紙の本
まるでドラマ、渡る世間は鬼ばかり、のよう
2000/10/13 17:01
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:もぐもぐ - この投稿者のレビュー一覧を見る
親戚や祖父母に囲まれた大家族での暮らしをふと「うらやましいかも」と思わせる温かい小説です。最初はよくある嫁姑の戦いなのかと思われました。しかし、それだけではなく、多くの人々とのお付き合いの機微や心くばりをふんだんに盛り込んだものでした。主人公の幸子夫婦は平凡な中年の夫婦というだけではなく、劇的な大恋愛を経験して結ばれ、長年に渡ってもうらやましい程のラブラブぶりです。おしゃれな、というわけではないけれど魅力ある理想的な女性である幸子。全編を通じて彼女が発する言葉、行動、表情、全てが共感を誘い、うんうんとうなずかせるリズムがあります。一緒に悔しがったり呆れたり、次から次に出てくる問題にハラハラワクワクしているうちにあっと言う間に読み終えてしまいます。まるでドラマ、渡る世間は鬼ばかり、のように続編がでないかなと気になっちゃいます。
投稿元:
レビューを見る
「悪気もないが気働きもない」
主人公の妹を評するこの言葉が忘れられない。
こういう人って多いのw
的確に伝わる表現で納得。
投稿元:
レビューを見る
林真理子っぽくないってトコロでは、幸福御礼よりこっちが上かなぁ・・・(笑)
渡鬼っぽい雰囲気がプンプン。
投稿元:
レビューを見る
年上の奥さんを貰った大家族の息子が自分のおばあちゃんの介護のために実家に戻る話。嫁と姑の確執、財産争いなど色々な話題が満載です。結構面白く読めました。林真理子っぽくない感じです。
投稿元:
レビューを見る
嫁姑の確執、老人介護…総勢9名の菊池家で巻き起こる騒動。「渡る世間〜」ばりに、ねっとりじっとりしてしまいそうな人間模様を、おもしろおかしく描けているのは、次男の嫁・幸子のキャラによるものかな。
林さんの作品としては珍しい分野かも。
投稿元:
レビューを見る
なんとなく「幸福御礼」に似てるかなぁ〜。幸子のカッコよさに惚れる!幸子は「細雪」の幸子と名前も一緒だけど、かなり似てる気がする。そういえば、夫の忠紘も貞ノ助に似てる気がするなぁ〜。一癖も二癖もある菊池一家と、幸子・忠紘夫婦の仲のよさがいい味出してます。幸子の忠紘によく言う「身内に対する美しすぎる解釈」って表現が笑えます。エッセイばかり読んでいると忘れがちになるけど、林真理子の人物描写のうまさはやっぱりさすがです。
投稿元:
レビューを見る
嫌いな人も多いようだが 私は彼女の作品は結構好きで読んでいる。今回のは夫婦問題、義理の家族問題などを描いているが、しみじみと私たちの生活にノータッチのマンマ、義理の母が有難く思えた。お金の援助なんてものはもとより 一切の子育てにもHELPをしてくれなかったが、口を全く挟んでこない。しかしながら会えば 元気か?と声をかけてくる。物足りないような気もするが この本を読んでたら、「これでいいのだ」 と思えます。箸休めになる軽い小説です
投稿元:
レビューを見る
林真理子氏を小説を読むのは初。
(いままではエッセイしかなかった)
読書する習慣があまりなかった身からすると
林真理子というのは少々謎な人物で
直木賞作家という肩書きは知っているものの
「なんでこのブサ(失礼)オバハンは、こんな美人ぶってるの??」
とテレビなどで見る度に疑問を感じていた。
まあ、それは小説を読んだところで
謎のままではあるのだけれど(笑)
何かのインタビューか対談で
本作について述べられていたので
林真理子の代表作のつもりで
本作を読んでみた。
遺産をめぐる親戚一同のドタバタ劇。
真ん中がダレるが終盤はきっちり収まる。
ミスリードを誘う章題が上手いので
きっとひねくれた性格の人なのだと思う(褒め言葉)。
個人的には眼を奪われるような美しい文章などが
好きな質なので、ちょっと野暮ったく感じてしまった。