投稿元:
レビューを見る
読み物がなくなったので、古いリアル本棚から引っ張り出してきた文庫本。
あらためて読み返してみても、とても新鮮。男と女のことは古今変わらないってことなのね。
投稿元:
レビューを見る
林真理子はあまり読んだことがなかったのだけど
(多分エッセイを読んだくらい)、
正直こんなちゃんとした文章を書く人だと思わなかった。
もっとイライラさせられる、
その時代一瞬しか耐えられない話を書く人かと。
そう思い込んでいたのは、
多分にそれは一時期流行ってしまったからなんだろうな…。
それともこの短編集が彼女の流行の後のものだからか。
確かに物語の設定は二昔くらい前に感じるけれど、
あまり気にならないのはやはり、
ストーリーの良さではないかと。
あるいはそれは
男女の関係は時代が変わっても同じってことかもしれないけれど。
収録作品10編の中で一番良いと思ったのは『つわぶきの花』。
逆にイマイチだったのは最後の『土曜日の献立』、かな。
前者は落ち着いているので。
静かな感じがこの中では際立って見える。
後者はちょっと古くさいと言うかわざとらしいと言うか、
私のこれまでの林真理子イメージに近い。
収録作品
・つわぶきの花
・前田君の嫁さん
・ウェイティング・バー
・怪談
・朝
・わたくしの好きな写真
・いらつく理由
・靴を買う
・残務処理
・土曜日の献立
投稿元:
レビューを見る
読んだあと感慨深いというかちょっと落ち込むというかぞっとする。複雑な心持になります。
林さんは見ないようにしたい心の隅っこをつつくのがなんて上手なんだろうと思います。
投稿元:
レビューを見る
すらすらと読みやすくまとまった短編集。タイトルからしてもっとエグイ内容を想像していたので、少し評価は低め。かなり昔に書かれているが、今も昔もオンナの考えることは変わらないんだな、と思った。
投稿元:
レビューを見る
1994年の作品。短編集。
「怪談」というタイトルだがホラーではなく、男と女の怖い話という意。他の小説と差は感じられない。
著者にしては硬い感じで、結末の曖昧さなど森瑶子さんのようだった。
(図書館)
2013.11.1 購入
投稿元:
レビューを見る
図書館にて借りました。
怪談と云ってもお化けが出てきたり、怪奇現象が・・・なんて話じゃなく、男女間でぞーっとするお話。
不倫相手が自宅のベッドにいたり、結婚が決まったら婚約者へ怪文書が届いたり。
好きな相手には相手にされず、嫌いな相手には好かれるのもひとつの怪談(笑)
投稿元:
レビューを見る
・9/13 読了.いやー、げに恐ろしきものは男女の仲ってことかな.こういう恐ろしさを経験しないのがいいのか、経験するかもしれないリスクを冒してでも禁断の恋をしてみるか.あー恐ろしい。。笑
投稿元:
レビューを見る
男女の関係のなかに訪れる恐怖の瞬間を、スナップ・ショットのように切り取った短編10編を収録しています。
表題作の「怪談」は、結婚を控えた男の家のポストに怪文書が入れられるという物語。犯人を探し出したいという男の気持ちは、やがて妻となる女の過去を知りたいという気持ちと入り混じって、自分を取り巻いている環境がただならぬものだったという真実に近づいていく話、なのですが、ちょっとオチが弱いように感じます。もうすこし周辺の設定を整えてほしかったところです。
「つわぶきの花」は、妻や二人の娘との気持ちの断絶を感じている男性が、庭いじりをしながらつらつらと感じている気持ちを綴ったもの。「前田君の嫁さん」は、農村の青年である後輩の前田君の結婚式のとき、新婦の姿に感じ取ったさびしさの正体をたしかめようと、自動車で彼女を病院まで送りつづける男の話。「ウェイティング・バー」は、若い女と結婚することになった男と、彼と同年代の女とのバーでの会話。「朝」は、不倫相手の若い女が、妻子のいない朝の家に入り込んでくる話。
「わたくしの好きな写真」は、不倫相手の男のアルバムを見たくてたまらない女性が、ようやく彼のアルバムを手にするものの、そのために自分の心の奥底に封じ込めていた記憶の扉を開いてしまう話。「いらつく理由」は、男と別れて三ヶ月になる女性が、自分に好意を寄せる男を受け入れることができず、自分が好意を寄せる男との関係は進展しないという状況のなかで惨めな振舞いを演じてしまった自分自身に、苛立ちを感じる話。「靴を買う」は、ブランド物のバッグを手にすることのできない東京で働く女性の感じる理不尽さを描いたもの。「残務処理」は、活発でまわりの人びとに人気のあった妻と離婚した男が、しだいに自分の周囲の人間関係が元妻を中心にしたものに変わっていたことに気づく話。「土曜日の献立」は、かつて付き合っていた男女が「大人の付き合い」を演じようとするものの、一人の女友達の言葉によってその虚構が壊されていく話。
「靴を買う」や「土曜日の献立」は、著者らしいギミックが小気味よく感じられます。