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エビの種類やエビ業者の話など、その情報量の多さに感心した。著者は上智大教授であり、ジャーナリストではない。このあくなき好奇心と取材力は評価に値する。著者が述べる通り、エビは日本人にとって重要なモノになりつつある。なぜなら、輸入量世界1位であり、またエビが輸入占める割合が1位である(った)からだ。また、私たち日本人にとってシーフードという言葉から想起される魚介類は、エビであることが多いのではないだろうか。エビの種類などから、エビ産業についての分析まで、この本の射程は広い一方で、著者が上智大の外国語専門であることも重なり、その分析はやや浅いものであることは否めない。例えば、「日本人がエビを輸入することは現地にとって、損にはならない」という商社マンの言葉に対して、慎重な態度をとっていたり、エビ産業における搾取を国内政治の問題あるいはグローバル経済の問題と捉えたりしているが、分析上の物足りなさを感じる。ただ、一介のジャーナリストでもこれほどの情報を調べることが珍しいという意味でも、またエビの問題を考えるきっかけになりえるという意味で、この本は優れている。先程の商社マンの言葉を見て、城山三郎の小説にあった「一流の商社マンは法を破る」という言葉を思い出した。
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買った本。
日本人がエビを大量に輸入することで、世界にどんな影響を与えるかが描かれている本。
エビの乱獲によって海の環境が破壊され、エビの養殖のためにマングローブの森が伐採され、輸送のためのタンカーでは大量の石油が使用される。
エビ産業に従事する人々の収入格差は一段と大きくなるが、またそれによって糧を得ているのも事実。
『バナナと日本人』とともに、フェアトレードについて考える上での必読書。
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目次(抜粋):
プロローグ
1 エビを獲る人びと ――トロール漁の現場――
2 エビという生き物 ――生態・種類・獲られ方――
3 エビを育てる人びと ――養殖をインドネシア・台湾に見る――
4 エビを加工する人びと ――調味料づくり・殻剥き・箱詰め――
5 エビを売る人、食べる人 ――この四半世紀に何が起きたか?――
エピローグ
あとがき
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エビ・日本人
=で結んでも問題ないほど強い絆で結ばれる両者を切り取って一冊にした視点が面白いと、思わず手に取り読む。
う~ん、なるほどっ!合点がいくとこや気づきはあったので面白くて読み進むも、
はてメインメッセージは?
も少し強い著者の主張を感じたかったなぁと思う。
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これを読む前に「バナナと日本人」が先ですが、この本を先に呼んだので紹介。
エビの本ですがエビの本ではありません。
1970年代から資本主義によるグローバルな経済が行われていたと実感できます。
エビを獲る人々
エビという生き物
エビを育てる人々
エビを加工する人々
エビを売る人、食べる人
1970年代からエビに関わるビジネスは、台湾、中国、東南アジア全域を含んだグローバルなビジネスになっています。
エビという商品一つとっても、これだけの国と、エビを商品として届けるまでにどれだけ多くの人が関わっているのか、読むことで理解できます。
予想以上のスケールの大きさに圧倒されます。
資本主義の露骨な貧富の差や、欧米の容赦ないアグリビジネスのやり方なども見たいならば、「バナナと日本人」がよいと思います。
大学1・2年生の間に読むべき本だと思います。
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もともと輸入されているのエビの現状が
とてつもなく悲しいものであるというのは
知ってはいました。
この本に書いてあるのはやはり
想像通りの内容でした。
いろいろと考えさせられるのは
むやみな食というものが
自分たちの首を絞めてしまうということ。
そしてその後に思い知らされるということ。
結局エビ好きは
踊らされている、ということなのかもしれません。
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今更だが読了(高校の課題図書だった記憶…20年前か)。エビ、関わる人々に思いを馳せて食べよう…。身近な一つの食材の背景を探ることで、社会や世界のつながりを知る、というのって、当時新しいフィールドワークの手法だったのかな。
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1988年刊行。著者は上智大学外国語学部教授。現代日本で大衆食と化した海老を定点とし、第三世界と日本との関係性を問う著。鶴見良行著「バナナと日本人」の続編的位置づけ。という意味で、主題・内容は予想される範疇を超えるものではない。また、環境問題、特に生態系破壊という問題意識が希薄なのは刊行年次によるものか。ただ、海老の国内販売の中核が冷凍・加工食品である点で、他の水産物や農産物と流通の在り様が違うのは、全然異質の問題意識として興味を引く(日本の食品卸の問題点という意味)。
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エビを介して見える日本の経済と、途上国との関連性。途上国でのエビ漁が現地の人に嫌われていることもあれば、それが逆に現住民の職にもつながっている。そこで、エビの養殖が全ての事象に良いものだろうと思いきや、エビを養殖することで、エビの単価が下がり、途上国での漁での採算が取れなくなり、結果的に失業者が出る。など、予想もしないことが書かれてる。かなりショックを受けた。
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バナナと日本人のエビ版。バナナが巨大バナナ企業4社により生産から販売まで行われているのに対し、エビは、多種多彩な業者により捕獲(養殖)から販売まで行われている。エビの種類から漁や冷凍作業の様子、生産・輸入の推移、問題点まで、細部にわたりわかりやすく説明されており、充実した内容であった。
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農学部図書館の学生アルバイトの方に、おススメの電子ブックを推薦いただきました。
☆推薦コメント☆
本書は社会経済学者の村井吉敬によって書かれたものです。日本において我々は日頃お寿司やお刺身、カップ麺に至るまでエビをよく食べます。
ところでこれらのエビがどこで生産され、どういう経緯で目の前の食卓に並ぶのかご存じでしょうか。本書では、日本に出荷されるエビの生産加工輸出の流れに注目し、取り上げています。一見すると狭い話題のように思えますが、実際に読んでみると、エビという一つの食材の裏では様々な国で大きな社会の流れと数々の問題が起きていることがわかります。
きっとほかの食材や物の消費についても思わず考えたくなるような一冊だと思います。ぜひこの機会にエビから経済を覗いてみてはいかがでしょうか。
☆信州大学附属図書館の所蔵はこちらです(電子ブックで利用できます)☆
https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/NB00164910
※学外から利用する際は、こちら↓のリモートアクセスをご利用ください
https://www.shinshu-u.ac.jp/institution/library/find/r-access.html
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食卓に並ぶエビの商流、その現場確認、データ分析を行なった本。続編もあるのでいずれ読んでみたい。古い本も当時の状況を知ることに役に立つので、たまに読むと面白いです。
日本人も30-40年前は海外他国の漁場を荒らしていたんだなーということを認識しました。
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「オンラインブックトーク紹介図書2021」
▼配架・貸出状況
https://opac.nittai.ac.jp/carinopaclink.htm?OAL=SB00540797
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この本は読まれてほしいと思った。日本の暮らしを研究してきて、戦後の上書きは日本の暮らしを難しくしたと感じる。(それだけじゃないけど)
ファストファッション問題やスローフード運動はそれ以前から日本がやっていたんだなあと。
長くなるので今回はここまで。