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紙の本

一匹だけ違うということ

2010/05/03 22:48

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:wildcat - この投稿者のレビュー一覧を見る

乗換駅で立ち寄った本屋で、ある本を探していたのだが、
どうしても見つからない。

残念ながら、以前来た時よりも絵本のスペースが狭くなっている。

個性的な大人好みの絵本があるので、
ここにはまた来るとは思うのだけど。

絵本は、図書館では、文を書いた人の五十音順か
絵を描いた人の五十音順で置かれている。

が、図書館も昔はそういうところがあったかもしれないが、
本屋でスペースのないところに
本を置こうとするときに使われるのが、
出版社別に並べる方法である。

こうすると、確かに本の大きさが同じになって、
場所の節約にはなる。

著者名、書名で探そうとすると探しづらいのだけどね。

だが、本書は、実は、狭いところに
出版社別に並んでいたから見つかった本、である。

縁があったのかな。

目的の本が見つからないところに、
ふと目についたのが、セーラー出版の文字。

自動的にねこを検索してしまう私は
すでに持っているにもかかわらず、
『ねこのせんちょう』をすぐに見つけてしまう。

この瞬間、検索語がねこになってしまった!

探していたのは、今回は、ねこ本ではなかったのに!

頭の中はもう他にもねこはいるかしらになってしまった。

こうして目が合ってしまったのが本書なのである。

くろねこのかぞく?

表紙には、りっぱな毛並みのくろねこの後姿。

そのくろねこが手をつないでいるのもまたくろねこで、
こちらを振り向き、まんまるの黄色い瞳を見開きこちらを見ている。

裏表紙に続いている絵を見てみると、くろくろくろくろ・・・。

四匹のくろいこねこが続いてぞろぞろと歩いてくる。

見返しを見ると、また、くろくろくろくろ・・・。

えーっと掛け算掛け算。

7×10=70匹のくろねこの絵。

裏の見返しも同じだから、140匹のくろねこがいる。

中表紙は、表紙にいたくろねこのかぞくがいる。

とうさん、かあさん、こねこが四匹。

行進しているようだ。

出している足まで一緒なんだから。

ここは「まっくろがおかの きれいな家」。

くろねこの夫婦がすんでいた。

夫はカシミールといい、妻はカロリーナ。

部屋の壁には、ふたりのご先祖様の写真が飾ってある。

みーんなくろねこだ。

真っ黒な毛並みで有名なたいそう立派な家柄だったのだ。

二人はもうすぐ生まれるこどもたちをとても楽しみにしていた。

待ちに待った日、四匹の石炭のようにまっくろなこねこを見た
カシミールさんは大喜び。

ところが、カロリーナおくさんは、うかない顔。

実は、こねこはもう一匹いたのだ。

それはなんと「あかねこ」だったのだ。

ご先祖様の写真たちまで顔を出して見ちゃうほどのびっくり!

カシミールさんは、さっきの喜びようとはうってかわって大泣き。

さて、一匹だけ毛色が違うねこということで、
最近読んだ2つの作品を想起した。

1つは、『しろねこしろちゃん』。

まっくろなお母さんねこから、まっくろなこねこが3匹と、
まっしろなこねこが1匹生まれた。

しろちゃんは、一匹だけ違うことに思い悩み、
一生懸命くろくなろうとしていたしろねこだった。

もう1つは、ソング絵本『わたしはあかねこ』。

母さんはしろねこで、父さんはくろねこで、
兄弟も、しろ、くろ、とら、ぶちとよくいるねこ柄で生まれたのに、
一匹だけあかねこが誕生した。

あかねこは、自分があかねこであることを気に入っているねこだった。

一人だけはっきりと周りと違うと、
自分は周りと違うということを強烈に意識せざるを得ない。

そして、しろちゃんのような反応になるか
あかねこのような反応になるかどちらかになるだろう。

そして、色がもつイメージなんだろうか、不思議な一致なのだが、
本書のあかねこ・ロザリンドも、
『わたしはあかねこ』の「あかねこ」と同じ道を選ぶ。

一匹だけ違う行動を取りたがるのだ。

何もかも自分のやり方を貫き、
散歩にいくときも列の一番後ろから少し遅れて歩くのである。

表紙や中表紙に、ロザリンドの姿がなかったのは、
「秘密」を表紙でわからないようにするというのもあったが、
実際、ロザリンドは家族から離れて歩いていたのだろう。

とにかく、ロザリンドは、型破りなことばかりしていたため、
カシミールさんの家には近所のくろねこたちが来なくなってしまった。

カシミールさんは、自慢の毛並みに
なんと白髪が混じるようになってしまった。

そして、ある日、ロザリンドは、決意する。

  「ママ、わたし 家をでるわ。
   じぶんのじんせいは じぶんで きめたいの」

その後のロザリンドのねこ生は?

そして、カシミールさんは?

ひとひねりある展開がおもしろい。

同じこと、違うことは、ちょっぴり皮肉で、
そして、親子は確かにつながっているのだ。

そして、ロザリンドがいたことは、
こねこがくろねこばっかりだったよりも、カシミールさんを
ずーっとずっと幸せに、豊かにしたに違いない、と思うのだ。

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