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紙の本
(記憶の中の)直子の美しさ
2008/06/10 22:02
3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:けんいち - この投稿者のレビュー一覧を見る
甘美な小説というのがあるのだとしたら、『ノルウェイの森』はまずその筆頭にあがる現代小説といってよいだろう。もちろんそこには、実に多くの困難な課題が描かれ、すべての登場人物がそれぞれの影を背負ったまま幕の下りる小説ではあるに違いない。それでも、それらは、実に多くの登場人物が死に、あるいは過去のそれとして距離(時間的な隔たり)がつくられることによって、ロマンチシズムを生成していく。しかもそれが、屈折した恋愛をメイン・モチーフとしているならば、なおさらのことである。
中でも特筆すべきは、直子の美しさではないだろうか。それは、描かれた作中の直子、月光を浴びた直子の裸の身体の美しさであると同時に、記憶、それも夢のような記憶として描かれたその表現の仕掛け自体が、この美しさをたたえているように思われる。それは、端的に、現実という保証すらなく、そのことで夢幻の空間にただよう、絶対的な「美」なのだ。それだけでも、『ノルウェイの森』の文学的価値は保証されようし、彼女を軸として恋愛模様が描かれている以上、この美しさは現代女性文学、最大の見せ場の1つといっても過言ではないのだろう。
紙の本
似た関係。
2002/09/12 23:42
1人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:神月 - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻を読んでいた時は、こんな結末になるとはあまり思えなかった。
ワタナベと直子の関係は、私とある人の関係にも似ていて必要以上に共感してしまった。
相手を想いながらもそれが痛みであり、どうにかしたくともどうにもならない狂気に支配される。
哀しい人間の人生が其処にはあふれるほど描かれていた。
最後の方をみたときは、自然に涙が出てきて止まらなかった。
暗いようではある話だが、根本に流れるものはあたたかい。
若い時に一度読んでおくべき本だろう。
紙の本
この本を読み終えた時、しばらく何もする気になれなかった。
2002/04/28 00:19
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:クーパー - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本を読み終えた時、しばらく何もする気になれなかった。
喪失感と言うか、寂寥感と言うかとにかく行くとこに行き着いた、そんな感じだった。
作者の「あとがき」まで読み終えもう一度上巻の1章を読み始めると初め読んだ時には分からなかったものが見えてくる。
そして、この再読の1章を読み終えたことで完結した。全てが繋がった。
僕はこういう本が好きなのだと初めて知った。
紙の本
青春の影
2002/01/06 01:38
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投稿者:ユカリ - この投稿者のレビュー一覧を見る
死の女と生の女。自殺した彼が忘れられずに愛していないのに付き合う、精神のバランスをくずした女と、強烈に愛情を求め近づいてくる女。どちらも実際にいたら、うざいことこの上ないとおもうのだが、主人公はふたりをそれぞれに愛している。しかし、一人を選ばなくてはならない、彼の良心が許さないから。
ある意味まっすぐで、その為傷ついて、青臭さに吐き気がする。思い当たるふしがあるから。そして、その空気があまりにも生々しいから。
紙の本
恋愛と感情のアンバランス
2001/03/07 09:06
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投稿者:にむまむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
幻想的な世界観の中で登場人物はいきいきと動く読んでいくと揺れ動く心のアンバランスが絶妙なのだが、ちょっと長い作品になった為か下巻文体に元気がなくなっている。著者の言葉の使い方や文章の作りや組み立てのうまさで引っ張られているのですが、微妙な感覚を持続して不安定な心理状態を共有していく楽しみはあるとおもう。なんとなく読んでしまうが、あれだけベストセラーとして発売当時は評価されたが今読み直してみると…。