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紙の本
鮮やかな心理描写
2002/01/01 05:46
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投稿者:和音 - この投稿者のレビュー一覧を見る
天才作家 高岩青十の文学記念館で次々と起こる放火騒動。そして、学芸員が 記念館で死体となって発見される…。様々な謎を追い始める青年学芸員とミステリ作家の兄妹。青年の心情と葛藤が鮮やかに描かれています。トリックも人間関係もさほど難しいわけではないので、素直に読めば謎は分かるかもしれません。しかし、読んでいて青年に感情移入してしまうと読むのが辛くなってしまうかもしれません。そのくらい心理描写が生き生きと鮮やかに描かれている作品だと思います。
紙の本
閉じた悪意
2001/02/14 15:57
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投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
さらり流れる日常、あるいは、ほのぼのとさえしている日常の中に、一瞬針で突いたような悪意。もうぎらぎらぐつぐつと悪意が煮立っていて、終盤まで手に汗握る醜悪さ、という社会派ミステリも結構好きなのですが、若竹さんが描くこの「振り返れば悪意」的な残酷さは、やはりこの方の本でなければ見られないものですからね。何度読み返しても、そのときその年齢の気持ちで、セリフ一つ、行動一つ、社会一つの残酷さが違った形で見えてくるという恐ろしい本です。この動機に共感できないという方も結構いらっしゃるらしいのですが、この動機をここまで共感できるように描ける作者の技に感動しました。
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