台所 みんなのレビュー

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投稿者：ふみちゃん　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

この短編集に掲載されている小説は、すべて５０歳代から６０歳までに書き上げられたもので、その作品はどれも定年まじかの会社員の物語、母親の介護（台所）、ライフプランセミナーへの参加（夏の終りに）、友人の外国人を寺に連れていく話（カラの海）、能狂言の話（不悪）、昔の恋（電車の中）、今の恋（仮の宿り・蜜）、世話になった先輩の話（仮の宿り・ある日の雪）と多彩、そういえば、私も最近、昔の恋のことをなぜかしきりに思い出す。そして、最後の２作は、友人であった山川方夫氏と武満徹氏との思い出が詰まっている。坂上氏はリコーに勤めながら小説を書かれていたいわゆるサラリーマン作家で、今年（２０２１年）、鬼籍にはいられた、８５才であった