紙の本
こんなに面白い本に出会ったのは初めてだ!
2003/10/24 14:13
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投稿者:ケロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
わたしはあまり活字が好きではない。というより活字嫌い。途中まで読んでは止め、また次の本を手にとって読んでは止めをいつも繰り返しています。そんな私が出会ったその日にたったの二時間で読んでしまった本(!)。それがこの「蝶々の纏足・風葬の教室」です。たとえばそれは奇麗事ではいかないどろどろした人間関係、愛憎にまつわる醜い感情、争い…。この世に生きてきた人ならみんな一度は感じた事があるあの言葉にならなら思い…。そういったものが生々しくリアルに、淡々と描かれています。はっきりいってこんなに肉感を伴った人間関係を書ける作家はいないのではないでしょうか。最後の「こぎつねこん」はちょっと前の二作と変わった毛色でかかれています。なんていうかいつものどろどろした感じではなく回想ぽく。多感で幸福で孤独だった幼児期とそこから遠く離れた場所にいる今の自分…。そんな感じかな。読んで損なしだと思います。ぜひオススメの一冊です。
紙の本
是を読んでいたら…!
2002/05/30 14:30
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投稿者:鼠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
風葬の教室を初めて読んだときの衝撃は忘れられない。私が中学生の時。当時中学には授業の一環として「道徳」という時間があって、「あけぼの」というテキストを読まされていた。苛めについての例と解決法が児童文学式に並べられているテキストだった。あの本に違和感を感じた人は多いはず。あの「やらせ」の雰囲気に。こんなのは違う!と思っていた私はこの本に出会う。
カワイイいことを羨まれて苛められ始めた小学生の女の子のお話。ある時はあまりのつらさに自殺も考える。だけれど自分は死ぬなんて馬鹿じゃん?ということに気付いた彼女はいじめっ子たちを次々に見返してゆく!!!
苛めで自殺、なんてニュースが絶えない今、この本を読んでいたなら自殺なんて考えなかったよ…と私は思う。
紙の本
中高生にこそ。
2020/03/13 02:06
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投稿者:ゆりし〜 - この投稿者のレビュー一覧を見る
蝶々の纏足/風葬の教室/こぎつねこん
から成る小説。
一番心に来るものは風葬の教室であった。何気ない若かりし人たちのいじめをリアルに表現。そして大人びた主人公とその家族。最後にはこんな方法で逆襲、と。今からだいぶ昔に書かれた作品ですが、今にも通ずる。あっぱれ。
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「風葬の教室」が好きだ。山田詠美女史のに出てくる女のコはみんな孤独で冷めてて、自分が何だかわかってる。そんなとこがかっこよくて目指すところなのだ。ちなみに「風葬の教室」では「気に入らない人は卑下する」という最低技を教わりました…。未だに続行中です。死。
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分かり合えなかったのはねぇ、本当はあんたが蝶々なんかじゃぁなかったからなんだよ。
心の支えになった一冊。
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あら と思った
あんなに好きだった山田詠美さんの本も 最近になって全くよんでいなかったせいか おきにいりの「放課後の音符」を除いて タイトルを見てもその内容がすぐには思い出せない このBook Reviwをかくために久しぶりに本棚から取り出したその本を目の前に思い出すのは ただただ官能的で本能的だとゆうイメージばかり そして強烈な個性を持った女の子たち(時には女性とゆう言葉の方がふさわしいのだけど) でもそのイメージは決して間違っていないのだけど Book Reviwを書くには曖昧すぎるから もう一度読み直してみたの
とってもとっても危険な本だわ そう思う
これを読んだのはいつだったか そう 中学生の時
「放課後の音符」で小学校を卒業して 中学でこの本とめぐり合ったあたしは この本の危険な部分に気づかなかったけど 今思い出すと 見事に私はこの本の扱い方を間違っていたよう 大人になりたいと思ったとき手にしてみて欲しいです でも本当に気をつけて
彼女の描く少女は 体は子供でも
心の中は 本当に 大人のように深いもの
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山田さんの小説はほとんど読んでます。『熱帯安楽椅子』、『4U』なんかも好きですが、一番といったら蝶々の纏足。
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かなり昔から気になってはいたけど、どうも内容に不安アリでブレーキがかかっていた本。
でも「蝶々の纏足」は予想と違って、気だるいけどもドロドロした暗さはなかったね。
どことなく主人公もその「親友のえり子」のどちらの気持ちにも共感出来てしまった。
うむ、コドモって無邪気でありながら、実は計算された残酷さを持ち合わせているものだよね。
「風葬の教室」はやっぱちょっと辛い内容ではあった。
いわゆるイヂメってやつが絡んでくるから。
ビミョウ似た様な体験もしたことがあったし、集団の心理の怖さを思い出した。
でも彼女なりの打開策を打ち出したのにちょっと安心。
はぁ良かった。
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「蝶々の纏足」きれいな娘の誘惑は、女の子でも抗えない…?何でしょう、コンプレックスの一つの形でしょうか。
「風葬の教室」少し大人びていた為、クラスになじめずさらにいじめに会う小学生の女の子のお話。
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難しかった,でもストーリーは覚えてる。 蝶々の纏足のラストは深い 風葬の教室の主人公の女の子の強さと美しさが素敵
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(文庫『蝶々の纏足・風葬の教室』収録、「こぎつねこん」)
山田詠美さんの作品がとてもすきだ。そして、おそろしい。
昔、趣味で文章を書いていたころ。さまざまなすばらしい作品に出会うたび、感動し、そして落ち込んだ。あたしの書きたいことはもうみんな、すっかりだれかに書きつくされているのだとおもった。もうあたしが書く必要はないのだとおもった。
詠美さんは、あたしにとってのそんな作品を、たくさん書いている作家だ。
小説も、エッセイも、「そう、そうなの。」ということが、あたしなんかにはとてもじゃないけど思いつかない的確なことばや装置で描かれている。ほんとうに、素敵でこわい作品たち。
表題の、「こぎつねこん」はそんなに、有名な作品じゃないかもしれない。文庫でも、「蝶々の纏足・風葬の教室」の併録という形になっている。
でも、はじめて読んだとき、どうしようもないほどの震えと涙とが溢れた。
その後、そのあまりのくるしさに、しばらくこの本を開けなかったほどの。
開いたらまた、慟哭してしまうことが、わかっていたから。
母の子守唄に、泣き出してしまう子どもの頃の「私」。
それは、どうしようもなく幸福であるがゆえの、涙。
「私は多分、あの少女の頃、幸福過ぎたのだ。」
「私は小さな頃から、孤独というものを知っていた。…所詮、人間はひとりなのだということを知っていた。それ自体、私には少しも嫌なことではなかった。…
ところが、その孤独を愛情の中から見つけ出してしまうと、私は気が狂いそうになってしまうのだ。暖かさに包まれると、冷静なものである筈の孤独が急に熱を持ち、私の心を痛ませるのだ。」
「本当の孤独は、暖かいものにくるまれると、いつも私の心を疼かせるのだ。その暖かいものが取り払われた後の孤独は、もうどうにもならないであろうと予感していたのだ。」
孤独。ほんとうの孤独。そこに愛情があるからこそ、おそろしい孤独。
あたしは幸福な子どもとして育てられてきた。なのに、あたしは時々どうしようもなくかなしくなることがあった。いまでも。そのかなしみの正体を、詠美さんは、くるしいほど正しいことばで、表わしてくれた。
やっと、この話をすこし冷静にひらけるようになって、文庫を手元に置いたのだけれど、それでもやっぱり、すこしくるしい。
たぶん、あたしが幸福である限り、それはつづく。
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昔山田詠美にはまってた時期があります。そのときマイベストだったのが、「風葬の教室」。今でもこの作品は大好き。
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どちらも大好きな小説です。
山田詠美の、未成年の学校生活を絡めた物語は本当にイイと思う。好きです。
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逃げ出してしまった以上、もう戻れない纏足の足枷。全部を知っていたのは、本当はえり子なんじゃないかと思う。(『蝶々の纏足』)ベスト・オブ・山田詠美。
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山田さんにはまってるころ本屋さんで見つけて買った本。3つの話が入ってて主人公の女の子がいろんな意味で成長していくんだけど。その女の子のそれまでの葛藤(?)とかそういう縛られた感から抜けていくかんじがすごく好き。