おもしろくて美しい
2001/02/03 15:49
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投稿者:ミオメロディ - この投稿者のレビュー一覧を見る
とにかくおもしろい森茉莉のエッセイの中でも、食べ物の話はことに気が利いている。口では言いがたいので、引用しまくりたくなるが、それもムダなので、とにかく、レトロなカフェに行くより、森茉莉を読む、これに尽きます。英国産のビスケットと風月堂のシュウクリイムを食べながら…。
美学ある美食の世界
2002/06/29 10:24
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投稿者:カズイ・ヤナギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
森茉莉のエッセイの入門としてまずこれから読むと良いのでは。
美味しいもの、といってもいわゆる『美食』というのではないのだが、食べ物にも美学を求める森茉莉の哲学が其処此処に生きている。
かといって難しく書くわけでもなく、ユーモアたっぷりでちらちらと読むのにも最適。
そしてなんと言っても日本語の美しさも。
しかしだからこそこの文章は著者にしか書けない物である。
文章の美しさと出てくる美味しい物たちをじっくりと味わいながら読みましょう。
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
明治を代表する文豪の娘らしく、食べるものはハイカラです。長らくの無職と極貧生活をネタに、エッセイストとして成功する逞しさが溢れています。
和食もチョコレートもジンも嗜む貪欲さ
2023/06/21 10:20
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投稿者:オオバロニア - この投稿者のレビュー一覧を見る
暮らしと食に対する独特な価値観が感じられるエッセイ。原稿が書けなくても、父親の著作を売るほど貧しくても、おいしいものさえ食べられればどうにかなるっていう生き方が滅茶苦茶だけど読んでて楽しい。和食もチョコレートもジンも嗜む貪欲さもあって読んでて清々しい。
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■説明
森茉莉の著作の中から食べ物のことを中心にまとめた著作集
■感想
ドッキリチャンネルは悪態も多いので読んでいて疲れてしまうこともありそうだが、
貧乏サバランのほうは、気取りない森茉莉の生活が無理なくかかれていて、
文章も本人が言う「なめくじ」のようにだらだらとは比較的していないので、読みやすい。
この本を読んで、森茉莉のかわいらしさが見えてきたように思う。
(前の書き込みでドッキリチャンネルを読まれた方ごめんなさい。
あれがイマイチでも、こちらは良いかも。懲りずに再チャレンジしてみてくださいね。)
ひとつひとつココが!というところがあるが、
ネタバレしないくらい書いておこうかと思う
1.森茉莉と母はふたりとも悪妻と呼ばれたらしい。その悪妻と呼ばれるに至った経緯とそれに対しての二人の悪妻の話しあたりなるほど
世の中とはそういうものだろうと思った。
2.私に常識はあるのかというところ。
このひとは本当に正直な人だと思った。
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鴎外の娘さん。ほんとにおいしいものを知ってるお師匠。カツレツに冷紅茶(リプトン)。マリービスケットにウフジュレ。どんなに貧乏でも食べ物は贅沢せねばね。
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こればっかりは文庫本でいつでも持ち歩き執拗なまでに何度も読んでいるので紙がぼろんぼろんになっている。私も根っから貧乏サバラン。
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貧乏なぜいたくもの。本当の贅沢についていろいろ考えたくなったり、偉いおとうさんを持つ人の人生の不思議を思ったり。食いしん坊な人の美味しいものへの情熱ってすごいなあ、と、それほどに食に執着のない私は思うのでした。
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家事はまるきり駄目だった茉莉の、ただ一つの例外は料理だった。オムレット、ボルドオ風茸料理、白魚、独活、柱などの清汁…
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<楽しむ人>になりなさい。
贅沢な精神をもちなさい。
陶酔(うっとり)をやめないで。
胡桃、微温湯、洋盃、胡椒色、瓦斯。
ことばのエロティシズム。
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初めての森茉莉。
こういう、「貧乏贅沢」の精神はちょっと見習いたい。
「贅沢」=悪徳、としない。意識とか、根本的価値観の贅沢。
選集なので、ちょっと重複する内容が多いかな?と思うのですが、
これらの文章で何度も語られている食べ物にそれだけ思い入れがあった、とも取れる。
食べてみたいものNo,1はウフ・ジュレ!(半熟卵入りのコンソメのゼリー)
パリの生牡蠣、ドイツのプラムと梨のコンポート。
お酒はヴェルモット。
終わりの方に乗っている、森茉莉自身の献立覚え書きを、わからない部分をいろいろ想像しながら
再現するのが楽しい。
チョコレートの包み紙やヴェルモットの空き瓶、花の砂糖菓子への愛着など、おちついた少女趣味がまたいい感じ。
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▼食欲のないときに読むといいんじゃないかと思うエッセイ集。
▼傑作ばっかり読んでいる時に緩衝材にするといい感じ。いや、緩衝材にはほんとはもったいないんだけどね。
▼森茉莉のエッセイを緩衝材に使えるなんていい時代だなあ。ブックオフで150円だよ。マジで。
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何故、料理エッセイがこんなにも美しいのか!
それはひとえに森茉莉の文章があるからでしょうね。茉莉ばあさんの悪口もまた、面白い(笑)。
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読むといちいちに作者がこだわるので疲れた。こだわりすぎて不便な人だ。
ある種の美学だと思うし、若い痛いころに出会っていたなら劇ハマリしていたかもしれないが、わたしはもう大人だし、社会と敵対もしていないし、「大変そうな・・・」という感想がメイン。
森鴎外の娘。
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貧乏だって美味しいものが食べたい。
食べるものをけちけちしたら、人生がつまらない。
森鴎外の娘、森茉莉の人生哲学と贅沢な思想が面白い。