紙の本
眞杉静江
2021/01/20 20:14
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投稿者:earosmith - この投稿者のレビュー一覧を見る
武者小路実篤の愛人であったいう眞杉静江。自分の作品としては名前が残るものを残せず、薬物中毒にもなっていく描写が生々しくとても恐ろしく感じました。とても読みごたえがあります。
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投稿者:絢子 - この投稿者のレビュー一覧を見る
眞杉静枝の一生を秘書の目から描いた真実の伝記。でも、眞杉静枝って誰? 「武者小路実篤の愛人」という裏表紙の説明に、ああそうかと思う。聞いたことそういえばあったっけ…。
「女流作家」とか「女流歌人」とかプロフェッショナルな女性の一生を読むのがとても好きだ。この本も気合を入れて読み始めた。そして骨太な文章と静枝の報われない愛の行方に胸を打たれた。彼女をわがままだと言うのは簡単だ。けれど、こうも必死に愛を求めつづけた彼女にはいつも不幸の影が漂っていて、私は静枝をただの奔放な女だとは思えなくなる。男に見捨てられても、それでも男を必要と割り切り生きていく静枝。しかし周りはそれこそ多くの被害をこうむって、葬式で交わされる会話も個人の死を悼むそれとはかけ離れている。遺書にまでけちがつけられる。
もっと生まれる時代が後であったら、静枝は幸せになれていたのだろうか。現代においても静枝のような女性は認められないのだろうか。
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決して共感は持てない、やりきれなさすら感じた。林さんが持つ独特の感性で書かれる誰でも持っているだろう一面を見た気がした。
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林さんのエッセイは面白いけど、小説は驚く!!面白くてゾッとするッ!!コレは学校の便覧で登場する文士の名前を探しながら読み2・・・。決して静枝に同情はせんけどもな(好かんタイプ)〜〜〜モヤ2・・・。気持ちが納まらんので、今年の読書感想文にしよう・・・。
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昭和初期の文壇の様子がイマイチ分かっていないので、どこまでがフィクションで、どこまでがノンフィクションなのかが分からなかった。個人的には静枝のような女は好きではないが、戦争が彼女の人生を変えたとも言えるかもしれない。他人の目を気にしないで、信念にのっとって生きていけるのは幸せなのか、どうか。【2006年11月17日読了】
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台湾で育ち横暴な夫から逃れて大阪で新聞記者になり、武者小路実篤の愛人となって女流作家の仲間入り。若い恋人を経て中山義秀の妻となるが破綻。昭和初期の文壇の艶聞を一身に集めた眞杉静枝がヒロイン。書けないことの苦悩と認められないことの苛立ち、いつかは長編をものにする有名になるといいながら借金だらけの放蕩生活。編集者が著者に「女流作家なら眞杉静枝を書け・・」との言葉に奮起され描ききった女流作家の生涯は、著者の筆力を堪能できる。実篤と静枝の隠れ家にカメラマンが押し寄せる場面は、その当時も今と変わらぬ取材状景を思わせて失笑。当時の文壇の様子が垣間見える小説でもある。著者の醜聞好き好奇心は時代を超えて縦横無尽。
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『胡桃の家』『幸福御礼』『みんなの秘密』につづき、この『女文士』は「衝撃を受けた林真理子作品」のひとつになりました。
「もっと幸せになりたい。もっと認められたい。もっともっと、愛されたい。男を、結婚を、名声を、執拗に求め続けた女、真杉静江。最初の結婚からは自ら逃げ出した。愛人・武者小路実篤はついに応えてくれなかった。若い恋人・中村地平は逃げ、夫となった中山義秀も最後には背を向けた。死の間際まで艶聞にまみれたスキャンダラスな女流作家。」背表紙より抜粋。
彼女の生きた時代のにおい、彼女自身のにおいが漂ってくるような作品。
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文才も美貌も持った真杉静枝。ひたすら愛を求める姿には辟易する反面、プライドもなく愛に縋る姿にはどこか憎めない部分がある。自分もそうなのかもしれないな。もちろん、歴史小説として内容が濃く読み応えあり。
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眞杉静枝・・・・女流作家、らしいんだけど誰?って感じ。
宇野千代、平林たい子、林芙美子・・同世代の作家で活躍してる人は何人かわかるけど、
彼女の名前は初めて知った。
それもそのはず、たいした作品を残してないのだもの。
今でいうスキャンダル女優みたいなもの?
たいした仕事をしてるわけでもないのに、当時の人たちにはなぜか名前をよく知られている。
でも時が経てば、自然と忘れられていく有名人。
眞杉静枝は武者小路実篤の愛人、中村地平の恋人、中山義秀の妻・・・・と有名作家ばかりをねらっては
積極的に近づいていき自分のものにしていく。いわゆる魔性の女。
若いときはたいそうな美人だったらしいけど、どうも身の回りのことにはだらしなく、
晩年はヒロポン中毒にもなっていたらしい。
仕事がなくてどんなに借金していても、華やかな生活を手放すこともできず、夢ばかりを語る。
美人、だらしがない、借金、能力なし、やる気もなし、でも自信はある。
今の芸能界にも何人かこういう人いそうです。
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えーと、眞杉静枝という女流作家が主人公です。
この人は実在したんですか?
え、したって?
あらそう。まったく存じ上げておりませんでしたわ。
時は作家がいまでゆう芸能人のごとく、もてはやされてる時代でした。
そんな時代に台湾に産まれ、見合をさせられ、結婚して
日本へいき
その美貌で武者小路実篤の愛人になり
若い作家と同棲し
中山義秀と結婚し、離婚し…。
当時でいったら大変スキャンダラスな女性でしょうね。
彼女はひたすら、愛を求めてて、そして地位を手に入れたがった。
悲しい女の生きざまとでもいいましょうか。
結婚すれば、文士の妻になれば、子供さえ作れれば…そんな思いで生き続けた女性の話です。
でも結婚も、妻の地位も、子供を作ることでさえ
夫を愛してるから、とかじゃなくて自分の名声をあげるために願ったもの。
結局、この女性は男からの愛を求めるけど誰も愛してなかくて
自分だけを愛し続けたんじゃないのかなぁ。
貪欲。
どこまでも貪欲な女性。
でもそこまで自分を愛せる人もなかなかいない気もします。
けれども、こんな哀しい人生は送りたくないな、と思ってしまうそんな小説でした。
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女流作家になるという幸福はあったけど、他は離婚とか戦争とか麻薬中毒とか辛い事が多くて、波瀾万丈で浮き沈みの激しい人生より、平凡な人生の方がいいって思ってしまいました。
全部フィクションの話なら○○の時に××しておけばよかったのに…とか感想が言えるのですが、実在した人物の話だと事実として受け止めるしかないから辛いです。
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林真理子の本は多少読んでいるが、エッセイが多く、彼女はファッションや美容の事に関する関心が強い女性と言うイメージが強かった。
この本は、とても引き込まれて読んだ。眞杉静枝と言う女性に嫌悪感を覚えてしまったが、彼女の哀しさ淋しさと言うものが伝わってきて切なかった。
壮絶な生涯を描いた凄い本だと感じ、著者の実力を感じた。
最後に、参考文献のページを見て、又別の感動を覚えた。これだけの本を書くために著者が参考にした文献の数はすごかった。
それを知って、私は林真理子のファンになった。
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女文士というタイトルになんか惹かれて読んでいますが
タイトルがりりしいのに、内容はなんか女々しい。
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眞杉静江という人は正直苦手だ。
私のなりたくない人間NO.1。
美人で、何もしなくてもチヤホヤされて、知名度の割には何もしていないのに。
でも、あとがきの女流作家の業という言葉に納得した。
世間は飽きっぽく、次々と仕事をしなければ存在を忘れ去られるのだ。
なんだか教訓というか、戒めというかを得た。
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林芙美子や宇野千代と同時代に生きた眞杉静江の生涯を彼女の付き人のようなコケシちゃんの視点から描く。
台湾で生まれ、美貌の母から受け継いだ美貌ゆえに先を不安がられ早くに嫁がされるもその結婚生活は不幸なものに。
YWCAの寄宿舎へ逃れ、ようやく読書の楽しみを語り合う友に恵まれ…記者の仕事も得て。
そのなかの1人、船場のご寮さん 松子(後の谷崎潤一郎夫人)の無邪気な発言をきっかけに憧れの志賀直哉や武者小路実篤と対面、武者小路実篤の愛人となり…
中村地平、中山義秀、はたまた若き日の太宰や宇野千代、才ある作家たちと交流しつつも結局ただ女であった哀しき女のお話。