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紙の本
普通のサラリーマンだって…
2001/03/12 21:38
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投稿者:KON太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
柏木誠治は繊維業界で働くサラリーマンである。勤続23年、課長という役職につき、ローンを組んでようやく都心から1時間というところにマイホームが持てた。妻がいて、高校生の長女と中学生の長男がいる4人家族。趣味というほどでもないが、地図集めを暇をみてやっている程度。
ドラマチックな展開は見せない。殺人事件に遭遇することもなく、激しい愛に落ちるでもない。子供は非行に走らず、奇妙な出来事に巻き込まれるわけでもない。
柏木誠治の身の回りに起こることと言えば、自分の部署にコンピュータを導入することになり少し戸惑ったり、兄夫婦が面倒を見ている母が自分の家に転がり込んできたりする程度。かといって、そんな状況もおおごとにはならずに収まっていく。
よくいるサラリーマンのよくある風景を淡々と描いていく、あまり読むことのない小説。そこには、あまりにリアルな人間像が浮かび上がってくるような気がする。
愛だ、死だ、涙だ、怒りだ、恐怖だ、と読者や視聴者を喜ばせるお話で満足している人には物足りないかもしれないが、これを読めば、われわれのような普通の人だって、味わいのある生活をしているんだと気づくはずである。柏木誠治はあなた自身かも知れない。
「1992年上半期(第107回)直木賞候補作」
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