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風と共に去りぬ 2 みんなのレビュー

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みんなのレビュー20件

みんなの評価4.1

評価内訳

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20 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

聖書のつぎに読まれたという物語の吸引力。

2012/03/15 21:46

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きゃべつちょうちょ - この投稿者のレビュー一覧を見る

2巻は夢中なって読んでしまった。
「風と共に去りぬ」が南北戦争を背景に語られるというのは、
うっすらと知っていたが、まさかここまで明細に書かれているとは!
読者は、スカーレットと一緒に戦禍という嵐の中を駆け抜けることになる。

戦争について書かれたものや映画は世の中にたくさんあるけれど、
わたしはほとんど、それらを読んだり、観たりしたことはなかった。
わからないこと、昔に起きたできごととして、遠くにあった。
今もそれはかわっていないけれど、戦争に対する意識は少し変わったと思う。
うまく言えないけれど、読む前と読んだあとでは、なにかが変わっている。
これは、そういう力を持っている本だと思う。

戦時は異常な世の中だから、信じられないことがしばしば起きる。
加えて、まったく考えもつかない現実が横たわっている。
『泥地や山林の中に潜んで、憲兵から再び軍隊にひっぱりだされるのを
きらって逃げ回る兵士の数はかぞえきれないほど』だったりするのを例にあげて、
バトラーは地元の有力者との会話の中で、いかに南軍の兵力が北軍に劣るかを語る。
それがいいとか悪いとかじゃなくて、もう勝算はないのだ、という話だ。
しかしそれでもアトランタの住民たちは南軍が勝つと固く信じている。
信じなければやっていられないということだろう。多くの犠牲を払って。
そして勝つこと以上に、勝てば報われることを信じているのだろう。

ピアノで流行歌をうたえば、おなじ空間にいるだれかの傷口をひろげることになる。
そのころ流行したのは、かなしい、愛国の犠牲を讃えるうたばかりだったからだ。
常に誰かが家族をうばわれていた。怒りを露わにさえできない、呪われた日々。
着るものも食べるものも次第に粗末になっていき、やがては精神さえも。

そして、難攻不落といわれていたアトランタで戦闘が開始される。
これまで戦争に無関心だったスカーレットも、
自分の住む町で砲声がきこえてくるようになると、さすがにそうはいかない。
タラ(両親の住む故郷)は大丈夫かと、気が気ではない。

このさきは息をつかせぬ展開がつづいていくが、まず、
スカーレットが出産間もない義妹のメラニーのために医師を呼びに行くシーン。
メラニーは体がよわく、かなり危険な状態だったのでなにかあればすぐ呼んでくれと
かかりつけの医師から言われていた。
しかしメラニーが産気づいたこの日、奇しくも南軍はアトランタを撤退する。
不気味に迫りくる北軍の影。
病院へと急ぐスカーレットがまっさきに見たものは、食糧をせっせと運ぶ市民の姿。
それは『北軍が押し寄せる前に軍隊が兵站部の食料倉庫を市民に開放』したものだった。
広場にはその食糧を求める群衆の波がひろがった。
病院近くのホテルの角を曲がると、何百ともしれぬ負傷兵の群れ。
スカーレットはドレスを泥だらけに血だらけにしながら、人混みをかき分ける。
その彼女のドレスの裾に傷を負った兵士の手がのび、水をくださいと叫ぶ。
ミッチェルの描写力はすごい。スカーレットと一緒に地獄を見ている気分になる。
頼みの綱の医師は、まるで屠殺人のように鮮血にまみれたシャツとズボンを身に着け、
兵士の手当てに追われている。スカーレットがうちへ来てほしいと頼むと
『あんたは気でも狂ったのか。こんなに多くの人が死にかけているんだ。
赤ん坊ひとりのために、この人たちを放っておくことはできん。わしの家内にでも
手伝ってもらいなさい』とぴしゃりと言われる。
その家内であるミード夫人(スカーレットの家の近所)は朝からいない。
息子が死にかけて呼び出されたのだ!そのことをスカーレットは医師に言えない。
医師の苦しみとスカーレットのせつなさ。
どうしてこんなにいっぺんに色々なことが重なってしまうのだろう!

そして、スカーレットが手綱を握り、生まれ故郷のタラをめざすシーン。
馬車には瀕死のメラニーと、生まれたばかりの赤ちゃんと、自分の子ども。
ずっと守られてきたスカーレットが、みんなを守らなくてはいけないのだ。
頼る人は誰もいない。このさき何が起きるかわからない。
それでも、とにかくこの死にそうな馬をなんとか動かして進まなければ。
手に汗にぎる、という言い方があるが、まさにそう。
どうにか無事にスカーレットたちがタラへたどり着くように。
息をつめて願ってしまう。
家ははたしてあるのか。両親は無事なのか。食事は、寝床は、あるのだろうか。

そして大きな謎は、レット・バトラーがスカーレットを残して去ったことだ。
彼はいま、いったいどこで何をしているのだろう。
ほんとうに、無力の南軍に自分の力を尽くそうとして消えたのだろうか。

Gone with the Wind タイトルとおなじ表現が、巻末近くにさりげなく出てくる。
『タラは、まだ無事なのだろうか。それともタラもやはり、
ジョージア州を吹きまくった風と共に去ってしまったのだろうか』
変わりゆく世の中の風に吹かれて、スカーレット自身もまた大きく変わっていく。
ただのお嬢さんではなくなった彼女が、局面をどう乗り越えていくのか、
ますます、つづきが気になってきた。

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2006/09/17 11:13

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