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はっきりとした答えは用意されていない。
もしかして…という考えが先に起こり、ああやっぱりという結末がある。でも、その結論は自分が用意していたものと同じだから「ああ、やっぱり」なのであって、予想外だと驚きの声になる。そんな阿刀田ワールド。
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なぜ借りたのか記憶にないアンソロジー
「茜色の空」はラストが決まるシャープな作品。淡々と進むが怖いエンディングだ。
「夜の散歩人」は JC はいいんだが、オチがわからない。読み返すほどでもないから放置。
「涼しい眼」はオカルトかなぁ。好きではないな。
「法則のある死体たち」も平凡かなぁ。いいオチなんだが、まわりくどいかな。
「戻り道」は意味不明。わかりにくいから、好きではないな。
「女に向かない仕事」は既読かな。古い作品の気がする。
「窓の灯」はなかなかの作品。奥が深いというか、味わい深い。前述の『死体』に近いが、こっちのほうが実態感があって良い。
「越前みやげ」はワクワクする男女物語の様相から、一気に殺人物語に。この展開がなかなかいい感じ。
「蛇」は平凡でおもしろくない。
ラストの「危険な童話」も同様にイマイチ。
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短編集。なぜか男女の性愛がからむ話が多いが、いやらしさはなかった。どれも現実と主人公の想像(妄想?)の境があいまいになってる部分があって、混乱…はしないけど、はっきりしない話がニガテな人には向かない作品集かも。
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うーん、イヤミスなタイプだった。
犯罪が起こる予感を想起させる
におわせエンドが多くて…。
昭和の頃の人間の欲のようなものが
なんとなく思い出される10の短編でした。
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私にとって、阿刀田高と言えば、「旧約聖書を知っていますか」「コーランを知っていますか」などのシリーズの著者である。ユーモアたっぷりな書き口が好きで上記のシリーズは愛読していたが、そういえばこの人の本業は小説家だったな……と思い起こして購入。
ラストの結末に向けて隅々まで計算が行き届いた構成、過不足ない端正な文章。ユーモアたっぷりのエッセイ集とは全く別の顔を見られた。
惜しむらくは、昭和の香りを濃厚に漂わせる登場人物たち。彼らの思考は令和の時代からすると古臭く感じられる。時代を超える作品、という評価は難しい。
個人的に気に入った作品は、一作目の茜色の空。同窓会で再会した男二人が幼い日の美しい約束の時を思い返す。結末の手のひら返しにしてやられたと思う一方、さもありなんと妙に得心もいくラスト。