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紙の本
日本語は美しい
2011/05/05 07:47
8人中、8人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:夏の雨 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本語は美しい。斎藤隆介さんの『八郎』を読むと、つくづくそう思います。
書き出しはこうです。「むかしな、秋田のくにに、八郎って山男が住んでいたっけもの」。
このような言葉のリズムが全編続きます。だから、まるで音楽劇を楽しむように読めます。
もう少し紹介しましょう。今度は大男になった八郎が暴れ狂う海を山でせきとめようと、山を持ち上げる場面です。
「山のふもととてっぺんさ両手をかけると、めきめき、ゆっさゆっさ、ぐらぐら、がらがら、よおむ、む、むーんと、とうとうしょい上げて、顔まっかに力んでな、ひょろひょろ、ひょろひょろって、はまのほうさ歩き出したと」。
こんな時に自分のもっと音感があればと残念でなりません。まるで歌っているような文章です。
音楽さえ聞こえてきそうです。暴れ狂う波の音、八郎の息遣い、風の悲鳴、村人たちの悲鳴。打楽器の重い音、弦楽器の悲しい調べ。
みごとです。
体が大きくなった八郎は海と戦うことで、自分の体がどうしてこんなにも大きくなったかを理解します。物語のクライマックスです。ここも引用してみましょう。
「おらが、なしていままで、おっきくおっきくなりたかったか! おらはこうしておっきくおっきくなって、こうして、みんなのためになりたかったなだ、んでねが、わらしこ!」
なんという美しい言葉でしょ。
それに、滝平二郎さんの画もすてきです。大男の八郎のなんと優しそうな表情でしょう。そして、なんと凛々しい姿でしょう。滝平さんの画は優しさこそ強さだといっています。
斎藤さんと滝平さん。
二人のハーモニーが悲しい物語に終わらせないで、未来につづく物語にしています。
最後の一節も原文で紹介しておきます。「あの男わらしこはよ、おっきくなって、おっきくなって、ひとのためんなった八郎ばまねてよ、どこかで、おっきくなって、おっきくなっているべもの」
勇気をつなげる一冊です。
紙の本
声に出して読みたい本。
2002/07/08 15:08
6人中、6人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:柿右衛門 - この投稿者のレビュー一覧を見る
斎藤隆介、滝平二郎の名コンビの作品。
この一度みたら忘れられない独特の、ちょっと恐さもかもしだす絵と、心にずんと響く優しく、せつない言葉が特徴である。
勿論この「八郎」もその特徴にぴったりでやさしくそしてとてもとてもせつない話である。
山男の八郎とっても優しい大男。どんなにおおきくても、八郎はもっともっと大きくなりたかった。そして八郎はぐんぐん、ぐんぐん大きくなっていく。
最後に八郎は大きくなった自分の使命をしることになる。
ぜひぜひ声に出して読んでみて欲しい。どくとくの方言がとっても耳に心地いいはずである。
日本語の美しさも改めて感じさせてくれる、ほんとうにすてきなすてきな絵本だ。
紙の本
子供の頃から好きな作品
2019/03/17 19:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゼロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
斉藤・滝平コンビの作品の中で私の一押しです。
子供の頃、これを読んで、生きる意味を見いだせた八郎を羨ましく感じました。
いまもって私自身は生きる意味を見つけられないですが、いつか必ず、八郎のように人の為の生き方は見つけられるときが来ると信じてやみません。
心優しい八郎が死んでしまうのは悲しいけれど、きっと八郎は満足して生きて死んでいったのだと思います。
紙の本
なつかしい絵本
2016/05/27 09:11
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:おらのすけ - この投稿者のレビュー一覧を見る
ピアノを習っていた先生のところにありました。私のレッスンが始まるまでの読書タイムで、よみふけっていた一冊です。なつかしいなあ。
紙の本
耳から聞いた方が
2016/02/13 16:32
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:しましま - この投稿者のレビュー一覧を見る
秋田の八郎潟の話。全編味わい深い方言で、字面を追うよりは耳から聞いた方が、じんわりと味わい深い気がする。