手放すことはない1冊
2015/10/04 18:43
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投稿者:szk - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかく『冬の日』が好きだ。文章からなぜかほとばしる旅情。旅の話ではないのに。高校生のときから、ことあるごとに読んでいる。梶井基次郎の乾いていて、それでいて優しい感性は色あせない。『檸檬』のいたずらは、一度はやってみたいよね。
地球に爪痕を残した男。
2004/12/24 20:47
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投稿者:Straight No Chaser - この投稿者のレビュー一覧を見る
>(「器楽的幻覚」1928.1)
1932年3月24日午前二時、梶井基次郎は31歳(数え32歳)でこの世を去った。『評伝 梶井基次郎』(大谷晃一著、沖積舎)に、病床の梶井基次郎と母ヒサの会話が再現されている。3月23日の昼下がり。
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友人たちの奔走の甲斐あって、生前唯一の作品集『檸檬』が刊行されたのが1931年5月15日。
>(「冬の蠅」1928.2)
『城の崎にて』を思い出す。志賀直哉は小さな生き物たちの「死」を見つめ、梶井基次郎は小さな生き物たちの「生」を見つめた。
>(習作「小さな良心」1922)
夜の街をさまよう若い男。どこまでも闇のなかを歩きつづける。つかの間の光。檸檬。
>(習作「瀬山の話」1924)
翌1925年(大正15年)、不朽の名品「檸檬」が生まれる。「地球に爪痕を残すような 傑作が書きたい」----『評伝 梶井基次郎』の帯に書かれた言葉。
大阪市中央区中寺町の常国寺では、梶井基次郎の忌日、「檸檬忌」がいまも続けられている。そして彼の墓にはいつもだれかが、ひっそりと檸檬を供えているという。
>(「桜の樹の下には」1928.10)
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投稿者:ncarp - この投稿者のレビュー一覧を見る
檸檬のいたずらをやってみたいな〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
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投稿者:55555 - この投稿者のレビュー一覧を見る
早世した小説家の梶井基次郎の全集。有名な「檸檬」や、「城のある町にて」や習作や遺構が含まれている。厚くて読み応えがある。
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『Kの昇天』―Kという青年が海で溺死したと手紙で知らされた語り手は、手紙の差出人に彼の死の謎について語ります...
ソログープの『光と影』と共通するものがあるみたいなことを書かれていたのを見たのがこれを読むきっかけになったと思う。どちらも美しい話です。シーンと静まり返って時間が止まったようなひんやりした夜中に読むと素敵だと思います。
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『檸檬』
高校の授業でやったけど読み直してみた。
この作品の文章、なぜか頭の中に残ります。
『闇の絵巻』
・・・病んでる。笑
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好きすぎて何にもいえない。梶井の潔癖ともいえる清廉さは、まわりまわってエロッチクといえてしまいます。
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高校の時に一度読んで、結構印象に残っていたので、最近また読み返してみました。一つの檸檬から美の追求へと発展してゆくところがすごい。
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心に残る言葉や、情景を描写する力。ビビッドな色合いが浮かんできます。こんな力を持った人が今も居るだろうか。
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「檸檬」は国語の教科書にも載っていました。
文字数の少ない文章からは
インパクトの強さと新しい風を感じます。
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前に三巻本の全集が出る作家は好きと書いたが(中島敦)、一巻本の出る作家もいい感じ。
一家に一冊置いておきたい本。
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音楽会の最中の静けさに孤独を思う「器楽的幻覚」
猫の耳を切符切りでぱちんとしたい、猫の爪を切ってしまいたい、
そう想像しながら猫の前足を瞼に乗せる「愛撫」
桜の神秘的なほどの美しさの理由を見出す「桜の樹の下には」
影の中に別の人格を見ていたK君が溺死した「Kの昇天」
崖の上から期待を持って開いた窓を見つめる「ある崖の上の感情」
新任の先生につけたあだ名が勝手に広まるのを恐れ出す「大蒜」
なかなか帰ってこない小学生の弟2人を嫌々探しに行く「夕凪橋の狸」
土手の上から眺めた雲の恐怖を覚える「蒼穹」
ほか全27編に梶井の手紙を加えた全集。
装丁:安野光雅
本人も病を患っているからか病気の人物が多く、
彼らが見る世界の美しさやそこに感じる畏れが描かれています。
あまりにも有名な「檸檬」は色彩が本当に鮮やか。
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きれーな心の人。わからない方がいいことだってきっとある。頭のいい中学生の書いたものを読んでいるような、ププッと済ませたい夢見がちな作風。このテイストで子どもが迫ってきたら、大概のものは買ってあげるでしょう(笑)。
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この「ちくま文庫」が個人全集刊行を始めた、わりあい早い時期のものだったはず。「全集全1巻」なら、私も「梶井、読んだよ」なんて言えるなあ、と、そういう浅はかな思いが過ったことを告白します。檸檬と丸善があまりにも有名で、だからなんとなく知ったような気になっていた夭折の梶井基次郎、習作や遺稿や解説も含めたものを文庫で手にすることができるなんて、と欣喜したことも憶えています。ちょうどそのころ、梶井基次郎を偏愛していて「あんた、檸檬以外を知らないの?」と言う先輩がいたので、ともかくも、との意地もあって手に入れたフシもあり。ただしそれだけではなくて、「断片の迫力」に気圧されたことは鮮明です。断片だから、「……」から唐突に始まっているものあり、「、……(欠)」で終わっているものあり。「夭折」に関して、不可抗力であれなんであれ、「そーゆーことなんだなー」と、通り一遍の感慨しか持ち得なかった当時の私が、これで打ちのめされたのでした。優劣とか是非を云々するのではなく、「全集全1巻」の、その重さ。
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表題が 有名ですが、他の編も秀逸。
屈折した文士たちの 時代を 読み解く気分。
今の時代でも キラキラ光る 硝子の破片のよう。