紙の本
教育技術向上に関心のある向きは読まれよ
2006/09/16 17:51
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:BCKT - この投稿者のレビュー一覧を見る
一 授業の原則
二 教師の技量
三 授業の腕をあげる法則
四 新しい教育文化の創造
むこうやまよういちは1943年生まれ(出生地不明)。東京学芸大学(社会科)卒(68年)。東京都大田区立小学校の教師をしながら、NHK「クイズ面白ゼミナール」教科書問題作成委員、千葉大学非常勤講師、上海師範大学客員教授なども務めてきた。現在教師を退職、TOSSの運営に力を注いでいる。2005年現在,教育技術法則化運動(TOSS:Teacher’s Organization of Skill Sharing)代表,日本教育技術学会会長(日本学術会議未登録),東京教育技術研究所(代表取締役)などの代表を務める。著書は,『跳び箱は誰でも跳ばせられる』,『学校の失敗』など多数(Wikiぺディア参照)。著書は本当に多い。間違いなく,教員養成を専門とする学芸大が生んだ小学校教員(大学研究者ではない!)の極北の一人だろう。本書は著者が42歳の時。上記『跳び箱』刊行(82年)は36歳の時だが,本書刊行までにすでに9冊,本書奥付(らしきページ)には合計54冊(以上)をものしている。本書は06年で97刷(年4.6刷ペース)。すげぇ・・・。教育著述に賭ける向山と授業力向上に熱心な多数の教員の存在を雄弁に物語る数字だ。
“授業には情熱に裏打ちされた技術があるべきだ”とする信念が本書各所に横溢している。情熱だけだと教育論はまったくの精神論になってしまって(堕してしまって?),改善方法に悩む教員の救済措置にはならないというわけだ。“授業”という教育サービスが無形財の生産である以上,これはあまりにも自明だが,向山以前にはなかったらしい。
しかし,著作としては問題も多い。まず,著作としての体系性が殆んどなく,雑文の寄せ集め的な印象を与えてしまっている(たとえば,本書で言えば,既刊著作の増刷状況紹介(120頁)に3行を費やしているが,これなど“天狗になっている”的反感を確実に誘引しているし,「三 授業の腕をあげる法則」では,本書題名には取り敢えず二次的にしか関係がない「4教育技術の宝庫『教育技術の法則化シリーズ』の出版」(164-70頁)に,6ページも費やしていたり(しかも52頁でも宣伝している),「私の手もとに届いた新しい分を,たまたまご紹介する」(94頁)として,現役教員の実践報告(私信?)を紹介しているが,まるでインターネット上のやり取りみたい。こういうのは巻末に一括すべきなのに,編集者(江部満)はなにも文句をつけなかったんだろうか?)。文章も1行一段落的で,まるで教育界の小室直樹だ(だからページ数の割に読了は早い)。別著既述の議論については,“私のこの本を参考にして欲しい”的コメントで済ましているが,もう少し関連づけの明確化が欲しい(「本を出版する以上,読む人の立場を考えて読みやすく工夫するのも書く人の務めであると思う」(229頁)という自覚があるにも拘らず!)。また,向山批判者についてのコメント(反批判?)もあんまり生産的ではないという印象を受ける。
書評子として不満はあるが,本書はないよりは絶対にマシだと思う。教育技術向上に関心のある向きは読まれよ。(1321字)
紙の本
授業の質を上げたければこの本
2015/11/14 22:33
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投稿者:本好きリス - この投稿者のレビュー一覧を見る
その名の通り、法則に沿って説明をしてくれる。
いい教示法を見るだけでなく、こういう本も読まないと上達しない。
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教員になる前の「きちんと授業を作っていけるのか」といった悩みは、現場に出れば知らずと解決されるものかと思っていた。しかし、そうではないと教えられた。
先輩方の作り出した教育の技術をしっかり学んでいこうと決意した一冊。
教員志望者は読んだ方が良いと薦められて読んだ1冊だったが、本当にそう思う。価値観が変わる1冊。
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私が生まれて初めて読んだ教育書。
これは未だに私のバイブル。
氏のやり方には賛否ありますが、実践の具体例を此処まで明確に打ち出したのは、やはり評価できると。
というか、教育の世界って、「情熱」とか、「やれば出来る」とか抽象論多すぎ。
だからこの本でも具体的に感じるんだわ。
教育界って、ほんとノウハウがあるようで無さ過ぎ。話にならん。
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読み返すの何度目だろう。「TOSSはちょっと」って思う私でも何回も読み返しています。
本当に基本になることがいっぱい書かれている。
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小学校向きだな、というのが実のところ。
とび箱の実践はすごいと思うけど、今の小学校で男の先生が女子児童に指導したらどうなるかな…など考えてしまった。
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「教育は技術ではない。しかし,教育は技術でもある。」と述べているように,授業における定石を身につけ実践することは,我流を貫き周りを無視し続けることに比べてはるかに得るものがあると感じました。多くの教師たちが試行錯誤を重ね開発してきた技術であるからこそ,実践する価値があり,成功や失敗もまた価値があると思います。跳び箱指導法,逆上がり指導法…思わず試してみたくなることまちがいなし!(幾代)
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名著と呼ばれるだけの事はあり,かなり勉強になる内容が沢山詰まっています。
法則化運動とかTOSSについては勉強不足な点も多々ありますが,
この本に書いてある内容がマイナスになる事はまず無いと思います。
教師を志すにあたって読んでおいて損はしないでしょう。
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読みながらいろいろ考えさせられる。
しかし、考えるところ以外はすらすら読めて、得るものもものすごく多い。
名著といわれるのが分かる。
跳び箱指導法もそうだが、逆上がりの指導方法なども参考になった。
法則化の全てを肯定できるわけではないと思うが、著者が教師の資質を問うような鋭い指摘をしたことは教育界に間違いなくプラスであったと思う。
これから著者の本を色々読んでいきたい。
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教師でないので、授業はすることはないが、人材育成の観点で参考になった。いろんな定石を書いていたが、結局、じっくり教室や子どもを見ることと、細やかな対応が重要と思った。
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子どもを「教える」という事を生業としている人にオススメしたい本。
ここで網羅されている「原則」は、実践してみて初めて、その重要さに思い知らされる。
「子ども」に対して、どっかのユルい雑誌や、誰かの発言を受け売りにしているだけの教育・保育関係者の顔に、思いっきり叩きつけてやりたい位に濃密な内容です。
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教育実習先の先生にいただいた本。
この本より、私の読書修行がスタートしました。
授業や学級経営をするに於いて、大切な十ヶ条が述べられています。
例えば、趣意説明の法則。
教師が出す指示の意味を説明しなさいということ。
単に、
「ゴミをひろいなさい」
よりも、
「教室をきれいにします。ゴミをひろいなさい」
の方が知性的な集団作りにつながるということ。
さらにいいのは、
「教室をきれいにしよう。自分のやりたいことをやってごらん」
だそうです。
この本には、これを含めて、10個の授業の原則が述べられています。
氏がいう「教育技術の法則化」には、賛否両論ありますが、私は「教育技術」とは、料理でいう「レシピ」みたいなものだと考えています。
人気店の人気メニューのレシピを知っていれば、いい店が開けるか?
答えは、否です。
教育技術をたくさん知っていて、いい学級経営ができるか?
これも答えは、否だと思います。
しかし、レシピや技術から学ぶことはとても多い。
あとは、それらをどう使うかですね。
ちなみに、私は毎年、4月の最初にこの本を読み直し、教師としてのバイブルにしております。
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12/26/10
読みたい
「学校の失敗」と一緒に、向山洋一ということで購入。実践的で面白いらしい。
1/13/11
読み終わった
確かに実践的でわかり易い。が、これを参考にできるのは「小学校」の「担任の先生」というかなり限定された人間に限ると思う。
短く簡潔な文章でまとめられていて、淀みなく論が進められていく。故にかなりの速さで読み進められる。それでいて内容のないものかといったら全くそうではなく、著者の教育に対する情熱とあいまってかなり内容の濃いものになっていると思う。
そしてこれがこの本の一番の特徴だと思うけれど、載っている内容はすべて実践可能なものばかり。これこそ著者が執筆をするにあたって一番気をつけている点であるとおり、誰にでもいい指導ができるように、誰にでも追体験できるようなプロセスを噛み砕いて噛み砕いて説明している。
自分として惜しむらくは、というか当然なんだけれど、冒頭にも書いたとおり、この本は学校の先生、特に「小学校の学級を受け持つ担任の先生」に向けて書かれているということ。それ以外の人が読むには、まるで外国為替の「が」の字も知らない人がFXの講演を聞きに行くようなもので(勿論得るものが何もないかというとそんなことはないが)、作品の面白さ、有用さは半減してしまうということ。
自分は個別指導の講師をやっているけれども、ここまで教育に携わる人間でも参考になるなと思うのは5~7割くらい。これを多いと思うか少ないと思うかは人それぞれだけれど、自分としてはそんなところ。
福原義春さんがいつかのエッセイで「『明日役に立たない本』こそが人生を豊かにする」と言っていたが、本書は確実に「明日役に立つ本」にカテゴライズされるな。それが著者の狙いだということは理解するけど。
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教育に関わる全ての人に読んでほしい一冊。
教育技術の基礎、基本が書かれている。
子どもと関わるいかなる時も有効な法則だと思う。
読んで実践してみれば、教育界の名著と言われている理由がわかる。