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まず城山三郎はやはり文章がうまい。軽快なリズムで読者をどんどん本の世界へ引き込んでいく。
元国鉄総裁、石田礼助の業績を辿ったノンフィクション。仕事というものに、世間といものに、このように接していきたいなぁと感じさせる作品でした。
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三井物産に務めた後、78歳で財界人として初めて国鉄総裁となった石田禮助の生涯をたどったノンフィクション作品です。
欧米仕込みの合理主義と、あまりにも人間的魅力を感じさせる国会答弁には尽きない興味を覚えます。とはいえ、現在ではこんな答弁は許されないだろうな、と思ってしまいます。
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藤沢武夫『経営に終わりはない』とかと、同じ匂いがする書。タイトルはかっこええけど、そんなにハマらんかった。長きに渡る海外生活から、reasonableか否か、という価値判断の軸があった事が、石田禮助氏を好男子たら占めているのだと思う。
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「粗にして野だが、卑ではない」
三井物産で業績を残し、引退後に財界人として初めて国鉄総裁を務めた石田禮助。飾らずに、信念を持って堂々と生きる姿に感服する。重厚な人生をスラスラと読ませる筆者の描き方も見事。
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ジャンルとしては経済小説か伝記。
かつての国鉄総裁石田禮助の物語。人柄はイメージしやすいが、短い小説のため一つ一つの出来事をじっくり楽しむ書き方ではない。
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10/26
『粗にして野だが卑ではない』颯爽とした人生を生きた一人の財界人の物語。
ヤングソルジャー、体力と規律正しい生活。
パブリックサービスにかけた思い『野心も私心もない、あるのは素心だけ』
若い頃
直言。
エイブルマンを好み、うまく使う。人をよくみて、決めた以上は揺るがない決断、曖昧さをきらう。
直言をし、それが許される人間性
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タイトルから中味を期待したのと、kindleに手頃な小説が見つからず、購入。期待ほどの中身ではなかった。
確かに人物だし、魅力的なのだ、書きっぷりが余りに平坦。ビジネス書なのか娯楽なのか、はさ伝記なのか小説なのか、定めかねているうちに読了。
ブクログで帯を見て、驚愕。日本人に遺された城山文学の最高峰なのか、これが!
無責任なコピーライターだ。
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石田禮助(礼助)、明治生まれ。
三井物産社長を経て55歳で退任した後、交易営団総裁等の職を経験し、70歳で第5代国鉄総裁となる。
彼の残した言葉やエピソード、
・「年間50億人という人命を預かる職は、金をもらってやるべきではない。公職は奉仕すべきもの、したがって総裁報酬は返上する。」
・「俺はマンキー(山猿)だよ。マンキーが勲章さげた姿見られるか。見られやせんよ、キミ。」と言って勲一等叙勲を辞退。etc.
からみられるように、「野心も私心もない。あるのは素心だけ。」という、まっすぐな生き方をし、相手が政治家であろうと誰であろうとずばずばとものを言い、怖い人という印象を与えながらも、彼を知るすべての人から愛されていた。
…という彼の人となりについて書かれた本だが、彼の残した功績についてはあまりよくわからない。
「絵になる人生を歩んだ人が、いま(青函)連絡船という絵になって、海を走っていた。」と結んでいるので、最新型の青函連絡船を作った人なんでしょうね。
もう今やその連絡船も過去のものとなってしまいましたが。
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ベストセラーになったってことだし、何かの本にも薦められてたから読んでみた。官僚たちの夏のほうが好きだし、石田礼助は業績はすごいけど人間がそんなに好かなかった。
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主人公である石田禮助は、東京商科大学(現一橋大学)のボート部の出身であった旨、記載あり親近感を覚える。
三井物産出身で、当時の国鉄の総裁に就任した際の出来事について。内容としては話が出来すぎ、美化されすぎてる感が否めず、実際の人物像がどうであった今更知る由もないが、人を本当の意味で動かすものは、地位や権力ではなく、やはり人であろうと思う。
そういう意味で、あの人やあの人、あの人にも是非読んでいただきたい…。
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タイトルのフレーズは非常に心地よい。同じ田舎者として、尊敬すべき人だ。流石に伝記の達人城山氏、人柄が目に浮かぶように伝わってくる。
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第五代国鉄総裁石田氏の生涯を辿るドキュメント。
パブリックなものに奉仕する姿勢、使命感には強く共感し、自分もそうありたいと強く思う。卑なることを嫌い、生き方に筋が通っていると感じる。
その一方で株で大損したり、孫を溺愛したりといった面もあり、その人柄も素晴らしいと思った。
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やはり城山三郎は小説よりもこのような伝記物の方が面白い。石田礼助という人を初めて知ったが、まさに「卑ではない」生き方に心酔する。三井物産時代の石田を上司には持ちたくないが、国鉄総裁時代の石田のような人に上司になってもらいたい。ただ、親にはしたくない。「パブリック・サービス」の精神は見習わなくては。
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新聞で座右の書だと書かれている記事を読んで、すぐに購入。
こんな方がいらしたのですね。
正々堂々と働き、正々堂々と生きる。
清々しい生き方。
私欲にとらわれず、パブリックに働く。
目指すべき姿。
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戦前戦後の激動の時代において三井物産社長を務め国鉄総裁へを転身した石田禮助の伝記である。著者は経済小説の大家、城山三郎氏による。有名な「粗にして野だが卑ではない」と代議士に対して放った言葉。
渋沢栄一や瀬島龍三など明治生まれの財界人は豪傑が多い。石田禮助もそのうちの一人である。侠気ゆえに激昂の人である。そして飾らぬ物言いと茶目っ気で以って愛嬌もある。
本作品は主に石田の人格や人柄に焦点を当てている。連絡手段も未熟だった当時(大正~昭和初期)、商社の海外支店の裁量は厖大であったであろう。相場を張り実績をあげる生き生きとした石田の姿が描かれる。そのままの個性で国鉄総裁となり才気を発揮する、まさに昭和の豪傑でありエイブルマンであった。