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タイトルからして「”超”男性」です。男らしいにも程があります!猛スピードで走る機関車と4人こぎ(3人だったかな?)自転車のレース!1人くらい死んでも関係なし!こぎ続けろ!このストレートさ!そして”超”ロマンティックな結末!男前過ぎます!あ、気をつけて頂きたいのは、「超男性」の「超」。これは「超イケてる〜」等の「超」ではなく、「超人」の「超」です。本作の著者、ジャリと生前近しかった人物による評伝「超男性・ジャリ」もおすすめです。
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ジャリおじさんですよ。当時のダダじゃないわ、シュルレアリスムの系譜でうんたらかんたら。まぁまぁ面白い読物です。特にどんな感じってないなぁ。読んで損は無いです。
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[ 内容 ]
1902年に出現した小説『超男性』は、風変りな性交ゲームと自転車のスピード競技の描写を通して、人間の機械との闘い、愛の真実と無限のエネルギーへの憧憬を盛り込んだ「新しい神話」を構成し、小説というより詩的幻想の書、現代文明への予言の書ともいえよう。
[ 目次 ]
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
共感度(空振り三振・一部・参った!)
読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
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20世紀初頭にこんなポップな小説が書かれていたとは。機関車VS自転車五人組の世紀のレースも、インド人VS処女の世紀の対決も、なんじゃこりゃというよりはこれこそがシュールリアリズムなのねと驚嘆するのみ。すごい!
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白水uブックスのシュルレアリスム系ラインナップに
軽くかぶれていた頃、勢いで買って読んだ一冊。
肉体の限界に挑む様々な競技(!)に参加して男っぷりを上げ、
一般男性のレベルを超えた
「超・男性(Le Surma^le)」になろうとするアンドレの、
ユーモラスでナンセンスな物語……でも、
ラストが意外にしんみりしていてビックリ。
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かういふ作品があるから、わたくしは仏文学を専攻したのだと言へるでせう。少なくとも日本では誕生し得なかつた小説ではありますまいか。
まあ人によつては、「こんなのが日本の作品でなくて良かつた」とつぶやく御仁もゐらつしやるかもしれませんが。
アブサン、自転車、拳銃を愛好した奇行奇言の人であるアルフレッド・ジャリの、戯曲『ユビュ王』と並び称される代表作(と思ふが)『超男性』であります。
アンドレ・マルクイユの発した一言「恋愛なんて取るに足らない行為ですよ。際限なく繰り返すことができるんですからね」を発端に、物語は動き始めます。
その言葉を証明するために、彼はインド人に扮し、多くの証人の前で驚嘆の行為に及ぶのであります。さて、その記録とは...
同時に、なぜか自転車で汽車のスピードに挑むイヴェントもあり(一万マイル競走)、結果五人乗り自転車は汽車に勝利します。自転車好きのジャリらしい話ですね。読んでゐるうちに気分が高揚してくるのはわたくしだけでせうか。
そして超男性・アンドレ・マルクイユは「愛を催させる機械」に愛され、最後は...といふ結末。
性愛行為とスポーツを同一視し、機械と人間の対立を予言した小説、とも呼ばれてゐますが、理屈はともかく読んでみることをお勧めするものであります。
先達ての『城の中のイギリス人』よりは一般に受け入れられると思ひますが、どうでせうね。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-128.html
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男性性とは運動or生産であり、それを絶え間なく続けられる存在は「超男性」になる。主人公はその「超男性」となり、彼と同じく休まず動き続ける人間ではない存在(機械)との親和を深めていく。しかし、機械(レコード再生機)は人間の女性に恋に落ち、人間のような存在へと変わってしまう。
物事は動き続け、人間は機械に、機械は人間に変化していく。
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なんの話(笑)って感じの内容なんですが、ユーモア? なのかな。超絶倫人が出てきて色々やる話。シュルレアリスムといわれるともう少し哲学的な印象があったり。言い回しもよくわからないところがあったり。全体的にはぶっ飛んだ内容なんだけど語り部は普通に変なことを語る感じ。変なの(笑)というのが、率直な感想。
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高度に人間の言語を使えるようになった宇宙人が書いたらこんな感じになるのかな?ってかんじの小説。ジャリはそもそも宇宙人では、という点については反論できない。
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「恋愛なんて取るに足らない行為なんですよ。際限なく繰り返すことができるんですからね」という有名なセリフから始まるナルシストにして陽気で逆説的な男ジャリそのもののような小説。19世紀末フランスシュールレアリスムの代表作のひとつであり、更に澁澤龍彦の名訳。ジャリは自意識過剰の男で、読んでて腹が立ってくるのだが、後をひく。
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「あなたは誰です、人間ですか」、壮絶な自転車レースと性交ゲームの果てに「超男性」を待ち受けるものとは。性交ゲームなんて淫らな小説かと思うが、単純なポルノグラフィティではなく、難解なSF?だ。奇書と呼ぶ人もいる。その世界観は、読み難さ、澁澤龍彦の訳と絡み合って独特の雰囲気を醸す。早飲みするような読書では味が滲み出ない。ゆっくり咀嚼して飲み込まないと訳が分からない。
「シュルレアリスム」は日本語では「超現実主義」と訳され「意識と無意識の混ざった状態」つまり「夢と現実の混ざった状態」という意味のようだ。ダリの溶けかけの時計のような絵画のイメージだが、ビジュアルアートと共に文学の世界でも表現される。しかし、この表現は、音楽ではあまり聞かない。現実を下地に非現実を表すような境目が無いからかも知れない。
そうすると、小説など極端に言えば、日常的な言葉世界に奇抜な価値観を混ぜるのはお家芸であり、一部を歪ませたり、仮想世界、思考実験のような世界を描きやすい。AIが作る画像や文章のハルシネーションが近いかもしれない。このハルシネーションを理解しようとしても難しいのではないだろうか。理解するのではなく、錯視を味わうものとして楽しむというのが良さそうだ。