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ザ・ギバー 記憶を伝える者 みんなのレビュー
- ロイス・ローリー (作), 掛川 恭子 (訳)
- 税込価格:1,495円(13pt)
- 出版社:講談社
- 発行年月:1995.9
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紙の本
痛みも悲しみも死もない理想的な世界で、ただ一人、それを感じることを義務付けられた少年の物語
2001/01/20 02:13
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ざぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る
要するに「管理社会物」だ。テーマにも設定にも特に目新しい点はないのだが、読ませます。
12歳の〈職業任命〉の儀式で〈記憶を受けつぐ者〉に選ばれたジョーナス。コミュニティでただ一人、一子相伝のこの職業を先代から引き継ぐべくトレーニングに入った彼を待ち受けていたのは、人々が捨て去っていった悲しみや苦しみ、痛みと恐怖だった。
コミュニティーでは邪魔な丘を削り、すべての地面が平らにならされており、「丘」という概念そのものが存在しない。気候も全て制御されている。ありとあらゆる苦痛はなくなり、悲しみも死も感じることはない。それは理想的な社会だ。しかしそこには、本当の愛情も慈しみも存在しなかった。
読者はジョーナスと共に次第にコミュニティー異様さに気づき、戦慄することになる。これが結構センス・オブ・ワンダーだった。内容に新味はないが、とにかく上手い。
ジョーナスは記憶とともにそれらの感情を取り戻すが、次第に孤独感を募らせていく。ジョーナスは周囲の人間に限りない愛情を抱いているにもかかわらず、他の人々とその思いを共有することはできないといのだ。
ついにある真実を知る(あれはちょっとしたホラー並に怖いシーン)に至り、ジョーナスは先代と共にあることを計画する。悲しみに満ち満ちた二人の決断、そして痛みに満ちた結末—。
他にも文字媒体ならではの仕掛けがなされていて、ちょっとそこは驚くとともに、語りの巧妙さに感動した。とても美しい。
良い本だ。読んでください。
紙の本
管理された社会で生きる少年の物語
2002/03/02 18:42
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
管理された社会で生きる少年の物語。はじめはありがちな設定だなぁ、と思っていたが、中盤あたりから引き込まれた。家族が家族を演じているような不気味さ、そして記憶を伝える者、といった謎の役割。記憶というのは人類の歴史のようなものだ。楽しいものもあれば苦しいものもある。その中で斬新だったのは「色」の記憶。驚くことにこの管理社会に住む住民達は「色」というものさえ分からない。冷え冷えとした都市でそれぞれ与えられた役割を生きる人間達。果たしてそれは真のユートピアなのだろうか。
紙の本
定番ですね
2019/03/24 01:39
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:きりん - この投稿者のレビュー一覧を見る
児童書の中でも定番なんじゃないでしょうか。新訳も出ていますが、こちらの表紙の方が好きかなあ。ここではないどこか、の話です。