竜のエドワード最高
「ムーミン谷の冬」
冬眠して冬を越すムーミン一族、ところがムーミンだけ
雪のさなかに目をさましてしまったとある冬のお話。
わたしのすきなおしゃまさんというちょっとなまいきな女の子が
登場して、ムーミンに冬の谷を案内します。
初めての降雪を体験するムーミンもかわいいし、あいかわらず
ミィはかっこいいし・・
冬から春への空気の変化がほんと上手い!
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川上弘美のエッセイに出ていたので気になって読むことにしました。
自分としてはムーミンシリーズに接するのが初めて。
シリーズの最後を読んでしまっていいのか・・・とも思ったけど
世界観は掴めたかな。
印象深い文章を書いておこう。
『ただ、しんせつなだけで、人のことが、ほんとうにすきではないような友だちなら、ほしくないや。それに、自分がいやな思いをしたくないから、しんせつにしているだけの人もいらないや。こわがる人もいやだ。ちっともこわがらない人、人のことを心から心配してくれる人、そうだ、ぼくは、ママがほしいんだ。』
『わたし、しないではいられなかったんですもの。あなただって、わたしとおんなじように、したくてたまらないことをすればいいんだわ。』
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来たるべき季節に向けて。
こうやって文章で出会うのは初めてなんだと思います。
すごく良かったです。
いつのまにかこの世界へ連れて行ってくれて、
でもいつでも自分の世界にも戻っていける、
強い魅力に溢れていながら、コチラを手放す力も持っている、
小説ではなく童話なんだということが、読みながら体感できました。
ほかの作品にも折にふれ接していきたいと思いました。
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ムーミンシリーズ最終巻にしてムーミン一家不在というすごい設定。そのことからも子ども向けじゃなくなってるって気がする。でも不在ということでしっくりした。
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様々な思いを持った6人が留守中のムーミン家にやってきて、少しの間共同生活をすることになる。ラストはなんだかすっきりする。何かを見つけられたような気になる。
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はじめ「あれ、なんでムーミン一家は留守?」と思っていたけれど、
前作の続きなんですね。ムーミン一家留守の、ムーミン谷の十一月。
自分勝手気ままな登場人物たちの変化を楽しむ物語。
MVP:ホムサ・トフト
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ムーミン一家が登場しないムーミン谷のおはなし。
冬もまぢかな、ひっそりした秋のひととき。
ちょっぴり不器用で孤独なものたちが、ムーミン一家のいない谷でムーミンたちを待ちながらご飯を作ったり掃除をしたり・・・
みんなと同じ時を過ごす事で、ゆっくりと秋が深まるように、それぞれの心の中もゆっくりゆっくり変化していく。
それは柔らかい毛布にくるまれたように温かく、ほっこりとさせてくれる。
秋の夜長にぴったりの一冊。
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先日、確かNHKの「週刊ブックレビュー」だったと思うんだけど、そこで「絆」について語られている方が出演されていて、「絆というのは、今この時代、同時代を生きている人間同士」という絆ももちろんあるし大切だけど、「自分がここにあるそのきっかけを作ってくれたご先祖との絆、自分とその一族を育んでくれた土地、風、水といった大自然との絆もある」というようなことを仰っていらしたんだけど、何となくそれを思い出しました。 何て言ったらいいんだろう・・・・・。 ムーミン谷に強烈すぎるほどに溢れている「ムーミン一家の存在感」とこの方の仰る「ご先祖、土地、風、水との絆」に何か共通するものを感じたのです。
人間はとかく「思想」だとか「理想」だとかいうある種の概念にとらわれがちだけど、それとは異なる次元で進行していく「誕生 - 生育 - 死」という大きな流れ、そして誰かがある瞬間にはそこに確かにいて、このプロセスを全うしたという記憶・・・・のようなもの。 ひょっとすると「存在する」ということはその「記憶の欠片」みたいなもののことを言うのではないか? そんな気分になりました。
(全文はブログにて)
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一言で表現すると、大人のための童話。アニメのムーミンとは180度異なる静かなお話です。さまざまな問題を抱えたキャラクター達が、人恋しさから不器用な「家族」を作り上げていく様が北欧の冬の情景とあいまって、不思議な物悲しさを感じさせます。特に、引きこもりの夢想少年「ホムサ」は社会の片隅で静かに壊れていく若者を表現しているように私は感じました。
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ムーミンシリーズから何か一冊をと考えると、これかそれとも「彗星」かどちらにしようか悩むことになるのです。
こちらにはムーミン一家がまったく出ません。
一家が旅に出た「ムーミンパパ海へ行く」の裏の話でしょう。
だからちょっとだけポイント低いでしょうか。
でも、だからこそいいのですが。
スナフキンをはじめとした取り残された人々が、ムーミンの家に集まって、話をしたり勝手にジャムを食べたりしながら、一家の帰りをなんとなく待っている。
主人公の不在がこれほどまでに寒さを感じさせるとは…。とまあ、そういうお話です。
不在であるからこそ、皆のよりどころにもなるのかもしれません。
すでにムーミンの世界になじんでいる人向きでしょう。
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予想外。まさかムーミンシリーズに驚かされるとは。
それにしてもスナフキンが素敵である。他のキャラクターはちょっと、、なところがありますけども。
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ムーミンシリーズであるのにムーミン一家が全く出てこないという異作。偏屈者のスナフキン、神経質なフィリフヨンカ、自分を変えたいヘムレン、空想癖のあるホムサ、自由奔放なミムラ、すべてを忘れてしまったスクルッタがムーミン谷で奇妙な共同生活をおくる。これだけ登場人物が好き勝手やっていて、正義や友情といったテーマも出てこないで、どちらかといえばそれなりに暗いはずなのに、何故かまとまりがある。しかし決して仲良しになるという展開ではない。テーマは「共存」なのかも。まったくキレイごとが出てこないあたり、ファンタジーなのに妙に人間らしい生活感がある。
(あんまり大きくなりすぎて、ひとりでうまくやっていくことができないんだ。)
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再読。最後にならないとムーミン一家が出てこない巻。
すっかり忘れてました、こんなのあったっけ状態。