紙の本
ノーベル賞を取ったつもりになれる本
2001/04/12 23:11
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投稿者:おかだK - この投稿者のレビュー一覧を見る
立花隆によるノーベル賞を受賞した利根川さんへのインタビュー本であるが,適切な解説がついており,ノーベル賞の研究とはどういうものか?が分かりやすく解説されている。本書を読めばだれもが利根川さんがノーベル賞を取るまでの歩みを振り返ることができ,読んだ後はノーベル賞を取ったつもりになれるハズだ。
利根川さんの研究の進展は20世紀の分子生物学の歩みであり,それは21世紀の科学と呼ばれるゲノム,ブレイン研究の基礎であることがよくわかる。実際に利根川さんの研究の後をうけて,数多くの大学で分子生物学部が設立されている。ノーベル賞級の研究とは,あたらしい分野を切り開いてく力があるのだ。
最終章は人間の精神は物質に還元されるのか?利根川さんは肯定派,立花さんは否定は派となって議論を展開している。全ての精神活動は物質的に理解できるという議論は,感覚的に違和感を感じてしまうが,利根川さんのこれまでの研究を読み進めてくると説得されてくる。
現在はMITのブレイン研究のリーダである利根川さんの最近の研究成果について同様の本が出るとうれしい。
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ノーベル賞を受賞した利根川進と立花隆の対談。利根川いわくノーベル賞のような大発見には運も必要という言葉、確かに同じようなことを世界中で研究する人々の中で偶然ひらめいたり、実験がうまくいったりするのは努力や才能だけでは決して満足いく結果まで行き着かないだろう。
利根川氏が京大に入学してからどういう道程を経て分子生物学を研究するようになったのか、時系列かつインタビュー形式の本文なので、彼自身が分子生物学にどんどん興味を持っていく過程を通して一読者でも分子生物学を少しずつ理解できるような内容になっている。
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20世紀後半になって分子生物学は飛躍的な発展をとげ、いずれは生命現象のすべてが物質レベルで説明がつくようになるだろうとの予測すらある。その中で100年に1度という利根川進のノーベル小論文はどのような意味をもつのか。立花隆が20時間に及ぶ徹底インタビューで、私たちを興趣あふれる最先端生命科学の世界にいざなう。(文庫本引用)(1993)
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ノーベル賞。誰もが知っている権威ある賞。しかしその偉業は実際どれほど‘すごい’ことなのでしょうか?
何がそんなに評価されたのか、専門的知識がないとなかなか理解しにくいものだと思います。本書ではノーベル医学生理学賞受賞対象となった利根川進氏の研究内容を立花隆氏との対談という形をとり高校生物入門レベルで分かるように詳述しています。
表題である精神と物質にまつわる哲学的論考・主張は最後の数ページで触れられているのみですが、研究内容に加え、利根川氏が歩んできた研究者人生、研究観、またこの数十年以内に起こった分子生物学の進歩について、立花氏が鋭く質問しながら、振り返っていきます。
生物学のバックグラウンドのある人ならば、教科書でおなじみの人々が活躍していた時代を感じることができますし、専門外の方であっても利根川進という研究者の楽観的に、だけれども信念を持って研究に向き合う姿勢に何か感ずるものがあるかもしれません。色んな意味で‘納得’する一冊であるとお勧めします。
(2012ラーニング・アドバイザー/生命MATSUMOTO)
▼筑波大学附属図書館の所蔵情報はこちら
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/mylimedio/search/book.do?target=local&bibid=1304132&lang=ja&charset=utf8
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