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初版は1989年ということですから、今となっては内容は古いのかもしれません。それでも尚いきいきと描かれる宇宙の神秘は、なんとも形容しがたいものがあります。一般向けに書かれた本ということで、著者も最初の挨拶に数式はアインシュタインの提唱した1つの式以外には載せない!と宣言しています。・・・にも関わらず。私 にとってはハードルが高かったです。ただ、少なくともホーキングの、というよりは物理学者の方たちが、宇宙に対してどんなアプローチをしているのか、そして理論の視点や視界が己とは全く違うというのは分かる。
本当は宇宙は絶えず膨張している し、長い時をかけてこの瞬間の状態が在り、それは固定されているわけではなく、常に粒子、重力、光の波それらの関係によって、まだ人類が完全に予測できな い方向へと向かっているわけです。それは果ても無い観察と理論による人々の叡智が生み出す想像の中にしか見えない。難しい事はやっぱり良く分かりません。だけど、宇宙を探求する人々の理論のスケールの大きさに圧倒されました。ゼロが何個つくのかわからない時間や質量といった単位で、数ある可能性の中で常にあらゆる理論を妨げられるほどの、正確である可能性が最も高い論拠を探し出す事。宇宙理論に至っては、途方も無い時間を待つ事もできないし、環境を用意する事もできないし。だから、数多ある可能性の中からどれだけ理論上正しい姿を見つけ、そしてあらゆる学問と結びつけて、不確定要素を無くしていくかというアプローチになるんですよね。それがなんだかすごく新鮮だった。
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名著。
宇宙本のさきがけか。
エントロピーは常に増大する。
宇宙物理は哲学の兄弟だと捉えている。
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かなり今更感満載なのですが、
先日放映された林先生の痛快!生き様大辞典で
ホーキング特集をやっていたため、
気になって買ってしまった本を読み終わりました。
宇宙の真理というテーマは、
いつまでたっても色褪せぬ魅力的なテーマです。
タイムマシンやどこでもドアは開発しうるのか否かは、
宇宙の真理を解き明かすことにかかっている、
とも言えると思うんですよね。
で、読み終わった感想なのですが、
ホーキングさん自身が真理にたどり着いてない中、
なんとか一般大衆にもわかるように、
今の宇宙に関する議論を説明してくれてるのですが、
やはりそれでも遠い。あまりに遠すぎます。
超弩級の天才であるホーキングさんと
一般人、しかも文系の自分との隔たりが
ここまで大きいのかと愕然としました。
しかしなんとなーく、おぼろげながらに、
この宇宙の正体がイメージできるようになりました。
これまではイメージすらできなくて、
ただ広がり続けている、ということくらいしか
知らなかった宇宙の姿を
もう少しだけ細かくイメージできるようになった、
という感じですね。
で、結局いちばん感銘を受けたのは、
3次元プラス時間の中(つまり四次元)という条件が
有機体を生命たらしめるためには
およそ必須不可欠だろうと考えられる、
という点です。
四次元よりも上の次元では、
その制約の弱さに、かような複雑な有機体は
生成し得ないということのようです。
鈴木光司さん著のらせん~バースデイの展開は
難しそうだなぁということに得心し、
少し残念にもなりました。
まぁでも観測できないから存在しない、
というのは人間の論理であって、
観測できなくても存在するものがあるかもしれない、
ということを証明する悪魔の証明はできないわけで。
そこに一縷の期待をして生きたいとは思います。
やはり観測できないものを感じてこそ、
人生なのではないかなぁと勝手に思ってますのでね。
最後に、膨張し続ける宇宙がいずれ収縮に向かう、
という説があまりにも虚しいので、
(その場合、いずれあらゆるものはリセットされるので)
別の説を勝手に妄想したので備忘がてら書いておきます。
宇宙は宇宙外の極大質量の物体からの強烈な引力によって、
全方位から引き伸ばされ続けているとは考えられないかな、
というものです。
その極大物質は全宇宙の全方位に存在しつつも
一つの物体として質量を持つという
空間を超越したものであると仮定します。
そして宇宙からの距離は無限大に遠く位置すると。
そうすれば、宇宙はいつまでも膨張をし続けられるわけで、
いつか終わりが来るということには
ならないかもですねぇ、などと妄想しました。
もしくは宇宙を包摂する超宇宙空間のようなものの中に、
我等のいる宇宙のようなも���が複数存在して、
お互いに引き寄せ合い、膨張させあっている、
というのも妄想できますね。
この場合、宇宙に張力が存在した場合、
いつか破裂してしまう危険性、
宇宙同士が膨張の結果ぶつかった場合、
かなりの衝突エネルギーが発生してしまう危険性が
考えられますが、宇宙がリセットされるよりは
前向きな考え方かなぁなんて思います。
ま、なんの理屈もないただの妄想ですけど。
…とまぁこういう妄想を繰り広げられるくらいには、
宇宙を少しだけわかったような気にさせられるという
素晴らしい本です。
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初版が出たのは98年らしい。その頃に買って読みました。難しかったなあ。
先日、ホーキング博士の元妻の本が、ベースになった映画「博士と彼女のセオリー」を観て久しぶりに読みたくなりました。
前半はなんとなくわかる。後半はヤッパリ難しい。
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難しかった。前半は貪るように読んだんだが、肝心のブラックホールの話はまったく消化できてない。
とりあえずホーキングについては「宇宙は特異点によってはじまった」と思ったらやっぱり「特異点はない」と考えを改めたこと、「宇宙無境界仮説」あたりを覚えておこう。
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なんとなくしか分かっていなかった宇宙論を、一から論理的に教えてくれる本。相対性理論とか不確定性原理とか統一理論とか、名前は知ってるけど詳しくは…みたいな理論をざっくり知ることができる。一連の流れを網羅的に知れるので、SF読む人は必読なんじゃなかろうか。「神」が物理学でどういう立場なのかという切り口も興味深かったし、巻末の人物紹介も独自の目線で良い。ただ、内容が内容だけに、かみ砕かれてもなるほどわからん状態があったのも確か。仕方ないか。しかし名著。
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どうしたって科学系の話はぼくには難解なわけで・・・。それでも普段は使うことに少し抵抗もある「我々」という言葉も宇宙からの視野に立つとしっくりくるものがあった。
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自分の理解力が悪いからだろうが、何が書いてあるのかよくわからない。
本人にはよくわかっていることなのだろうが、門外漢には説明されていることについてのイメージがさっぱり浮かんでこないのである。
第3章くらいまでは我慢して読んだが、以降はほとんど流し読み。
今後、こういう類の本は一切読まないようにしたい。
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ホーキングが一般向けに宇宙を語った初めての本。訳者あとがきや書評によると、天才の力量で難解な宇宙の理論を明快に解き明かしているとのことだが、やはり難しい。結局、全て読み込むのは諦めてしまい、最後は斜め読みになってしまった。それでも、宇宙が始まりを持つ存在で膨張していることの論証、完璧な正確さで粒子の位置と速度を観察することはできないという不確定性原理、全ての質量が中心に引き寄せられ最終的には密度および重力が無限になる天体崩壊の仕組みなど、部分的にでも興味深い知見は得られた。
ホーキングは、宇宙が「どのように」できたのかに留まらず。宇宙が「なぜ」できたのか、存在するに至ったのかという科学が未だ応えられていない存在理由の問題に究極的には取り組もうとしている。やはり、宇宙の法則と我々の存在には不可分な関係がある。自分も願わくば宇宙の理論を突き詰めた上で、我々の存在意義・理由を問う哲学に昇華したかったものだと改めて思った。自らの才能や性格的にその道は選べなかったが。かのウィトゲンシュタインも、宇宙理論と我々の存在の不可分な関係、その宇宙理論の難解さを感じていたようで、「哲学に残された唯一の任務は言語の分析である」と述べているらしい。彼でさえも宇宙理論に立脚した哲学を諦めていたのだ。ホーキングのいうように、今やアリストテレスからカントの時代とは違い、宇宙理論は専門家でない哲学者には理解が困難なところまで高度化・精緻化してしまった。専門家でない我々はもはや蚊帳の外なのだろうか。しかしホーキングは、完全な宇宙の統一理論を見いだせれば、それは専門家だけでなく多くの人に理解されるものになるであろうと述べる。そしてその時、宇宙がなぜ存在するのか、我々はなぜ存在するのか、という哲学の究極命題が解き明かされ、創造主の意思に辿り着き、人間の理性は完全な勝利を収めるだろうと。
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活字を追っているだけで内容が入って来ない。
わたしの頭ではほぼ理解出来なかった。
次は、
「相対性理論」を楽しむ本: よくわかるアインシュタインの不思議な世界
に挑戦したいと思います。
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正直20%も理解できたかどうかという位難しい。面白い‼︎と 学びになる箇所もあったけど、基礎知識がない私にとって読み続けるのが難しい.... 。
でも昔から多くの学者の発見を紡いで宇宙の謎を少しずつでも確実に解き明かしていく偉大な科学者の功績に脱帽です。
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【本の感想でも何でもないただの日記】
ホーキング博士の映画をみた。
出会って、博士が日曜日に彼女をデートに誘って断られて、彼女を博士が食事に招いて家族との会話にターナーが好きだと答えて文学少女ねというような含みのある失笑をされ、夜のパーティーで星が綺麗で彼女が聖書の一節を暗誦する。そういうのが印象に残ってる、綺麗な映画だった。
ブラックホールについて宇宙について、知らないことだらけ出てきたので隣で一緒に見てる人に逐一質問した。
悔しいのでこの本を読んで挽回を試みているところ。
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単行本発売の頃は、テレビの解説番組はいくつかあったけれども、本を読むほどの関心はなかった。文系人間としては当然の反応だろう。文庫本発売の時は時期が悪かったと思う。阪神大震災とオウム事件の真っ最中であって、文庫本が出たことすら知らなかった。今回氏の死去の報を受けて、やっと私はこの本を手に取った。
数式のない理論物理学の本。氏が出来得る限りわかりやすく書いた本。しかしだからと言って、物理の点数が50点より上に行ったことのない私に理解出来たかと言うと、否、というしかはない。それでも驚いたことがある。「たいへん愉しめた‼︎」ということである。
この本は私流に一言で言うと「宇宙の歴史書」である。だとすると、私の守備範囲だ。
文献歴史学はとりあえず置いておいて、考古学視点から日本史を見ると、歴史を一年に換算すると、大晦日の午後に文献史が始まる。人類史を見ると、大晦日の紅白歌合戦の辺りで文献史が始まるだろう(と、いかにも物知りのように書いたが根拠調べていない。だいたいそんな所というだけ)。地球史で見れば、果たしてどうなるのか?戦争なんて細かいことをしているのは、今さっき始めたことだから、気の迷いだったと言えるだろう。
ホーキング氏は、さらに進めて宇宙の始まりから語り初めて、宇宙の終わりを予測する。そこから更に進めて「我々はなぜここにいるのか?」という根本問題に答えようとする。
解説者池内了氏は「ホーキングは、優れた現代神話の語り部」だという。私もそう思う。弥生時代の農民が、見たこともない金属を振り上げた巫女の言葉を、その言葉の意味をわからぬままに有り難がり信じたように、ホーキング氏の、この長い祝詞は、ちょっとした古代体験だった。
2018年4月7日読了
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難しく、理解は私の能力をはるかに超えていた。
ホーキングの言うブラックホールの実態を人類が完全に把握する時代は来るとは思えない。
この本は読み終えるのにかなり時間を要してしまった。
読み終えたと言うより、眺め終えたと言う表現の方が正しいかもしれない。
本の評価は理解範囲外なので取り敢えず星4
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ビックバン仮説は理解できる。観測された事実である赤方偏移から導かれる推論としては自然だからだ。相対性理論は理解できないが、光の速度が一定なこと、光が重力で曲がることについては、いずれも実験で証明されているから納得するしかない。
わからなくなるのは量子論あたりから。知っているものを使って類推できない。「陽子の周りを電子が回っている」のは形として理解できるが「電子の軌道は確率論的に分布している」と言われてもなんのことやら。「スピン」「カラー」も? 超弦理論となるともうお手上げだ。
へー、そういうものなんだ、不思議だなー、と無理やり納得することはできなくはない。ホーキング博士はじめ、世界の名だたる科学者が同意しているんだからきっと正しいんだろう、とも思う。でもそれじゃ、みんなが「世界はでかい亀の背中に乗っている」というので世界は亀の上に乗っている、というのとあまり変わらないんじゃないだろうか。それは違うよな、と思う。
たぶんぼくは当面、この本に書いてあることより、ホーキング博士はなぜそんなことを知っているのだろう、ということのほうが不思議なのだ。それがある程度でも理解できないと、超弦理論の宇宙は、亀の上の宇宙と同じくらい不思議、ということでしかない。
ホーキング理論を理解する道具が高等数学なんだろうか? 高等数学を使いこなせるようになったら、ホーキング博士の言うことも納得いくようになるんだろうか? 博士は本書では数式を使わない(E=MC2を除き)と決心したそうだが、数式のほんのとば口だけでも教えてくれる本はないだろうか?