投稿元:
レビューを見る
描写が凄い。孔雀殺すシーンとか、ホント凄い。コレ続きどうなっちゃうんだ!?みたいな終わり方は好きだと思った。
投稿元:
レビューを見る
芥川賞受賞シリーズ ②
第1回(1935年)の受賞作品から2004年の131回受賞までに140作品があるが、タイトルから早く読んでみたいと思いました。中身はこの時代を反映してるのか、重たいテーマでした。
「ぼくには、以前、自分の身体の左側を右半分よりもじゃけんに扱うくせがあった。」自分の体のハンディからくる劣等感、過去の体験からくる在日に対する負い目など様々な心の呪縛から解き放たれる時、汽笛を鳴らす時なのではないかと思いました。中小企業の工場で働く青年の油にまみれた描写の作品ってあまり最近みません。日本に製造業がなくなってきているからでしょうが、1970年代はこういった作品が芥川賞になっていたんですね。
投稿元:
レビューを見る
1972年上半期芥川賞受賞作。作品が書かれた1972年は高度経済成長期の最後の時期にあたる。それにしてはここで描かれているのは終始一貫して暗く、およそ経済成長からは見放された世界だ。弱者(主人公は身体的なコンプレックスを持っている)が、弱者同志(在日朝鮮人の人たち、あるいは劣悪な環境にいる工場労働者たち)で苦しめ合わなければならない展開は、とうとう最後まで陰鬱なままで幕を閉じる。表題には希望が希求されているが、それは永遠にやってきそうもない。数ある芥川賞作品の中でも暗さでは1,2を争うのではないだろうか。