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キングと並び称されることもあるクーンツは基本的にいつもハッピーエンドに終わるホラーの書き手で、そういう意味で安心して読める。ここんとこまともな訳には恵まれてないのが残念。
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上下巻読了。暗い内容で犯罪のはびこるLAの街や、理不尽な世の中にやり切れなさを感じる。その一方で、クーンツの描く夫婦や恋人同士の情の深さにはいつも心温まる思いがする。SFホラーといったところだが、それほどの怖さもなくクーンツにしては物足りない感じ。2014.2
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(上巻の感想からの続き)
あと、主人公以外の登場人物の使い捨て癖が顕著だった。エドゥアルド・フェルナンデスはプロット上、死ぬことは必要だとしても、獣医のトラヴィス・ポター、弁護士のポール・ヤングブラッドなどは単なる怪異の証言者の1人でしかない。
この辺の使い方が書き殴っているようでどうもいけ好かないのだ。
ともあれ、重傷を負った警官とその家族を主人公に、殺人鬼が実はカルト的人気を誇る映画監督だったことから起因する主人公達への冷たい世間の仕打ち、怪異にストイックに立ち向かう朴訥な老人、カウボーイスタイルが似合う老弁護士、宇宙人の来襲を疑問もなく受け入れる男、恐怖や死を知らず憎悪のみを糧に生物を征服しようとする地球外生命体など、エピソードや人物設定などを取り上げれば面白くなる要素ばかりなのだが、それらを十全に活かしきれないクーンツ。
しかし時々『ウォッチャーズ』みたいな傑作が生まれるから目が離せないんだよな~。