いろいろな「ぼく」のいろいろなシーンを少しずつ見せてもらった、と言えばいいのかな。登場する人たちはあまり生活感がない。でも決してお金に困るような感じはなくてどちらかと言えばアッパークラス。オイラとは生活するステージが違うんだけど、嫌味じゃない。「ぼく」が見せてくれる風景は、オイラを気持ちのいい世界に連れて行ってくれるみたいだ。それは楽しいドライブの車の中だったり、ヒリヒリするような夏の日差しの下だったり、キレイな女性とお酒を飲む席だったり……。大瀧詠一の「A LONG VACATION」を聴いているみたいな感じかな。眩しいときに連れて行ってくれる。部屋で飲むビールがとても美味しくなったりする。うん、そんな感じだ。