紙の本
意味が把握できない本である
2015/10/20 07:28
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:タヌ様 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アーレントは映画にもなり優れた解説本が新書や文庫で出版され、目にすることが増えた政治哲学者である。
人間の条件はアーレントの人間のおこなう三分類が書かれているもので原典にあたりたいと手に取った。
悪戦苦闘である。ハイデッカーの弟子であるアーレントは政治学というよりも哲学者であり、一筋縄ではいかないだろうと思ったが、悶絶してしまった。無理だ。
訳はいわゆる政治学者の直訳型であり、日本語との対応を十分に考慮くして論旨の意味をとれるようにではなく、とにかくまじめにちゃんと訳したいう感じ。
この訳本だけでアーレントの世界がわかったというよりは「いわれている大事なことがやはり書いていあるな」という天下り的な確認までであった。
まともにこれを読んでわかるひとが本当にいるとは思えなかった。
だから解説本がうれたのかな。
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世界の中で、人と人との間で生きること、何か新しい始まりをなすこと、その言葉と行為で自分自身を世界の中に挿入すること。この本は、私に勇気を与えてくれる一冊です。
修論は人間の条件読解をテーマに。
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(例:4822740315)
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素人ながら読書会やってます。詳しくはこちらhttp://www.cmo.jp/users/siesta/Arendt/
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これは本当に最高。
マイフェイバリットブックです。
人間の活動力を活動、仕事、労働にわけて分析。
公的領域が消えて私的領域になっていってるんだって。
ディザテーションでもあんまり関係ないのに、無理やりこの人の意見をぶちこんだ。
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公共性の議論をするならこちらを。すごい刺激的で多様な問題系を含んだ名著ですが、個人的にはちゃんと注意して読まないといけないと思います。
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【概要など】戦時中の話。読み進められないくらい、暗い内容。
【面白い!という点】意思を貫くことの大切さを学べる。
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ハンナ・アレントは、とてもオリジナルで、魅力的な思想の持ち主。
教育の役割とは何か、ということを考える上で、私はとても共感した。すなわち、教育には、世界の担い手になる子どもをその知恵を伝授することによって守り育てるという側面(子どもを守る)と、人間の世界が次の世代も、その次の世代にもよい形で継承されていくために、子どもを育てるという側面(世界を守る)という二つの役割を持っているという。教育の問題というと、目の前にある事象にとらわれがちだが、本来的に、教育は未来のために存在しているということを、あらためて気づかせてくれた。
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「人間とは何か」という途方もない問いにはまってしまった若い人におすすめの哲学書。全体的に理解できなくてもなんとなくわすれられない一行が見つかるはず。
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本書で示されるアレントの問題意識は多岐にわたっている。特に印象深かったのは、消費社会化、大衆社会化につれて「仕事」による製作物が単なる消耗品として使い捨てられるようになり、同時に「活動」も大衆社会化の中で衰退した結果、「労働」ばかりが幅を利かせるようになったというくだりだった。
http://d.hatena.ne.jp/hachiro86/20070209#p1
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公共空間と私的空間の定義が秀逸・・・って話らしいのですが、まだ読み終わらず(泣
がんばります“(・ω・´)
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人間の活動力を「労働」「仕事」「活動」に分けることからはじまって、「『労働』の優位の下で『仕事』『活動』が人間的意味を失った」(本書裏表紙)現代世界の危機を告発する、スリリングな一冊。
『暴走する資本主義』が話題となっているが、あれがすっきりと頭に入ってくる人であれば、本当に熱中して読むことができるだろう。また金融危機(このレビューを執筆しているのが2008年末)の余波を正面から受けている人も、アクチュアルな問題意識の下に読むことができるだろう。
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アレントはドイツ人ですが,本書は1956年にシカゴ大学で行われた講義がもとになっているようで,1958年に英語で発表されたもの。彼女の肩書きは政治学者とされることが多いが,半世紀を経た今日においても読み注がれる彼女の研究の関心は多岐に及んでいる。
数ある著作のなかから初めて読む彼女の著作として本書を選んだのは古書店で比較的安く売られていたという偶然によるものだが,この1冊を読んだだけでも,その知見の広さと論理展開の確かさに感服する。本書は目次を見ただけでは面白みに欠けていて読書のモチベーションは上らない。しかし,読み始めるとどんどん引き込まれていく。本書は確かに難しいのだが,けっしてストレスを感じるような難解さではない。
文体に男性的とか女性的とかいうのは避けたいところだが,柔らかすぎてついていけないデリダや,堅すぎて面白くないハーバマスとは違っていて,しっかりしているんだけど退屈ではなく刺激的な文章はやはりクリステヴァに近いものがある。というより,クリステヴァがアーレントの本を書いているくらいだから影響を受けているのだが。
本書のタイトルはあまりにも漠然としたテーマである。本書を読んでいると,時折書名を忘れてしまう。本書は「人間の条件」というテーマを設定して,そこから派生的にさまざまなトピックに発展していくようなものではなく,いくつかの事柄についての議論が,どこを切ってもこのテーマに結びついている,そんな構成になっている。
そして,本書には「近代」への問いがあると思う。本書のベースにはプラトンとアリストテレスがいて,本格的に検討されるべく存在としてのデカルトがいる。人間は何をする動物か。そのことを考察するために,第3章から第5章までの表題につけられた3つの概念を丹念に検討するのだ。その3つの概念とは,「労働」と「仕事」と「活動」だ。そして,もちろんデカルト以降の時代の重要な著者としてのマルクスも検討される。
今回も,傍線を引いた箇所の引用でお茶を濁そうか。
「人間の条件は,人間が条件づけられた存在であるという点にある。いいかえると,人間とは,自然のものであれ,人工的なものであれ,すべてのものを自己の存続の条件にするように条件づけられた存在である。」(p.163)
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1958年、ユダヤ系ドイツ人であるハンナ・アレントによって出版された政治理論を扱う英語版の訳書。彼女自身、ユダヤ人であるという偶然性によってナツィによる迫害を受けた経験をもつため、人間は先天的な要素ではなく後天的で自発的な行動が見止められる存在であろうと説かれている。
アレント思想のその後の軸ともなる用語-例えば「労働labor」「仕事work」「活動action」-はたくさん出てくる。けれども、ここで強調されるのは、人間が、有機体として種の生命を担うと同時に、個人として独自的な生も担い、誰一人として同じ人間などいないということ。『人間の条件』では、そのような人びとが、それぞれの独自性を保ちながらも、他の人びとと共生してゆく政治について論じられている。
※アレント自身の英語が整理されきれていないせいか、時に誤訳があるの。例えば27ページ「アウグスティヌスは、少なくとも市民であることが以前は何を意味していたかと言うことを知る最後の人物」など。
またアレントの著書の多くがドイツ語と英語で残されているため、訳語の統一が未だに不完全。
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ハンナ・アレントの代表的な書籍の一つです。彼女独自の理論である「活動(action)」という人間行為の原理と想定される概念が説明されています。
「活動」は、対比として「労働(labor)」、包括概念として「仕事(work)」と併せて理解する必要があります。
「活動」を一言で言うと、人間が言論や行動を通じて他者と交わり理解したうえで、それぞれの存在の共存を許しあう過程です。
なにやら難しいですね。
でも中身は小説タッチになっているので、読みやすい・・・というより新しい発見があるかもしれませんよ。