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紙の本
期待を裏切る好著
2005/09/24 06:43
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yukkiebeer - この投稿者のレビュー一覧を見る
タイトルから想像した内容はスペインの食に関するエッセイといったもので、じゃぁどんなうまそうな郷土料理について綴ってくれているのかと期待して手にしました。ところが実際は、20代前半で結婚した一人の専業主婦が小学生の息子を連れてスペインに渡ってやがてスペイン料理の研究家になっていく過程を描いた自分史ドキュメントです。結果的に期待とは違いましたが、うれしい裏切りと感じさせるに足る内容をもった一冊でありました。
ひとりの専業主婦なんかで終わりたくないとがむしゃらに頑張ってここまで私はやりました、という類いの「力こぶ型エッセイ」ではありません。著者は決してスーパー・ママではなくて、旅先で里心のついた幼い息子に振り回されたり、「どこの世界に毎年海外旅行する主婦がいますか!」と姑にどやしつけられたりと、「おおつきさん、それはあんたが悪い」、と思わせるようなハードルにぶちあたります。そこでくじけず、かといって平気の平左でやりすごすでもなく、ちょっぴり悩みつつも良い意味でのケ・セラ・セラのラテン気分で著者は今日の自分を築いていきます。その姿は全く嫌味がなく、とても好感が持てました。
時を経るにつれて母をいたわる気持ちを見せ始める息子の純クンの成長にほほえましいものを感じて、読み進むうちにちょっぴり涙腺が緩んだりもしました。
そしてなんといってもご亭主の存在が大きいと思わせます。絞めるところは絞めつつも妻に対して懐深い静かな応援を続けるご亭主の様子が随所に出てきます。ひょっとしたらこれは思いっきりの「のろけ本」ではないでしょうか。その意味ではこの本は本当に「ごちそうさま」と言いたくなる一冊です。
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