人生観に変革をもたらす感動の書
2002/12/31 18:19
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:陸奥守 - この投稿者のレビュー一覧を見る
南北朝の動乱に生きた北畠顕家の人生を重厚に描いたかなりハードな作品です。父親房の国家観を具現すべく陸奥にくだり、親王を戴して忠実に国体の守護をはかろうと激しく格闘する青年武将顕家。感動無しには読むことのできない物語です。日本史上、かくも激しく生き抜いて散っていった男がいたのかと感動の涙が出てきます。人としてどう生きるか、男としてどう生きるか、この書は語りかけてくれます。北方ならではの「男の」描写です。私、この本を二冊ぼろぼろにしました。
人生観に触れる作品
2019/05/26 14:53
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投稿者:毘沙門天 - この投稿者のレビュー一覧を見る
北畠顕家という人物が存在した意味と理由について、筆者の感覚で力強く表現されています。描写された世界が、北方ワールドであることを知りつつも、リアリティの高い世界に映ってきます。自分が南北朝時代にタイムスリップして、顕家と同じ空気を吸っている錯覚に陥ることすらあります。国家とは、民とは、平和とは、義務とは、生きるとは、指導者とは、様々なテーマで思考を巡らせるきっかけを与えてくれる作品だと評価しています。顕家が命を賭して守ろうとした社会、足利尊氏が築こうとした社会、些細な価値観の相違から両者は対立し南北朝時代を駆け抜けました。しかし、両者ともに一秒たりとも無駄にしない真剣な人生を生き抜いたことは共通しています。作者からのこのメッセージに感動し、勇気づけられる作品だと思います。
歴史家では描き得ない顕家像
2018/07/19 16:29
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投稿者:K2 - この投稿者のレビュー一覧を見る
今年(2018)は北畠顕家生誕700年ということで、手にとった。柴田錬三郎賞を受賞しただけあって、なかなか深い内容。国のかたち、大義とは、男の生き方、などが描かれている。短期間のうちに2度までも長駆し得た顕家は、確かに非凡な人物であったろう。歴史家では描き得ない顕家像が造形されていて楽しめた。
南北朝物の代表作
2020/08/04 11:47
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「武王の門」と並んで北方謙三の南北朝物の代表作である。
ハードボイルド調の文体であるが登場人物が生き生きとしていて読みごたえがある。
ただし北方謙三の歴史物作品全般に言えることだが、主人公の性格 イメージが似通ってしまう。
この「破軍の星」の北畠顕家と「武王の門」の懐良親王の印象が重複してしまう。
南北朝物の代表作
2020/05/24 19:48
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
「武王の門」と並んで北方謙三の南北朝物の代表作である。
ハードボイルド調の文体であるが登場人物が生き生きとしていて読みごたえがある。
ただし北方謙三の歴史物作品全般に言えることだが、主人公の性格 イメージが似通ってしまう。
この「破軍の星」の北畠顕家と「武王の門」の懐良親王の印象が重複してしまう。
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公家でしかも年少の北畠顕家は、まさに蘭稜王のイメージそのまんま。美少年のイメージが強かったですが、本書ではなんとも男らしいです。
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「お待ちいたします。安家利通は、命の続くかぎり、北畠顕家様をお待ちいたします」人を星に例えるならば、北畠顕家はまさにそんな人だった。夢を託す、夢を見る、夢を追う・・・こういう話好き。顕家なら私もついていく。若くして完全無欠の人っていうのは、命数を与えてもらえないんでしょうかね。
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オープニングは主人公、北畠顕家(きたばたけあきいえ)が陸奥守に任じられて若干16歳で
奥州入りするところから始まる。
安家太郎(秀通)が山の中からその行軍を見るところから始まり、次には親房(顕家の父)が
六の宮(義良親王、六歳)を膝に抱いて輿に乗り、その行軍の中からの風景だ。それを経て、漸く登場するのが顕家だ。
もーなんつーか、さすが、としか言いようのない初っ端から引き込まれまくりのストーリィで。
時代は南北朝時代、わずか4歳で従五位下になり凄まじい勢いで朝廷に登り詰めた顕家くんの、
21歳で終える生涯を詰め込んだ一冊だ。
学問に秀でたところがあり、後醍醐帝にそれを見込まれたのか、陸奥守に任じられたのだが――それまで
朝廷人だった顕家に、武人になれ、と言うようなもので、しかしやっぱり只者ではない顕家くん。
新陸奥守を警戒していた安家一族を筆頭に陸奥を素早く治めてしまわれる。
ただの若輩者、と侮るものなど1年も経たないうちにいなくなる。
顕家くんがしでかした歴史の事実は、まぁ年表見るかこの本を読んでくれ、と言うのが早いのだけれど!!
あ――くそ、叫びたい!!
クタバレ足利直義!!(尊氏の弟)
こいつがこいつが大塔宮を・・・・!! と本を引きちぎりたくなるほどの怒りでした。
本当は、足利の棟梁である尊氏を憎むべきなんだろうけれども・・・なんだろうな?
他の本を読んでいるからかもしれないが、どうしても・・・尊氏くんは捻り潰したいほど憎くならない・・・
不思議だ。
顕家が素晴らしい人物なのは、集まる武将たちが命を懸けるところを見れば一目瞭然で。
さらに顕家の最後は八万の軍勢に百騎足らずの自軍で打ち向かうもので、そのとき21歳。
その若さは、若さゆえ、誰もの心をひきつけたし、周囲への目の配りようもまた信頼を大きくさせるもので。
尊氏が顕家を脅威と感じるのも無理はない。
顕家の人生は、まさに公家ゆえにさらに出来る人物ゆえに、時代に振り回された、とも言える。
けれど私の心を捕らえ打ち振るわせるのは、彼が自分の人生を自分に悔いなし、と生き延びたと分かるからで。
この読みにくい漢字の人物は、一生私の頭から消えることのない存在になってしまわれた・・・
北方さんの時代小説を、ここから入れたことに秋野は感無量でございます。
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2012年10月 12/85
2009年02月 6/19
たぶん、3回目くらいの読みなおし。北方南北朝シリーズの2作目、北畠顕家の物語。基本のパターンは同じなのですが、毎回ハマるこの熱さ。
ゆるい日々に活を入れるドーピングみたいな感じ。
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鎌倉幕府倒幕後から室町幕府成立までのわずか数年間、
武士ではなく、皇族による政治を守ろうとして奮闘する一人の青年の生涯。
主人公がとても魅力的な人物。読みやすく、ドラマチック。
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なかなかまとまった時間が取れずに読み終わるのに2ヶ月近くもかかってしまいました。北畠顕家が、どうにもリアルでなく義務のようにナイトキャップ代わりにダラダラと読んでしまいました。本当にあんなすごい16歳が実在したのだろうか?
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南北朝、義良親王(のちの後村上天皇)を奉じて北に下った、北畠顕家の物語。短い生涯を彗星の如く生きた人。南北朝、よく分からないわって人でも、これだけでも読む価値はあると思う。とても面白いです。
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16歳で陸奥守に任官された、ある意味天才の武将・政治家である北畠顕家が、天皇制を守るという義ために、陸奥に理想国を建国するという夢を果たせず、21歳の若さで死んで行くという、如何にも北方謙三らしいロマンを描いた作品です。
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太平記物で北畠顕家が主人公の作品です。
16歳で陸奥守となり東北地方を治め、尊氏の反乱後、破竹の勢いで京まで攻め上る天才武将。
足利尊氏、佐々木道誉、楠木正成などの老練な大人達とは一線を画した、青年としての清々しさを持って表現されてましたね。
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北方謙三の時代小説を読むきっかけとなった作品。始めて読んだ時の感動が忘れられず、3回は読んでいます。北方謙三の時代小説は南北朝ものがいいですね。良い意味で主観の入る余地が大きく、北方謙三の表現しやすい時代なのかもしれませんね。