紙の本
かっこよくなりたい男にも、かっこいい男を探している女にも贈りたい
2011/12/21 02:24
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けい - この投稿者のレビュー一覧を見る
開高健。少なくない人にとってかっこいい男の一人ではないでしょうか。剛毅でダンディ。名前からしてすごい。なにせ「開く」に「高い」に「健やか」。字面も響きもかっこいい。開高先生は、私にとって間違いなくかっこいい男の一人です。
今回、紹介するのは雑誌週刊プレイボーイの読者投稿相談コーナーをまとめたもの。グラビアもある、成年男性向けの雑誌とあって、寄せられる内容には女性にはあきれられそうなものが多数。本当に男というものは底が浅い。それでいて、そのちっぽけな空間に、馬鹿や猥雑から崇高や純粋まで、実に雑多なものをぎゅうぎゅうに詰め込んでいる。靴下脱ぎ散らせる生物は、やはり違う。もしかしたら、男とはどうあってっも永遠にかっこよくなれない存在なのかもしれない。この本を読んで、そう感じました。
それでも、なんとか取り繕おうと、かっこよく見せようとするのが男。開高先生すら、とほほに感じることもしばしば。なんでこんな質問にこんなに大真面目に答えているのだ、ということも多々。でも、たぶん、それは男にとってすごく大切なものがあるからなのかもしれません。
真剣な苦悩が隠れていそうな質問には、ちゃかしすかしながらも、真剣に解答し、揚げ足をとってやろう、「君はすごい、目の付けどころが違う」と言わせてやろうという思惑を感じるような意地悪い質問には、意外な切り口でおしゃれにやり返す。
かっこいい男はいないのでしょうが、男がかっこよくなれる瞬間というのは、確かに存在し得るのかもしれません。
お気に入りの解答はいくつもあります。「恋と愛の違いはなにか?」といった質問に対する「まず恋をしてみなさい。簡単にできるものではないが、一年以内にはいい人ができるだろう」という趣旨の答え。ここににじみ出る悩みを受け止めながらも、希望や未来を語れるかっこよさ。
「お金が貯まったので海外に行きたいが決められない。どこに行くべきか?」という問いには「どこかへ行くのに人に聞いたって始まらんで」ともっともなことを書いたうえで、きちんと考えて自分の意見を表明する。
責任のとれる範囲で誠実に、しゃれた答えをする。どうも、このあたりに男がかっこよくなれる瞬間の秘密があるようです。
友人に「あそこの本屋の棚は面白い」と勧められ出会った一冊。勧めてくれた彼も確かにときどきはかっこいい。bk1の書評家さんのみなさんの書評投稿履歴は、個性的な棚のようなもの。気になる書評家さんの五つ星作品をながめるのは、個性的でコンセプトのある棚を目の前にすることなのかもしれません。
男も女も、本好きな人には、かっこいい一瞬がたくさんあるはず。
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雑誌「プレイボーイ」に寄せられた悩み相談というだけあって(?)基本的にしょーもない悩みが多いのですが、開高健先生がさくっと回答。相談内容とは打って変わった簡潔かつ機智に富んだ回答は面白いうえ、ためになります。
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バイタリティの塊の様な開高さんの強く易しく、ユーモアとウェットな人生指南書。
若者のバイブル的、面白本。
息子が高校生くらいになったら、さり気なく勉強机に置き去りたい。
もっともっとと言う人は続編も在る。
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もんくなし。
今はなんにも考えたくない時によむと、やる気が湧いてくる。
エロ話しを、開高さんみたいに紳士に受け答えできるように、早くなりたい。いや無理か…
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週刊プレイボーイでやっていた読者のよろず相談をまとめたもの。
ひところ話題になった「生協の白石さん」の原型のようなものか。
土台が週刊プレイボーイなので、いきおい、内容もそれなりの傾向があって、「生協の白石さん」のような爽やかな読後感はない。
開高健は大好きな作家なのに、こんな話題に始終した1冊は読了するのが辛かった。
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月刊プレイボーイの連載をまとめたもの。読者が質問し、開高さんが答える。質問が多岐にわたっていて面白かった。何回か吹き出してしまったし、すぐ読んでしまった。
開高 健さんの著作はあまり読んだことないのだが、この本に関しては面白くておおらか、少し情けなかったりして、意地悪がない。楽しい本だと思った。
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読者から寄せられる多数の相談・質問に開高健が答える。人生相談?相談事は人生のことばかりではないから、そうは言えないだろうけれども、まぁ、そんなものである。「週刊プレイボーイ」に連載されていた、ということであり、そう言えば、雑誌で読んだ記憶もかすかにある。かなり傑作。
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if you go travel somewhere, you should take this over somewhere!!
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読者からの難問奇問珍問の嵐。開高さんらしい名回答の連発。21歳学生男Q:小説家とは、なるものか、あるものか?A:あるものであり、あるものだけではなれないから、なるものである。あるものであり、あるものでなければならないが、そのままであるとあるものにすぎないから、なるものにならなければならない。ミュージシャンQ:スペースシャトル打ち上げ。先生は何か感じるところがありますか。行ったこともない空間に対して。A:ない。何も感ずるところがない。すべて小松左京にまかせてある。ディープな質問もある。馬鹿げた質問もある。切実な悩み相談室でもある。真摯な回答もする。質問者の年齢も様々だ。ずいぶん昔に買った。ボクはこの本を今でも3年おきぐらいに読んでみる。おわかりか。(似)
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読者からの些細な質問に対して,開高健(かいこうたけしと読むんだヨ)が回答したものを集めた本.博識,教養,経験,ユーモア,で群を抜いている開高健が回答しているのだから,おもしろくないはずがない.目から鱗が落ちた部分多数.心温まった部分多数.花落つること知る多少.
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芥川賞作家・開高健が、読者の
難問・奇問・珍問・チン問に
真っ向から答える。
きまぐれ図書館のレビューはコチラ
http://ameblo.jp/kimagure-library/entry-11424618744.html
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今の10代、20代の若者諸君は、開高健先生のことを知っているのだろうか。小生が、帽子にメガネに、ツイードのジャケットを着るようになったのは、なにを隠そうこの開高健先生の物まねである。飲めないドライマティーニをサントリーバーで飲み始めたのも、ライターの原稿を書くようになったのもそう、この御大のおかげである。まぁ、小生の話はどうでもよい。
開高健は、洋酒のPR誌『洋酒天国』の編集やウイスキーのキャッチコピー(トリスウイスキーの「人間らしくやりたいナ」が有名)を手がけた広告マンであり、芥川賞作家であり、ベトナム戦争の生き残りであり、オーパであり、世界を渡り歩く釣り人でありグルメである。この本は、週刊プレイボーイでの連載をまとめたもので、ファンであり熱心な読者のハガキの質問に答える形式でやりとりがされている。今なら、リリー・フランキーさんが同じく週刊プレイボーイで連載している人生相談の先駆のコーナーかもしれない。まだ行っていない茅ヶ崎にある開高健記念館に行こう。
開高氏のマグナカルタ九章という名言があるので記しておく。
1、読め
2、耳をたてろ
3、目を開いたまま眠れ
4、右足で一歩一歩歩きつつ、左足で跳べ
5、トラブルを歓迎しろ
6.遊べ
7、飲め
8、抱け、抱かれろ
9、森羅万象に多情多恨たれ
補遺一つ。女に泣かされろ
(日本ブックツーリズム協会 テリー植田)
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[ 内容 ]
読者から寄せられた難問、奇問、珍問に人生の達人・開高健が名回答。
笑い、ユーモア、ブラック・ユーモア、そして教養に満ちた異色の書。
[ 目次 ]
[ 問題提起 ]
[ 結論 ]
[ コメント ]
[ 読了した日 ]
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気軽に読める開高さんの相談受け答え本。
雑誌『プレイボーイ』に掲載されていたらしく、エロが多いけど読み物として普通におもしろい。
挿絵に独特の魅力があって楽しみながら読めた。
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「読者から寄せられた難問、奇問、珍問に人生の達人・開高健が名回答」 文庫本の裏表紙より。若い頃、この「風に訊け」が読みたくて、毎週「週刊プレーボーイ」を買ってたなぁ。その博識、ユーモア、辛辣、ジョーク、エロ、たっぷりで軽妙洒脱な回答ぶりに、感心したり、唸ったり、笑ったり・・・とにかく面白く、何度も読み返してしまう一冊です。