澁澤龍彦氏の世界の不思議な物語についてのエッセイ49編を収めた書です!
2020/06/05 09:26
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投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、昭和に活躍した作家、澁澤龍彦氏の作品で、今なお世界で語り継がれる不思議な物語についてのエッセイを49編収録した類書のない画期的な一冊です。澁澤氏は冒頭、「不思議物語の伝統は、歴史とともに、古代から脈々と流れていると言ってもよいであろう」と述べられており、ポルターガイスト、言葉を話す人形、百鬼夜行、姑獲鳥などに関する興味深いエッセイが収められています。一例を挙げると、「鬼神を使う魔法博士のこと」、「肉体から抜け出る魂のこと」、「ポルターガイストのこと」、「頭の二つある蛇のこと」、「銅版画を彫らせた霊のこと」、「光の加減で見える異様な顔のこと」、「末来を占う鏡のこと」、「石の上に現れた顔のこと」、「自己像幻視のこと」、「口をきく人形のこと」、「二人同夢のこと」、「天から降るゴッサマーのこと」、「屁っぴり男のこと」などです。ぜひ、一度、読んでみてください。
奇譚 綺譚 鬼譚
2017/09/06 22:06
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投稿者:るう - この投稿者のレビュー一覧を見る
澁澤氏の類まれなる感性に拾い上げられた不思議な物語は実に魅力的。石の中に住む魚、天女に口づけされた男…。飽きの来ない味わい。
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一度読んだんですけど、何度も読み返せるおもしろさがあると思うんですよね。しかも、どっから読んでもいいってのもイイ。
澁澤の前口上から少し。。。
それにしても、不思議を楽しむ精神とは、いったい何であろうか。おそらく、いつまでも若々しさを失わない別名ではなかろうか。驚いたり楽しんだりすることができるのも一つの能力であり、これには独特な技術が必要なのだということを、私はここで強調しておきたい〜略
不思議を楽しめる能力を持つ澁澤龍彦氏が、古今東西から選りすぐった不思議物語なんですから、おもしろくないはずがありませんです。短いエッセイの中にはたくさんのエッセンスが詰め込まれています。もうホントに「へぇ〜」の連続。
私はこの人のエッセイが好きです。全部は読んでいないし、時に退屈なものもありますが。。。
彼は人並みはずれた知性と考察力に加え、ユ−モアがあると思うのです。自身にユ−モアがあるだけでなく、人にその知識を堅苦しくなく楽しくみせてくれる才能も持ち合わせている稀有な人でもある気がいたします。
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珍しく、日本古典からの紹介が多いです。新聞連載と言うこともあって、澁澤さんっぽい感じはないかな。でもテイストは好みです。
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かなり短編で面白い話が凝縮された本!!物凄くお気に入りです!!基本的にこの本を読むと脳がやすまる!!
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昭和50年12月7日から、47回に渡って毎日新聞の日曜版の連載されたものをまとめたもの。澁澤の本なので、内容については特に言うこともないです。好きな人は、かなり好きでしょうね。藤本蒼猪氏が中の挿絵を描いているんだけど、これがかなりはまってて良いです。
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「不思議物語の伝説は、歴史と共に、古代から脈々と流れているといっても良いであろう」(「前口上」)。ポルターガイスト、言葉を話す人形、百鬼夜行、姑獲鳥など、古今東西の世にも不思議な物語49編。著者が最も心ひかれたテーマが満載、軽妙な語り口で、驚きと夢とシンボルの一大宝庫へと読者を誘うエッセイ集。
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洒落ているのが良い。
(2009.09.24)
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各話三、四頁ほどの不思議で幻想的な伝承が、四十九話収録されたエッセイ集で、澁澤龍彦氏のペダンティックな(と云っても、知識をひけらかすというよりは、知識の宝庫といえるような)性格が十二分に伝わってくる本である。
洋の東西を問わず、数多くの不思議な物語がちりばめられていて、目眩むような感覚を覚える。ただ、どの物語も作者の軽妙な語り口というか筆致で進んでいき、物知りな知人に「こんな話もあるよ」と面白い話を聞かせてもらっているような感じなので、何の予備知識がなくとも非常に楽しく読めるところがいい。しかも、どこから読んでも差支えがない。手持ち無沙汰な時、お風呂で軽く何かを読みたい時などには、うってつけである。
この『東西不思議物語』には、私の興味をそそる話題がふんだんに盛り込まれているのが大変嬉しい。私は幽霊だとかお化けだとかを、子供のような信じ方で信じているわけではないけれども、やはり、一個のか弱い人間として、何か自分の意思だけではどうにもならぬ運命を感じたり、目には見えぬけれども侵してはならない神的存在や鬼神、連綿と語り継がれてきた禁忌といったものに敬意を表しながら生活している。そういう、語り継がれてきたけれども目には見えないモノ、科学的な解決方法だけでは説明のつかないモノ達が、この本にはひしめき合っているのである。
安倍晴明、双頭の蛇ことアムピスバエナ、ウツボ(ウツロ)舟、姑獲鳥(うぶめ)、飯綱(いづな)の法、果心居士、妖霊星(ようれぼし)、ダンス・マカブル、童謡(わざうた)、一言主大神(ひとことぬしのおおみかみ)…etc.
好きなモノを挙げればきりがないが、その私の関心に、澁澤氏は縦横無尽に、あるいは融通無碍にその広汎な知識を駆使して答えてくれているようである。
本書に含まれている物語は、無論、あまねく世界に星の如く散らばっている不思議な物語のほんの一端に過ぎないが、それでも、世の中にはこんなに空想をかき立てる伝承があるのか、と素直に驚いてしまうのである。そして、それら不思議な伝承や伝説は、やはり古今東西の作家達の創作意欲をも促進するのであろう。ラフカディオ=ハーンや、小栗虫太郎、夢枕獏や京極夏彦らが、かてて加えてなによりも澁澤龍彦自身が、そういった物語に魅せられて様々な作品を書いている。
『東西不思議物語』を読むと、それらの物語の多くがまだ我々の生活の中に確かに息づいていて、ともすれば、日常生活のあれやこれやで疲れてしまいがちな空想力に、羽を与えてくれるような心持ちがするのである。
本書は挿画もなかなかに良い。不二本蒼生(ふじもとあおい)氏の、細かい点描や描き込みを施した濃厚なイラストレーションが、澁澤龍彦氏の作品世界を的確に表現していると思う。
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本当は現実主義者なのに、不思議な話を求めて怪しげな本に熱中するようになったのは、この作品を読んでしまったせいかも。
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[ 内容 ]
ポルターガイスト、UFO、お化け……。
世にも不思議な物語をこよなく愛する著者が、四十九のテーマをもとに、古今東西の書物のなかから、奇譚のかずかずを選びぬいた愉快なエッセイ集!
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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何故か私の周りには澁澤好きが多い。多いって2人位なもんだけど。…これ中学校とか高校時代に読んでたらきっとただでさえこじらせてた中二病がもっとこじれてたんだろうなぁと思わせる内容で何て言うかとても面白かったです。元は新聞のコラム?か何かだった様で、結構読みやすい。
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気になっていた作家のひとり澁澤龍彦。妖しい、耽美的なイメージがあったのだけれども、読みやすい語り口で書かれたエッセイでした。東洋・西洋と普段あまり一緒にされない妖怪たちが並んで登場するので、発想の同一性や違いなどが考えさせられる気がする1冊。
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奇談のアンソロジーで、澁澤版「妖異博物館」と言える。実際、いくつかのエピソードは「妖異~」にも収められているものである。
「妖異~」よりは軽く、読みやすい印象。
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思っていたよりずっと読みやすかった。古今(1980年あたりだけど)東西の怪奇譚にまつわるエッセイ集。博識だなー。耳袋なんかは私も読んだのに、どんな話があったか全然覚えていないし。ただの読み腐れだな。
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東西の怪談や神話の共通点や科学的考察からの比較。豆知識的小噺が満載で、原著に当たりたくなること請け合い。新聞への掲載ということで、シブタツの本領は押さえ気味だが、一部の官能的表現は醍醐味であります。