紙の本
そんな人もいる
2019/07/04 13:00
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投稿者:井沢ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦前の三井物産の社長、戦後の国鉄総裁だった石田禮助の半生記。著者と同じ一橋大学の前身を卒業。そのせいもあるのかOBの活躍に注目したのかもしれない。戦前戦後と激動の時代に活躍した人で、特に国鉄総裁の時に国鉄の内部改革に着手し活躍したという内容。一時、GHQから公職追放を受けたものの、乞われて国鉄総裁になり無給で改革を断行したということが周りから評価された。さらに質素倹約、質実剛健をポリシーとして自ら実践した有徳の人として描かれている。また、政府からの叙位叙勲を断った稀有の人ということで、出世すると部下に手を回せてさらに上の叙位叙勲を獲得するという世の中にあっては珍しいと言わざるを得ない。一生懸命に働いて出世したが、それに満足せず、引退後は世のために尽くす社会貢献をして人生を全うした。人はパンのみを得るにあらず、という生き方ではあるが、パンを得るのにも一苦労している晩年を生きる身にとって、敬意は表するが、足元にも及ばない。微小ではあるが手本としたい。
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スタイルのある生き方が素敵だと思いました。この時代は分野を問わずそういう方が多いですよね。ご本人の著書の「いいたいほうだい」が気になってしまっているところ。
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三井物産社長、国鉄総裁と実業界を走り続けた石田礼助の物語。
疎にして野だが卑ではないという合理的な生き方にあこがれる。
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戦前の三井物産においてニューヨーク支店長や大連支店長を歴任、数年のブランクを経た後に第5代国鉄総裁を務めた石田禮助の生涯を伝記風に脚色した一冊。
西伊豆の漁村から世界に飛び出していった自称"Monkey"は、長い海外生活で「合理性」を重んじる哲学を胸に次々と事業を成功へと導く。
60代で"Public Service"に就くのがかねてからの目標だった彼に舞い込んできたのが、今まで碌な末路を辿った者が誰一人としていない「国鉄総裁職」。そんないわくつきのポジションであろうが、彼は「粗にして野だが卑ではない」マインドで数々の難局に挑む。
徹底的な合理主義を貫くも、時たま魅せる「武士の情け」に彼の人間性の深みを感じた。
模範的な「世界に伍するビジネスマン」の所以を垣間見たみたいだ。
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三井物産で35年勤め、輝かしい業績を残したのち、財界人として初の国鉄総裁となった、石田禮助氏の生涯を描いた長編。
石田氏の人生は、見事と言うほかない。
決して器用な人物ではないのだが、考え方、そして行動に一本筋が通っている。読書家で、キリスト教や仏教など、さまざまな宗教にも通じ、自らの観念・価値観を確立していったからだと思う。
その信念は、とにかくリーズナブル(合理的)であること、公私の明確な区別、そして、無償でパブリック・サーヴィスにつくこと。
国鉄総裁という誰もが嫌がる職(しかも彼は、あの「下山事件」の下山総裁のあとの総裁だった)について、自ら身を粉にして働いたのも、やはりこのパブリック・サーヴィスのためだったといえよう。
また、総裁になったのは高齢になってからのことだったが、彼は老人扱いされるのを嫌った。「ヤング・ソルジャー」でありたい―これが、石田氏を支配していた。自ら犠牲をいとわず、耐え抜く忍耐力。長身の背筋をまっすぐに伸ばして歩く姿。
三井物産の社長、そして国鉄総裁という、巨大組織のトップに君臨した巨星の人柄、そして人生は、見事なものでした。
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名言が多い本だと思います。
石田礼助さんという実在した人物を取り上げている分、力強く生きたいと拙に思わせてくれる本です。
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ヤングソルジャー、元国鉄総裁石田礼助の生涯。物産マンとして勤務後、国鉄に営利心を持って貰う為、奮闘した様子が描かれている。ダンディズムの精神で以って、自身がボスとして最後に責任を取る、という姿勢はノブレス・オブリージュの精神そのものだなと思った。お薦めの一冊。
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ヤングソルジャー・石田礼助氏の生涯。竹を割ったような性格で、自分のやる事に対しては責任を持つ。こういう生き方に憧れます。
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三井物産から国鉄総裁になった石田礼助の生涯を描いた小説。
三井物産当時のエピソードから、
当時の軍部と企業の関係が垣間見えるのは興味深い。
ただ、国鉄総裁時のエピソードが国会でのやりとりが
中心だったのが個人的にはやや物足りない感じ。
もう少し国鉄内部の様子とそれに対する対応などの
エピソードがあればもっとよかったかと思う。
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タイトルに惹かれて購入。
私は石田禮助と言う方を知らないのですが色々な意味で大変な方だったんだなあ~と思いました。
そして家族はそれに輪をかけて大変だったろうな、なんて思いました。
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明治の人は凄いな。というのが感想。
この生き様は真似できない。
明治であっても稀だから本になっているのだが。
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タイトルの通り生きるのは難しい、特に謙虚であり卑ではないのも難しい。大所高所でありながら、責任をとっていく生き様に憧れ、また仕えたいと思わせます。石坂さんは笑う場面が多かったが、今回は涙する場面が多い。。
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総裁の仕事としては、いやなこと、総裁でしかできないことだけをやり、決断はするが、実務は部下に任せる。弁解はしない。責任はとる。
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「物産に石田禮助あり」と言われ三井物産代表取締役、公益営団総裁、国鉄総裁を歴任した大財界人・石田禮助の半生が描かれている作品。
旧来の日本人の性格に欧米的合理主義が合わさったような石田の姿勢がかっこよすぎる。
自分がこんな男になるのは想像できないけれど、そうなるべく努力したい。そう思える本。
-my bookdarts-
「生来、粗にして野だが卑ではないつもり。ていねいな言葉を使おうと思っても、生まれつきでできない。無理に使うと、マンキーが裃を着たような、おかしなことになる。無礼なことがあれば、よろしくお許しねがいたい。」
道きが楽しみであって、その結果はカスみたいなものというが、楽しむためには条件がある。~中略~そして「賢明な投資」のためには、「しじゅう頭を使って天下の形勢を見てなきゃ」
「おれは、日本人としてはじめて外国で株で大儲けしたが、すぐになくなった。人は損したときのことを言わないが、損することの方が多いもんだ。」
総裁の実際の仕事としては、いやなこと、総裁でしかできないことだけをやり、決断はするが、実務はすべて磯崎以下に任せる。弁解はしない。責任はとる。
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三井物産~国鉄総裁、国会議員だろうが誰に対しても率直に意見を述べ回りをハラハラさせる場面も少なくない(石田礼助)。また、Going my wayで自分がいいと思ったことは家族にもゴリ押す部分もあるが、裏表が無く憎まれることは無く誰にも愛される人物。