紙の本
よくわからない部分が・・・
2016/11/21 23:27
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投稿者:とりまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
ネタバレあり。
バーンズ屋敷の大鏡を通って奇妙な世界へやってきた、照美。
竜の骨を元にもどすために、スナッフと旅にでる。
とらえどころのない、不思議な物語。
どうして、スナッフはテルミィに自分を殺すように仕向けたのだろう?
スナッフ=マーチンはなんとなく分かるけど、レベッカに会うために必要なことだったのだろうか。
ファンタジーは無理に解釈しようとしないほうが、いいのかも。
紙の本
天国から最も遠い者たちへ
2001/05/25 20:09
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投稿者:kama - この投稿者のレビュー一覧を見る
なぜ子供と老人は仲がよいのか?それは、両者がともに天国に近い存在だからだ、という。子供達は、まだ天国からこの地上にやってきて間もない存在として。老人達は、もう少しすれば再び天国に戻っていく存在として、お互いに同じ場を共有する者どおしの連帯感を感じるのだろうか。
してみると、一番天国から遠いのは、我々中高年世代ということになる。現世の俗にまみれまみれて、アップアップしながらも、けなげにがんばっているというのに、一番天国からは遠いとはねえ…。
しかし、しかし!両者に挟まって、おろおろとその間をいったりきたりしているのも、やっぱり我々中高年。子供時代は、今まで来た道だし、お年寄りは、未来の自分の姿。なんとなく、両方の事はわかったような気にもなっている。そこに大きな間違いがあるのかもしれない。わかった気になっているだけなのかもしれない。
この本を読むと、そのとおりだなと思わざるをえなくなる。かつての子供時代の記憶は確かに残っているとはいえ、俗世間の埃にまみれて、ぼやけて変質していることも多いし、知らないうちに今の自分に都合のいいようにねじまげて認知していることもままある。
わかっているつもりが、気がつくとこどもはすぐそばにいるのに、心はどこにあるのかさっぱりつかめなくなっていたり、お年寄りともギクシャクしてしまうのは、きっとそういうところに原因があるのかもしれない。
「裏庭」を読んでみて、わかっているつもりの自分に気がついた。子供だった自分がじわじわと心の奥から浮かび上がってきて、とても暖かい、なつかしい気持ちになった。そして、これから年老いていく自分に思いをはせることができた。天国に近い皆に、もうちょっと違った形で手がさしのべられそうである。
かつて英国人の一家が住んでいた別荘の奥深くにある「裏庭」の世界。そこに誘い込まれた少女、照美。彼女の冒険の旅路を、共に歩みながら、私たちは再び天国に近かった自分を見出すだろう。そんな子供達に心からの共感をしめす老人達からも、これからそんなふうになれたらいいなあと思える未来の自分が想像できるだろう。
天国が遠いお仲間達に、ぜひこの「裏庭」を読んでもらいたい。子供だった自分にOK! 老い行く自分もOK! 人生のまんまん中を突っ走ってる今の自分にもOKサインが送れるよ。
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洋館の裏庭に隠された秘密。それだけでもう心をくすぐられました。
児童書の幅に収まらない、大人が読んでも楽しめる一冊。むしろ、大人だからこそ理解できる部分があるのではないかと感じました。誰しもが持っている傷。それを抱えながらどうやって生きていくのか。
とても素敵な作品でした。
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ファンタジー。随分前に読んだのだけど、その印象はとても強く残っています。
読み終えた最初の感想は、とにかく痛い・・ということでした。裏庭からつながる異世界、そこで起きる冒険・・普通のファンタジーなら逃げてしまいそうなところもしっかり見据えて書かれたお話だと思います。
少女の成長物語・・と一言では言えないかも。
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子供のファンタジー小説と一括りにはできない深い話です。裏庭での物語はかなり抽象的に書かれているので、かなりの想像力がいりました。だから一度読んだだけではイマイチ場面が頭に描ききれませんでした。もう一度読んでみて私なりに納得したのは、「裏庭」とはつまりは照美や彼女の周りの人たちの心の奥にある「傷」が表している世界なのだと言うこと。誰の心にも隠された「傷」と言うのはあると思います。その「傷」をみなさんどうしていますか?この本の中ではそれを無理に薬をつけて直そうとしたり、鎧で守ってごまかしたりせず、その「傷」を利用して自分を成長させていくのだと言うことを主人公の照美が冒険をする中で教えてくれています。
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日本人が書いたとは思えないイギリスのファンタジーを色濃く受け継いだ作品なのでは。梨木さんの作品の中でも異彩を放っていると思います。
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これまた清澄ベタ惚れ本です・・・勧める人皆にわかんないと言われるんですが。泣くよ!!胸の中にあった汚いものとかに指差されて、痛くて痛くてたまんなくて、それでも読んだ後にはその痛みで成長できるような。3回は泣けます!!
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親子関係がひずんでしまった話を続けて読んでしまって、ちょっと気分的につらかったのですが、この本は最後に修復されるので救われた。裏庭での冒険部分がなかなかよい。出来のよいローファンタジー。高学年以上向け。
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ぼくの人生に転機をもたらした一冊。梨木作品にはいつも滞りなく流れる水脈があります。どの物語もその水脈に向かって深く根を下ろします。主人公照美の「裏庭」への冒険をとおして、読み手ひとりひとりの「ワタシ」に、命が生きることの意味を教えてくれる大著作。
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梨木さんの本を読んでみよう、と思い立ちお薦めされていたので手に取った1冊。もの凄く独特なファンタジーで、結構なわかりにくさがあるので人を選ぶかも。私は嫌いではありませんでしたが、「九年目の魔法」が駄目な方はやめておいた方が無難でしょう。
目を惹くのは情景描写、タイトルの”裏庭”と表紙からして「何が起こるんだろう?」と好奇心をかきたてられますが、読んでみるとどことな〜くホラーな空気だったり、ポップな感じだったりダークだったりと色んな空気が混ざっていてとても不思議。読後感も人によって違うと思います。
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梨木ワールド満載だなあと思いました。
鏡を越えて「裏庭」に入る瞬間の描写はちょっと鳥肌立ちそうだった。
照美ちゃんもままのさっちゃんもそのママの妙さんも同じ寂しさや辛さを抱えていたのかもしれないなあ。
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鏡の中の国は不思議な国。でもアリスのような国ではありません。ダークな面があって人間らしさが出ています。ファンタジー作品の中でも一際は不思議な作品
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・バーンズ家にある「裏庭」は、代々庭師によって守られてきた…。そんな冒頭で始まる、一人の少女の物語。著者の代表作と言われるのがよく分かる。・日本版ナルニアみたいな雰囲気ですが、もっと容赦ない感じ。裏庭世界の描写は怖かったなあ。さすが梨木さん。ていうか本当に子供向けですかこれ。・現実の老人となったバーンズ姉妹のエピソードとかがスキでした。
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古いお屋敷の不思議な「裏庭」を巡るお話。伏線やメタファーがすごく複雑なので、何度も読み返しました。すべては分からないのに、それでも好きだと思える本。
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おじいちゃんが話してくれた、近所のバーンズ屋敷に伝わる裏庭とは…。
弟をなくした少女の魂の孤独な冒険。ナイーブながらも弾力ある心の在り
様を描く、重層的ファンタジー。第1回児童文学ファンタジー大賞受賞作