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他のムーミンシリーズに比べて、ちょっと陰鬱さがある一冊です。
小学生のころ、良さがわからず最後まで読めませんでした。
でも、大人になってから読んだら、とても心に残りました。
他のムーミンシリーズを楽しんでから読むと、味わい深いと思います。
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ムーミン童話最終巻にしてムーミン一家は登場せず。だけどムーミン一家が慕われている様はフィリフヨンカ、ホムサ、ヘムレン、スナフキンたちの会話から存分に溢れている。本作ではミムラねぇさんが一番好き☆
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ムーミンのいないムーミン谷。
秋の寂しさと、人を待つ登場人物の中には何だか懐かしい
空気がイヤというほど立ち込めている。珠玉。
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冬のムーミンラスト。
冬シリーズもダークではない地点に至る。
このあと、トーベ・ヤンソンは母の死を迎え、ムーミンを描けなくなる。
ムーミンは幸せだった子供の頃の象徴であるからだそうだ。
そして、最終作の11月はとてもむずかしい。
多くの童話と同じく理解するものではないのかもしれません。
今回の主人公は六人いるからテーマも分散するし、他のシリーズに比べてさくを通じてのテーマがつかみにくい。
起承転結を求めるならば短編集のムーミン谷の仲間たちがお勧め。
シリーズ追っかけたら最後にこれ読むのがいいのかもね。
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長い冬眠に入る前のムーミン谷の11月。人恋しくてムーミン家に集まるフィリフヨンカ、ホムサ、ヘムレン、スナフキン。しかし、ムーミン一家は旅に出ており…
ムーミン達のいない家で始まった不思議な共同生活。
難しい性格を持ったキャラばかりでどうなるかと思いました…
みんなで食事したり、パーティをしたり、掃除をしたりするうちに、それぞれが自分のやりたいことや居場所を思い出し、一人、また一人と去ってゆきます。ムーミンママになろうとしたフィリフヨンカ、ムーミンパパに憧れを抱くヘムレン。最後には自分は自分、それでよいのだと気付けたのではないでしょうか。
一人残ったホムサはムーミン一家を迎え、今まで空想の中でしか知らなかったムーミン一家に出会うでしょう。きっとムーミン一家はホムサを受け入れるだろうな。それからホムサも他のみんなのように自分にとって何か大事なことを見つけられたらいいなと思います。
物寂しいけれどどこかあたたかい余韻の残るお話でした。
自由で楽しく生きる、そしてそんな自分が大好き!というミムラねえさんがとても素敵です。
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ムーミンたちだって決してその見かけほどは朗らかではないのだけれど、一家の留守中に集まってくる方達の捻れっぷりは更に凄い。で、むしろそれがもう、わが身の分身のようで。くすぐったいやら愛おしいやら。
ムーミン谷に住みたいと思う(笑)のは、こういう方達がそれでも基本的には一人で自分の領分を引き受けているという、厳しくて凛とした空気に魅せられるからだろうな。
だって絶対自分も、ムーミン達と仲良くなりたいと思いながら、そういう想いを知られるのが嫌で、留守の時にしかあのお家に近づかないと思うもの。ほら、立派にこの巻への登場資格ありだわ。
それはそうと、冬ごもりの支度についての次の文章が、なんとも魅力的。
「自分のぬくもりや、自分の考えをまとめて、心のおく深くほりさげたあなに、たくわえるのです。その安心なあなに、たいせつなものや、とうといものや、自分自身までを、そっとしまっておくのです」
…これやりたい。
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再読
2015/10/10
シリーズの中で1.2を争う。大好き。何度読んでも飽きることがない。三十路半ば。
再読 2016/11/10
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ムーミン一家不在のなか、仲間たちが集まり、季節は秋から冬に向かっていくお話。
「ムーミン谷の彗星」という最初期の作品しか読んだことがないのにいきなり最後の作品を読んでしまったからなのか、なかなかに難しいというかわかりにくいというか…ではあった。
ただ、それぞれのキャラクターのおもしろさ、仲間たちはもちろん、ご先祖様や、海や山や木々や風などとのつながりのなかで生きていること、人生の喜び悲しみ、何かとても深く神秘的なことを表現しようとしていることはわかった。
8月にフィンランドに行ってきたので、なんとなく気候や風土への理解が深まって、そのおかげでそのあたりの描写も楽しく読めた。
「いちだんと日が短くなり、寒さもましてきました。雨はほとんどふらず、毎日お昼ごろ、ほんのしばらく、ちらっと日の光が谷底にさします。すると、地面がぱっと明るくなって、はだかの木のかげが、黒々とうかびあがります。でも、昼前も昼すぎも、夕がたのように薄暗くて、そのうちに、とっぷりと、暗やみにつかってしまいます。」(P163)
「あかるくうき出ているのは、オレンジ色の、指の形をしたきのこだけです。まるで、暗やみから、何本もの小さな手が、にょきにょき出ているみたいです。木のみきには、大きなこぶのようなものが見えました。白っぽいクリーム色のビロードのようなこぶしでした。」(P257~258)
あと自由を愛するスナフキンが看板嫌いというのも面白かった。
「立入禁止とか、境界とか、閉鎖とか、しめだしとか、ひとりじめをあらわす感じのことばは、なにがなんでも、スナフキンは大きらいなのです。」(P123)