紙の本
固定観念を嘲笑うかのような
2001/05/27 15:30
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投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る
お見事、という感じ。
読者の盲点をついたトリックもさることながら、細部の描写と事件の起こる舞台の身近さが、ストーリーを妙に現実的に見せ、恐怖を与えてくれます。終わりが気色悪いところも逆にいい感じ。
ただ犯罪やその動機に関する分析は、京極夏彦が既に語っていて目新しいものではありません。
紙の本
これぞ本格の王道!
2001/01/14 19:21
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投稿者:真 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、第13回メフィスト賞を受賞した、作者の処女作である。
「ハサミ男」と世間で呼ばれる(わたし)は、三人目の標的を捜していた。ところが、いざ殺そうとしたとたん、目前で獲物を何者かによって先に殺害されてしまう。しかも、自分自身の殺害方法と同じ、喉にハサミと突きつけられるという残酷な方法によって…。
新人らしからぬ文体、構成力、そして殺人犯が探偵をするという変わった趣向によって、どんどん物語の中に引き込まれる。
本格モノが好きな人には、おすすめの一冊である。
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『ハサミ男』というタイトルそのものも皮肉なんですね。久々叙述トリックに壮大に引っかかりました。驚いた。
引っかからないようにするポイントは、一人称で語る主人公の性格と、他人が客観的に観察している主人公の性格をよく見比べることですかねー。
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わたしのサイトにはいろんな本を紹介したコメントがあるんですが、その全部を読んでくれた方が「ハサミ男は読みたくなったよ」とおっしゃってました。他は‥‥。受賞決定の際のメフィスト座談会は素晴らしかったようです。
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タイトルの安っぽさから敬遠していたが、読んでみて、久々にやられた感じがした。読めば分かる。其れしか言えない。
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ずいぶん前に先輩から「映像化不可能だな」と聞かされていて、「ああ、信用できない語り手なんだな」とは予想していたが、ここまで裏切られるとは! 正直、語り手の正体が割れる場面で、硬直してしまいました。
『デスノート』のキャラクターに当てはめるとぴったりな感じ。いや、俺の妄想。
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かなり衝撃のデビュー作だった。だけど、メフィスト賞決定後のメフィスト座談会で、「受賞者が見つかりません!ウォンテッド!」と捜索願を出されていたのは、さらなる衝撃だった。
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犯人が探偵というちょっと変わったミステリ。主人公である犯人が魅力的。
これがデビュー作だというのが何より素晴らしい。しかし、以後の作品すべてを読んでいるが、これを越えていない(それだけ当時この作品が鮮烈だったのか・・・?)のが残念。
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怜悧・大胆・精緻
新感覚ミステリの傑作
ハサミ男=美少女連続殺人鬼。
死体の首には鋭く光るハサミが一丁!
美少女を殺害し、研ぎあげたハサミを首に突き立てる猟奇殺人犯「ハサミ男」。
3番目の犠牲者を決め、綿密に調べ上げるが、自分の手口を真似て殺された彼女の死体を発見する羽目に陥る。
自分以外の人間に、何故彼女を殺す必要があるのか。
「ハサミ男」は調査をはじめる。
精緻にして大胆な長編ミステリの傑作!
という事らしいです。
講談社ノベルズでご活躍の殊能将之先生ですが、やはり『ハサミ男』が有名なのではないでしょうか。
かく言う私も本屋の店頭でずっと 『ハサミ男』というタイトルが気になってとうとう購入してしまいました。
京極堂の言うように、どんな本でも面白いのでしょうが、それでも当たり外れは絶対にあると思います!
そしてこの本はアタリ!!
なんかサイコでグロい話かな〜と少し引いていたのですが、そういう系のミステリでもなく(いや、殺人のとことかグロいと言えばグロいですが)読後はアメリカ映画(ホラー)のラストシーンみたいでした。
(大抵ロックっぽい音楽がエンディングなんですよね……)
あ、でも全然怖くないですよ!
心理的に怖いとかも全然なし!
「あ!やられた!!」という楽しい読後でした。
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最後まで読み終わった時に、あまりにもびっくりしすぎて(たぶん血圧が一気に10くらい上がったと思う)、狂ったようにまた最初から読み直してしまった。
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基本的に犯人を捜しながら読むこともしないので、犯人が解ったところで悔しい気持ちになることはないのだけれど、これは流石に悔しかった。
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猟奇的な連続殺人犯「ハサミ男」が、自分の模倣犯を追うことに。知的で魅力的な犯人の意外な素顔。途中、カツン、と引っかかったら、見過ごさず注意して読みましょう。映像化のできないトリックです。
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殊能デビュー作。長いこと遠ざかっていたミステリーの世界に再びハマることとなった記念すべき作品。いや〜、気持ちよく騙されました。
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ちゃんとしたミステリでした。メフィスト賞受賞作品なので、どこか破綻してるかなとも思ったんですが、らしからぬキチットした作品。この作者の次の作品も読みたくなるような非常に良作でした。
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春を待たずに殊能先生が亡くなってしまった。だいぶショックだった。だがまあ一読者に出来ることというと、覚えてることと、再読すること、このくらい。だから訃報を聞いたその晩、数年振りに読んだ。
私の持ってる『ハサミ男』はノベルス版で、第一刷から一年後くらいに出た第十三刷。2000年だって。不思議になってくる。過去って何なの。その頃、自分が何をしてたか思い出せない。とにかくその時は作者も生きてた。今は本だけ残ってる。作家ってすごい。
で、結局ろくな感想が書けない。
とにかく、改めて読むとすごくツルッと書けてるんだなあ、という印象。終わりの終わりまでテンションがある。歪んだ弦の音で勢いよく走り抜いたような読み終わり。意味わかんないな。やっぱり感想が書けない。