紙の本
フェアかアンフェアか…
2001/09/01 01:14
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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説は、最低でも2回読まなくてはなりません。それも2回目は、とても注意深く…。読めば読む程「???」になる小説です、特に後半が。
クリスティの「アクロイド殺し」が、「フェア」か「アンフェア」かの論争は有名ですが私の意見は、クリスティは「フェア」、殊能将之は「アンフェア」。
作品全体に仕掛けられたトリックでもあるのですが、「ハサミ男」の中で示される、「本物のハサミ男」に関する手がかりの描写は、「たぶん」ただ1ケ所。仕掛けを見破って、チェックするために読んだ人にしか分からないような描写になっています。
この作品では、トリックにかかわるためわざと人物描写をさけていると思うけど、作者はこの後の作品にも、それをひきずりすぎていないでしょうか?
それにしても「体重に不自由なわたし」が、ヒトメボレされるとは、世の中には色々な趣味の人がいるものだ(笑)。
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『ハサミ男』というタイトルそのものも皮肉なんですね。久々叙述トリックに壮大に引っかかりました。驚いた。
引っかからないようにするポイントは、一人称で語る主人公の性格と、他人が客観的に観察している主人公の性格をよく見比べることですかねー。
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わたしのサイトにはいろんな本を紹介したコメントがあるんですが、その全部を読んでくれた方が「ハサミ男は読みたくなったよ」とおっしゃってました。他は‥‥。受賞決定の際のメフィスト座談会は素晴らしかったようです。
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タイトルの安っぽさから敬遠していたが、読んでみて、久々にやられた感じがした。読めば分かる。其れしか言えない。
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ずいぶん前に先輩から「映像化不可能だな」と聞かされていて、「ああ、信用できない語り手なんだな」とは予想していたが、ここまで裏切られるとは! 正直、語り手の正体が割れる場面で、硬直してしまいました。
『デスノート』のキャラクターに当てはめるとぴったりな感じ。いや、俺の妄想。
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かなり衝撃のデビュー作だった。だけど、メフィスト賞決定後のメフィスト座談会で、「受賞者が見つかりません!ウォンテッド!」と捜索願を出されていたのは、さらなる衝撃だった。
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犯人が探偵というちょっと変わったミステリ。主人公である犯人が魅力的。
これがデビュー作だというのが何より素晴らしい。しかし、以後の作品すべてを読んでいるが、これを越えていない(それだけ当時この作品が鮮烈だったのか・・・?)のが残念。
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怜悧・大胆・精緻
新感覚ミステリの傑作
ハサミ男=美少女連続殺人鬼。
死体の首には鋭く光るハサミが一丁!
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。
3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。
自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。
「ハサミ男」は調査をはじめる。
精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!
という事らしいです。
講談社ノベルズでご活躍の殊能将之先生ですが、やはり『ハサミ男』が有名なのではないでしょうか。
かく言う私も本屋の店頭でずっと 『ハサミ男』というタイトルが気になってとうとう購入してしまいました。
京極堂の言うように、どんな本でも面白いのでしょうが、それでも当たり外れは絶対にあると思います!
そしてこの本はアタリ!!
なんかサイコでグロい話かな〜と少し引いていたのですが、そういう系のミステリでもなく(いや、殺人のとことかグロいと言えばグロいですが)読後はアメリカ映画(ホラー)のラストシーンみたいでした。
(大抵ロックっぽい音楽がエンディングなんですよね……)
あ、でも全然怖くないですよ!
心理的に怖いとかも全然なし!
「あ!やられた!!」という楽しい読後でした。
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最後まで読み終わった時に、あまりにもびっくりしすぎて(たぶん血圧が一気に10くらい上がったと思う)、狂ったようにまた最初から読み直してしまった。
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基本的に犯人を捜しながら読むこともしないので、犯人が解ったところで悔しい気持ちになることはないのだけれど、これは流石に悔しかった。
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猟奇的な連続殺人犯「ハサミ男」が、自分の模倣犯を追うことに。知的で魅力的な犯人の意外な素顔。途中、カツン、と引っかかったら、見過ごさず注意して読みましょう。映像化のできないトリックです。
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殊能デビュー作。長いこと遠ざかっていたミステリーの世界に再びハマることとなった記念すべき作品。いや〜、気持ちよく騙されました。
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ちゃんとしたミステリでした。メフィスト賞受賞作品なので、どこか破綻してるかなとも思ったんですが、らしからぬキチットした作品。この作者の次の作品も読みたくなるような非常に良作でした。
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春を待たずに殊能先生が亡くなってしまった。だいぶショックだった。だがまあ一読者に出来ることというと、覚えてることと、再読すること、このくらい。だから訃報を聞いたその晩、数年振りに読んだ。
私の持ってる『ハサミ男』はノベルス版で、第一刷から一年後くらいに出た第十三刷。2000年だって。不思議になってくる。過去って何なの。その頃、自分が何をしてたか思い出せない。とにかくその時は作者も生きてた。今は本だけ残ってる。作家ってすごい。
で、結局ろくな感想が書けない。
とにかく、改めて読むとすごくツルッと書けてるんだなあ、という印象。終わりの終わりまでテンションがある。歪んだ弦の音で勢いよく走り抜いたような読み終わり。意味わかんないな。やっぱり感想が書けない。
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美少女が連続して殺される事件が起きていた。死体ののどにハサミが突き立てられていたことから、犯人は「ハサミ男」と呼ばれるようになる。
そして、ハサミ男の第三の犯行が……!?
しかし、「ハサミ男」である主人公の「わたし」は、その少女を殺してはいなかった。
ハサミ男を模倣した真犯人は誰なのか。
主人公はその捜索を開始する。
警察が出てくるまではちょっとテンポが悪く読みづらいかなーと思っていたんですが、警察の捜査が始まってからはテンポ良く読むことが出来ました。
「ハサミ男」は自殺願望が強いのですが、その自殺方法にちょっと気分が悪くなったりもしましたが。
捜査が始まって以降は面白かったです。主人公よりも警察側の人物が好きだなあ。上井田さんとか村木さんが。
タイトルからして、もう少しノリが軽いと思ってたんですが、全然違ってました。何となく、レクター博士シリーズを彷彿としました。